新型コロナ禍で幸せを感じている人たち
コロナ対策で自粛要請が出され、日本中でステイホームが言われています。
先日、家に籠っている人たちのご意見を集める機会がありました。特に一人暮らしの高齢の方が心配でしたし、めぼしい人たちに電話やLINEで話を聞いてみました。
(地元の趣味的なもので公式のアンケートではありません)
で、驚いたのが「わりと幸せかも」という意見が多かったこと。
これは想定外でした。
▲ 昨日の藤。身近にも絶景はいっぱい。
年代別・役割別お悩み
当然ながら、年代により家族構成によって、ご意見は全然ちがいます。全部はキリがないので、印象に残ったものを情報漏洩にならない程度に挙げてみます。
一人暮らしのお年寄り
スマホやネットも使いこなせないし、おしゃべり好きだった一人暮らしの高齢の方が一人ぼっちでさぞかし孤独かと思いきや…。
一人の時間ができたから庭仕事や読書に専念したり、体力低下を心配されて、私よりもずっと体を動かしている人がたくさん。
たしかに、コロナ禍になって庭の草むしりや剪定、花育てに力を入れ始めた人が増えているように感じます。私は花屋には行かないでこぼれダネや宿根草に頼る人間ですが、近所の園芸店もかなり混んでいるようです。
▼ お気に入りのネットショップも今年は注文が殺到しているようです。
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小・中・高・浪の子がいる人
親御さんたちに聞いてみましたが、男子はかなりの確率でゲーム三昧。
家にいるとストレスがたまるので、親と仲のいい子は一緒にウオーキングや散歩。親といたくない子たちが公園などで溜まっています。バスケや野球をやったり、夜の展望台で奇声を発したり。
それとは逆に、女子は家事を手伝ったり、親から料理を習ったり、片付けしたり。私が聞いた限りでは、今の状況を楽しんでいる女子がかなり多い印象です。
学校も、公立中学は紙の宿題だけですが、私立中学はオンライン学習が早くから始まっていて、ネットで課題提出もあって、今のところ中学は公立は私立に大きく後れを取っている様子。
家庭環境的にも、私立のご家庭はパソコンを買い足したり、オンラインの体制づくりに前向きですが、公立では「家にはスマホしかない」という家庭も意外に多く、推奨課題がスマホでは見られないという事態にも…。
サラリーマンのお父さん
これも、大企業で組織がしっかりしているかどうかで、テレワークになるかどうかが決まっているようなところもあって…。
大企業でも現場勤務の人は出勤なのに、デスクワークの人は自宅勤務だったり。今はみんなも家に籠っていて、お隣さんとの待遇格差に気がついていないのが幸いなのかもしれません。
今住んでいる街は田舎なので、車通勤の人が圧倒的に多いです。そういうご家庭の方々は、所要で街中に行く時も自家用車で行かれるようになりました。
わが家は週1回電車出勤の日がありますが、「電車に乗っている」ということは、車でウイルス対策をしているご家庭から見ると、危険分子みたいに思う方もいらっしゃるようです。
子どもを預けるお母さん
わが街は田舎のニュータウンなので、フルタイムの女性は少数派。保育園も終日預かりはないし、学童もありません。
パートのお母さんが小さい子を保育園に預けることになるのですが、保育園は基本的には預かりは自粛の方針。市役所の対応も完全に及び腰で、預かりはごくごく限定的な方針。
女性が仕事を続けようと思ったら、住む街の福祉政策が大切ですが、今回はわが街の真の実力(無力)を垣間見た思いです。
マスク作りにはまる人
仕事が休みになったり、辞めることになったりして、家に籠ってひたすらマスクを作っているという人が何人もいました。
ニュースを見ていると、行政がマスク購入券を配ったり、町内会が手作りマスクキットを配る話もあります。
いつまでマスク生活なのか、いつになったら買えるのか、みんな不安を抱えています。不安な時に手仕事は精神安定剤にもなりますね。
職場のコロナ対応が負担
コロナ禍になって仕事がなくなった人もいますが、逆に余計な仕事が増えて負担に感じる人も。
私自身も、消毒作業の時間が増えましたし、通常なら「前例通り」のところを、関係部署に問い合わせ、やり方を見直したり、関係先に周知する作業が必要になりました。
わりと面倒だし、こういうのができる人とできない人がいます。
医療関係の方を始め、もっとずっとご苦労が増えた方々もたくさんいらっしゃるはず。
意外に幸せ?
時間の余裕
今は一人暮らしのお年寄りでも、何かと時間に追われる生活で、今回の自粛要請でできた個人の自由な時間で、心に余裕ができた人が多いようですね。
勤め人は出勤が減って、学校も休み、習い事もイベントも約束もゼロ。
前は気分転換に出かけていた買い物も、実はそれほど何度も行く必要はなかった?
家族の時間
接触が許されるのが家族に限られるという事態になって、今まで友達の方ばかりに気が向いていた若者も、同居家族と食事したり何かをする時間が増えたのは、親の私としてもうれしい誤算でした。
「兄弟仲がよくなった」とか「家族が一緒に食事する生活になった」という話も聞きます。
家族が顔を突き合わせるようになったからDVの問題も出ているようですが。
人による危機感の違い
話をうかがっていて痛切に感じたのは、人によって自粛の意味合いをずいぶん違って捉えているということ。
散歩やウオーキング
わが街は田舎なので、外に出ても密にならずに歩ける場所は、ほぼ無限にあります。
自宅に籠っていると、明らかに体力が落ちるのがわかります。
田舎で不便だし福祉もいまいちだし、今まで不満はいっぱいありましたが、「3密を避けて散歩やジョギングができる」ことだけは助かっています。
これ、都会に住んでいたら大変なことですね。
接触や3密対策
職場でも3密対策のために、換気をしたり勤務形態を変えたりを提案しているのですが、自分のこととして全然とらえていない人も多いです。
ボディタッチをいつも通りしてきたり、気が高ぶるとマスクを外してしまう人。
これは、受ける方にはわりとストレスが溜まります。
なんでも消毒
買ってきたものはすべてアルコールで消毒している人もいました。
今どきアルコールはどこで手に入るんでしょうか。財力の違いなのかな。
個人的な感想ですが、あまり無菌状態を続けると、ほかの菌やウイルスにも対抗できない体になってしまうのでは?
わが家の場合
家族の時間
わが家も、先日書きましたように、家族三人がほとんど毎日家にいます。
私などは小さな職場なので、テレワークになって逆に仕事が増えて、休みと勤務の区別がつかなくなりました。
が、それでもたくさんの人に会って要件を片づける日々に比べると、体力が余るのが自分でもわかります。余った体力は、三度の食事や洗濯へ。
浪人の子は、仲良しさんがみんな遠くに行ってしまったので、話をする相手もなくなり、つまらない冗談もこちらに投げかけてくるようになりました。
犬の留守番
家族全員が家にいるので、犬がひとりで留守番することもまったくなくなりました。
これは今までなかったことです。
コロナ禍になってわが家で一番幸せなのは、犬なのかもしれません。
異例対応は楽しい
私自身は、不謹慎ですが、今回のことで職場が前例主義から異例対応続きになって、ちょっとやりがいを感じています。
小さな職場で、元々リーダーシップや企画力なんか要求されずに働いている人ばかり。
今までは「それは前例がない」と一蹴されていたことも、今は内容を取捨選択し、それも短時間に判断しないといけません。
新しいことは全否定だった人たちも、動かざるを得ない状況。
私は助っ人のような立場で就職し、石頭組織に驚いてばかりでしたが、今回の変化は大変ではありますが歓迎しています。
おしまいに
意見収集と併せて、とりとめのない自分の意見を書いてしまいました。
予備校のオンライン授業を受けて自宅で自習している浪人の息子は、高校時代よりも精神的に落ち着いているような気がします。
私も無駄に「勉強しろ」とは言わなくなりましたし、将来のことを話し合うようにもなりました(今ごろですが)。
職場では前例主義が通らなくなって、新しい意見を取り入れる空気というか、取り入れざるを得ない状況になっています。
マスコミは悲惨なことを極端に取り上げて、不安をあおっているような気がしています。新型コロナ肺炎は急に悪化するとか後遺症が残るとか。
不安になることもたくさんありますが、いいこともありますね。
この自粛の時間を大事にしたいと思います。
そんなことを言っていると、経済が停滞してますます日本は国力が弱くなるのかな。