虫はともだち

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早めのつるや木の実の採集で出会った虫たち

前回の記事のおまけです。 

mushitomo.hatenablog.com 

 今回は植物や虫が休眠期に入る前に採集に行ったので、いろんな虫にも出会いました。

今年の秋は気温の高い日が続いたので、例年よりも虫が元気だったせいもありそう。 

採集中に「これ何の虫?」と聞かれることもあるので、「秋に自然素材を集めに行ったら出会う虫」をまとめてみます。

10~11月に採集対象の木の実やつるにいた虫が中心です。

植物に注意がいっていたので、見過ごした虫はいっぱいだと思いますが。

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▲こんな感じのわさわさした場所や川原などが採集地。

ツルウメモドキにいた虫 

キバラヘリカメムシ 

これはツルウメモドキにつくカメムシ。アニメチックで好きな虫ですが、近所に食樹がないので、久しぶりのご対面。

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ヘクソカズラにいた虫

ホシホウジャクの幼虫 

ヘクソカズラはホシホウジャクやホシヒメホウジャクの幼虫の食草です。

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▼去年の写真ですが、ホシホウジャクの成虫はこれ。夕方近くになると、セイタカアワダチソウやアベリアなどで超高速ホバリングをしながらの花の蜜を吸っている「蜂みたいな蛾」「小さいエビフライ」です。

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オオカマキリ

ヘクソカズラで獲物を待つオオカマキリさん。 

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ヘクソカズラを干していたら、オオカマキリの卵を見つけました。

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ガの幼虫

 ヘクソカズラの実はよくこんな風に糸でぐるぐる巻きになっています。

一見「クモの巣」のように見えますが、こういう網を張るクモはいません。

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▼糸をこじ開けてみたら、こんな芋虫が。

調べてもよくわからないんですが、ガの幼虫…ですね。

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ノイバラにいた虫

ハバチの幼虫

チュウレンジバチの仲間はバラ類の幹に卵を産み、たくさんの幼虫が葉を食害します。 

私は「春夏の虫」の印象だったので、意外。

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ナンキンハゼにいた虫

みのむし

チャミノガの幼虫ではないかと思います。実の隙間に、隠れるようにたくさんついていました。 

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混じり込んでいた虫 

ホソハリカメムシ

イネ科につくカメムシなので、つるがあった茂みにいたのでしょうか。 

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アオバハゴロモ

いろんな木の汁を吸うカメムシ。これも採集した荷物に紛れ込んでいました。

私の印象としては「夏の虫」ですが、まだいた? 

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近くにいた虫

イセリアカイガラムシ

これはユキヤナギの枝にいたイセリアカイガラムシの写真ですが、採集したミモザの枝にもたくさんついていました。。一年中見る虫です。(11/6)

 

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▼母親の白いろう物質の中を開けてみると、オレンジ色の卵と幼虫が。(11/10)

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キョウチクトウアブラムシ

ガガイモのつるにいたキョウチクトウアブラムシ。大量発生していました。

ちなみに、ガガイモのつるは、汁に毒性があるのでリースには使いません。

 

▼出産中のもいましたし(赤丸)、有翅型も混じっていました。

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テントウムシ(アブラムシを食べる)や寄生蜂(アブラムシに卵を産みつける)も来ていて、なかなかドラマチックでした。

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▼ガガイモの実はまだ熟す手前でした。

割って、中のふわふわを確認してみたら、まだぺったりと格納されていました。

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外来のハゴロモ

何年か前から見かけるようになった外来種ハゴロモの仲間。

ほかのハゴロモが夏がピークなのに比べて、これは秋にも二回目の繁殖期が来ます。 

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 ミナミアオカメムシ

アオクサカメムシとそっくりなので自信がありませんが、アレチヌスビトハギに幼虫が密集していました。  これも勢力拡大中の外来種

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▼ アレチヌスビトハギはわが街ではこの時期やっかい度No1のくっつき虫。

これ、採集の最後にまとめてクレジットカードのような厚めのポイントカードでこそげ取ると、わりとすんなり取れます。

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ムネアカハラビロカマキリ 

落葉した枝先でよく見かける外来種のムネアカハラビロカマキリの卵。

在来種のハラビロカマキリの卵よりも白黒のコントラストが強く、大きさも一回り大きめです。ここ数年、わが街は在来ハラビロはこの外来種に完敗です。

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 ヒメホシカメムシ 

 川原や空き地にたくさんあるアカメガシワに来る虫。たぶんそばにアカメガシワがあったんでしょうね。

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 ジョロウグモ

虫じゃないですが、いつも気にかけているのでどうも目に入ってきてしまいます。

10~11月上旬はジョロウグモの網が最大になる時期。

採集地の足元は、ほかにもコモリグモやハシリグモなどもたくさん見つかりましたが、今回は省略。 

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11月10日、交接中のペアを見かけました。もう産卵済みの個体も多い時期なのに。

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手すりの裏にあったジョロウグモの卵のう。探せばあちこちで見つかります。

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おまけ 栗とアマガエル

出る時に痛そう(>_<) 

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おしまいに

ほかにも、センダングサにモンシロチョウやキチョウが飛び交い、カタバミにはヤマトシジミが、森の暗闇でクロコノマチョウの開翅も見られました。

いつも通り11月下旬や12月に採集に行っていては、こんなに賑やかではなかったでしょう。

虫が嫌いな人の立場からすると、「早めに採集に行ってはだめ」ということですね。

 

秋が暖かかったせいで、虫たちにはたくさん会えましたが、逆に植物の方が遅れめでした。花が咲くのが遅かったり、落葉が遅かったり…。

 

温暖化や気候変動、外来種の侵入による勢力の変化は、普通に暮らしているとあまり実感が湧きませんが、ロングスパンで生き物と向き合っていると、明らかに変わってきていることがわかりますね。

 

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