虫はともだち

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木の実やつるを早めに採集してみたら…

毎年やっている野山やご近所で集めた自然素材のリース作りですが、訳あって今年はかなり早い時期から採集に回りました。

今までは11月下旬から採集していました。私の住む街では、そのころに行けば、実が熟したり、落葉して植物が休眠期に入り始めていたり、都合がよかったので。

でも、早い時期に採集してみて、知らなかったことにいろいろ出会いました。

実が色づき始める時期がはっきりわかったり、まだ植物が休眠期に入る前なので虫がいろいろ見つかったり…。 

野山のリースの素材の採集適期はやっぱり11月下旬だと思いますが、今年の10~11月の様子をまとめてみます。

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▲10月、今年最初の採集はフジ(右)とアオツヅラフジ(左)、ヘクソカズラ(上)。

 

▼ 以前まとめた素材についての記事はこちらです。

mushitomo.hatenablog.com 

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松ぼっくりなど大きな実 

ヒマラヤスギ(シダーローズ) 

今年初めての採集は10月11日に行きました。

▼樹上を見上げると、ほとんどの実はまだカチカチ。 (10/11)

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▼それでも、大きなシダーローズが3つだけ拾えました!(10/11)

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▼11月4日に別の公園で。樹上の木も松かさが開き始めています。

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▼この後もいろんな場所のヒマラヤスギを見て回りましたが、数が拾えるようになったのは11月下旬になってから。

シダーローズ拾いは、やっぱり12月からがシーズンですね。

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アメリカフウ

▼こちらは11月になってもまだ緑の実。(11/4)

熟して中のタネを飛ばしてから、茶色くなった実が落ちるのは年明け以降。 

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低い枝の緑の実を試しに少しいただいてきて、干しておきました。

中からタネがたくさん出て、12月には茶色くてクラフトに使える状態になりました。

ドイツトウヒ

11月に見に行ったら、すでに大量に松ぼっくりが落ちていて、半分くらいは朽ちていました。

拾ったものを干しましたが、汚れがついていて、不評でした。

秋の台風の後に行って、落ちたばかりのものを拾ってきて乾燥させないと、きれいな実は手に入らないようですね。

▼すでにほとんど実が残っていないドイツトウヒ。(11/4) 

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ツバキ

ツバキの実は秋にはまるで姫リンゴのような光沢のある真ん丸な状態です。

普段は、種子が落ちたあと地面に落ちたカラを拾います。

 

▼10月15日、枝についた実を採集。

干しておいたら、きれいに開きました。

 

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10月ですでに種子が落ちてカラが落ち始めている木もある一方、12月にならないと落ちない木もあります。ツバキの種類や日当たりなどによって、実の熟す時期はかなりばらばらです。

タイサンボク

ちょっと毛色の違う木の実ですが、タイサンボクの実も冬になると落ちるので、クラフトに使えます。

▼11月はまだ赤い種子が顔をのぞかせたばかりで、落ちるのはまだ先。(11/4) 

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つるになる実

ツルウメモドキ

10月はまだ葉も実も緑一色でしたが、11月になると全体が黄色く色づき始めました。

▼11月23日、少しカラが開いて赤い実が顔をのぞかせています。 

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▼川原や池のそばなどで、木や藪を覆うように見事に広がっています。(11/4)

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以前にもブログで書きましたが、緑だろうと黄色だろうと、まだカラが開く前の実つきの枝を採集してきて、水に差しておけばそのままの状態を保てますし、水を切ってしまえば、黄色く色づいてカラが開き、クラフトに使えます。

今年は、まだ緑っぽいものを採集してきて使ってみました。

ノイバラの仲間

ノイバラにも種類があり、わが家周辺にも数種類があります。

私が見たところでは、花の咲く時期は種類によってずれていますが、実が赤くなる時期はどれも同じように感じます。 

▼10月11日現在、まだ緑の状態。わが家周辺では、赤くなるのは11月中旬。

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豆知識ですが、ノイバラは1本採集するごとにトゲを取るのがおすすめ。

トゲは指で横に倒すようにすればきれいに取れます。

今まで、まとめて持ち帰って、はさみでトゲを取っていましたが、その場で指で全部取って持ち帰るのが一番楽です。(今年発見しました(^^ゞ)

▼11月21日に採集したノイバラの赤い実。f:id:mushitomo:20191210151521j:plain

▼ノイバラのミニリースを作ってみました。

これは約2週間乾燥したもの。干して1か月以上経ったものは、実が少ししぼみました。

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ヘクソカズラ

ヘクソカズラは葉が落ちてからの方が臭くなくて採集しやすいのですが、あまり遅くなっても実がスカスカになってしまいます。 

▼ 10月11日、まだ青々としたヘクソカズラ

この状態で持ち帰り、軒下の物干しで乾かしました。カラカラに乾いたら、葉っぱをくしゃくしゃと取り去って、リースの素材に。

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▼めずらしくまっすぐに伸びたヘクソカズラ。(11/17)

なぜか実はほとんどない。窒素分が多い土壌なのかな?

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ヘクソカズラがまっすぐに伸びているのは珍しいので、リースやかごを作ってみました。こんなにふんだんに使っても、ヘクソカズラなので超軽量。

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ヤマノイモ

ヤマノイモは10~11月にはむかごが採集できます。

リースの飾りにする実の方は、葉が落ちて実も茶色くなってからの方が楽なのですが…。

▼11月1日、まだ実は茶色ですが、むかごは採集適期。

つるごと採集して、軒下に干しました。つるを採るまえにそっとむかごを採集。むかごはすぐにぽろりと落ちるので、そっと。 

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▼たくさん採れたので、むかごの甘辛煮を作ってみました。

「むかごご飯はあまりおいしくない」という人が多いので、クックパットで検索。普通においしく食べられました。

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オニドコロ

ヤマノイモとよく似た植物にオニドコロがあります。

▼10月、まだ葉が落ちる前のものを採集してきました。

わさわさと引っ張ったら、中にカメムシがいたようで、臭い攻撃を受けてしまいました。

持ち帰って、軒下で乾燥後、葉をちぎりました。 

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カラスウリ

カラスウリは真夏の夜中に美しい花を咲かせます。

その時点で、すでに実はでき始めているのですが、空き地の厄介者なので、秋に赤い実になるまでにだいたい草刈りで姿を消します。

▼8月3日夜10時、満開になったカラスウリの花。

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カラスウリの赤い実の採集適期は、わが街では10月下旬から11月。 

▼風雨にさらされて、変色し始めたカラスウリ。(11/23)

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▼採集したカラスウリの管理が大変でした!

日に当たりすぎると劣化が早まるし、ビニールに入れておくとすぐカビます。とくに葉っぱを一緒にしているとすぐにカビが。

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カラスウリはヘタを取ってしまうとそこから傷んでしまうので、ヘタとつるを少し残して切って乾燥。

余ったつるをリースににしてみたら、わりとナチュラルなものができました。

▼子ども向けのミニリース。リース台がカラスウリ

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スズメウリ 

スズメウリははびこり系の迷惑植物で、ある所には無限にあります。

かわいいので採集してきて干してみましたが、どうも扱いが難しい…。

▼11月上旬のスズメウリ。 

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採集してきたものをまとめて干したら、つる同士が絡み合ってほどけなくなりました(^^ゞ

干しても実を強く触ると、ぐしゃっと中の汁が出てくるし。

持ち帰り方から気をつけないといけないとわかりました。来年頑張ろう…。

アケビ

アケビのつるはちょっとしなやかさに欠けるので、私はつる材としては使いません。ちゃんと水につけたりして処理すればいいのかもしれませんが。

今年は採集ついでにアケビを何度も食べる機会がありました。例年だと見つけても野鳥が食べつくした後ばかりですが、早い時期に採集に行ったせいかな。

▼9月28日、ほんのり甘いアケビの実。種子は苦いから食べないで。 

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アオツヅラフジ

これは、私は実ではなくてつるを使うために採集しています。 

10月には実が黒く色づき、11月には黄色く紅葉します。

でも、使うのは主に下の方の木質化したつるなので、落葉してからの方が採集は楽です。

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そのほかの小さな実

ナンキンハゼ

街路樹としてよく植えられていますが、川沿いなどにも広がっています。

紅葉して、実のカラが開いてからの方が採りやすいのですが、そこまで待っていると、野鳥に食べつくされてしまいます。

▼11月23日、カラが開いて白い実が現れた様子。 

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▼11月2日、まだカラが緑や黒の状態。

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▼緑の状態のものを採集してきて、干しておきました。

カラが黒くなり(左)、その後はぜて白い実(右)が顔を出します。

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ピラカンサ

これも川沿いなどに勝手に生えているのをよく見かけます。

木によって実の色も実つきも、トゲのつき方も違い、色づく時期も違います。

乾燥させると色が褪せてしまうので、私は採集することはほとんどありません。

▼10月11日、すでに色づいている木。 

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▼11月21日、別の場所で。

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ナンテン

ナンテンマンリョウも、わが街では雑木林などで勝手に生えているのを見かけます。

▼11月1日、まだ色が薄いナンテン。 

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ピラカンサと同じ理由で、私はナンテンも採集しません。自分の庭にも、勝手に生えたのがありますし。

カクレミノ 

わが街では雑木林でよく見かけるカクレミノですが、日当たりのいい場所にあるものは実をたわわにつけています。

▼11月23日、黒い実がいっぱい。

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11月末ごろに房ごと実が落ちます。

落ちたものを拾うのもいいですが、傷んでいるものが多め。

アズキナシ 

雑木林の端でたまに見かけるアズキナシ。虫やクモが見つかるし、赤い実が可愛いので私が好きな木です。

開発が進んで、どんどん姿を消しています。

▼10月27日、色づき始めたアズキナシ。てっぺんの色づきが早い。f:id:mushitomo:20191210143435j:plain

▼手元の実の様子。

この木も、11月に伐採されて根こそぎ撤去されました。ものすごく残念。

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おまけ かぶれの木

何度もブログに書いていますが、つるや木の実の採集の際はウルシの仲間に気をつけて。

特にハゼノキは、真っ赤な紅葉が美しいし、プチッとした実もかわいいので、不慣れな人を連れて行くと、だいたい手に取ろうとします。

▼11月21日、ハゼノキの紅葉。遠くからも目立ちます。f:id:mushitomo:20191211072107j:plain

▼落葉して実が残った状態のハゼノキ。(11/21)f:id:mushitomo:20191210144415j:plain

 

▼ヌルデは紅葉は地味ですが、房状の実は冬になっても残ります。(10/26)

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おしまいに

 ▼変りばえしませんが、今年のリース。

よそに出すので、いつもよりさらに大きく作りました。 

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いつもは自分が作る分しか採集しないので、1~2日もあれば終わりますが、今年は作品展やイベントがあったので、素材が大量に必要でした。

2か月で20回以上は採集に行きました。

イベントがすべて済んで悟ったことは、「自然素材のリースは作る本人が自分で材料を集めなくちゃ意味がない」ということでした。難しい…。

 

 

里山のつる性植物 観察の楽しみ

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  • 作者:谷川 栄子
  • 発売日: 2015/06/16
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