リースに飾る木の実探しの場所と時期 赤い実・白い実・黒い実・そのほか
わが家の周辺で見つかるリースに使えそうな木の実。
前回は松ぼっくりなどのカラに入った実を並べてみたので、今回はクリスマス前の時期に手に入る赤い実などの色つきのかわいい実たちを並べてみます。
松ぼっくりなどにも鳥たちはたくさん来ますが、赤い実・白い実・黒い実はもっと鳥たちと密接なので、過去に撮った写真がある分についてはそれも載せてみます。
リースに使える木の実
リースの飾りに使うには、枝を切って水分がなくなっても変色しないものが理想です。
ただ、野遊びの延長で作るナチュラルリースなら、そういうことは気にしないで、出来上がってからの変化を楽しむのもいいかもしれません。
ドライにしても変化が少ないのは…
などがおすすめです。
どんな場所
自然林の中では、赤い実などをつける木はほとんどが雑木林の周辺部分で見られます。
わざわざ森の奥まで踏み込まないで、日当たりのいい林縁を見て回るのがおすすめ。
公園や私有地で採集するのは問題がある場合が多いです。
放置林や放置された空き地などで探すのをおすすめします。
赤い実
カラスウリ
放置された雑木林や茂みの明るい場所で木に巻きついています。空き地のフェンスに巻いているのも見かけます。
11月中には探しておかないと、雨風で朽ちてしまいます。
室内や軒下に飾っておけば、オレンジ色は数か月は褪せません。
▼11月、放置された茂みに繁茂するカラスウリ(右)とツルウメモドキ(左)。
高すぎて手が届きません。
▼12月になると傷んだものが増えますが、赤色が目立つので見つけるのは簡単。
ツルウメモドキ
雑木林や田んぼ、川原などの日当たりのいい放置された木に巻きついているのを見かけます。
雌雄異株のつる植物で、雌木にわんさか実をつけます。
わが街では11月下旬に黄色いからが開くので、その前に採集。
からが開く前にクラフトをすれば、からが落ちずに赤と黄色のコントラストがきれいなまま飾れます。色は褪せないので、1年くらいは飾れます。
▼12月中旬、すでにからが開いた状態。
▼今年はこんな風に見事な枝がほとんどありませんでした。
例年だとこういう茂みの下にいるとメジロなどの声が賑やかです。
▼高い木に巻きついててっぺんを占拠していることが多く、高枝切りばさみが必要かも。
人の手が入って伐採される場所だと背の低いものもあるので、そういうのが狙いめ。
サルトリイバラ(サンキライ)
リースのための赤い実の定番中の定番ですが、実際に野山で探そうとすると実がなっているのは見つかりません。
サルトリイバラ自体はたくさん見かけるのですが、ルリタテハやキバチなどの幼虫が食べつくして葉っぱさえなくなっているのが多いです。
▼今年かろうじて見つけたサルトリイバラの実。
ガマズミと絡み合っていたので、これだけ採って巻きました。
▼サルトリイバラによく似たサルマメというのがあるのですが、こちらはたぶんサルマメの実。
サルトリイバラよりも朱色がかっていて小ぶり。
ソヨゴ
わが街の雑木林の赤い実の定番でもあるソヨゴ。
きれいな赤い実がたくさんつきますが、切ってしまうと赤さは長持ちしません。
ガマズミの仲間
▼こちらもわが街の雑木林の日当たりのいい場所でよくみられるガマズミ。
秋に実が赤くなり12月にはすでに少なくなっています。これも持ち帰ると色が落ちてしまいます。
▼こちらはすでに葉が落ちていますが、コバノガマズミかな?
ノイバラ
田んぼ脇や川原などに多く見られるノイバラ。
細かいとげがあるのが面倒ですが、持ち帰っても赤さはわりと長持ちします。
▼まばらにしか実がつかないので、たくさん房を摘んで束にするときれいです。
アズキナシ
林周の日当たりのいい場所に生えるアズキナシ。
葉が落ちて赤い実がたわわになったところがとても美しい木です。
▼朱色の小さな実がたくさんつきます。1か月ぐらいなら赤みは落ちません。束になってなるので、クラフトに使いやすい実。
▼実が小さいので、ぼーっと歩いていると気がつかない人も多いようですが、あらためて見るととても素敵。
雑木林だとコナラなどのほかの木に負けてしまうようで、中途半端に開発されたような場所に生えています。初夏に咲く白い花も美しく、個人的にお気に入りの木です。
ピラカンサ
庭木に来た鳥がタネを拡散させたのか、空き地などでも見かけます。
赤い実やオレンジの実がびっしりとつくので、豪華なリースができます。
この実もいろんな鳥が集まります。
ナンテン
ナンテンも鳥がタネを拡散していろんなところで見かけます。
ちなみにわが家の庭にも勝手に生えてきたナンテンがあります。
これも鳥に大人気なので、お正月まで残っている実はほとんどないかも。
マンリョウ
マンリョウも雑木林の周辺で時々見かけます。
持ち帰ると色が変わりますが、飾る期間が短いお正月飾りにはおすすめ。
センリョウ
マンリョウが出たので、ついでにセンリョウも。
わが街の雑木林では、センリョウはほとんど見かけません。
クロガネモチ
街路樹や庭木で見かけるクロガネモチ。
これも赤い実をわんさかとつける木で、鳥がよく食べに来ています。
リースにすると豪華ですが、きちんと管理されている場所ばかりなので、私は採集よりも木のそばで鳥待ちかな?
▼クロガネモチに来たヒヨドリの群れ。(1月下旬)
白や黄色の実
センダン
わが街では田んぼや川沿いに多いセンダンの木。
冬になるとクリーム色の実がたわわになっています。
クラフトにするには形が難しそうで私は採集したことはありませんんが、たくさんなっているので取り放題。
鳥たちが集まるとあっという間に丸裸にされてしまうので、採集するならその前に。
▼センダンに来たヒヨドリの群れ。(1月上旬)
ナンキンハゼ
街路樹の紅葉が美しい木。わが街では川沿いに野生化しています。
12月になると茶色い殻が落ちて白い実が現れます。
この実は鳥たちに特に人気があるのか、それとも熟す時期が他の木の実より早いのか、早い時期に食べつくされていることが多いです。
▼白い実は遠くからだとまるで花が咲いているように見えます。
▼川原のナンキンハゼでよく見かけるジョウビタキ。(12月中旬)
▼ナンキンハゼの実を口いっぱい。行儀悪いカラス。(12月中旬)
ヘクソカズラ
フェンスやほかのつる植物などに絡まっていて、あまり歓迎されていないヘクソカズラ。
枯れる前は葉も花も実も嫌な臭いがしますが、乾燥したものは無臭で「屁糞」の臭いはしません。
臭いがいやなら冬になってから葉が落ちた状態のものを採集。時期が遅いと傷んでいる実が多いです。
▼雑草に絡んだヘクソカズラ。飴色がきれい。
この状態で採集して室内に飾れば、1年たっても状態は変わりません。
▼フェンスに絡んだヘクソカズラ。力任せに引っ張ると実が落ちるので、ていねいにつるを外して採集します。
▼紅葉してまだ枯れる前の状態で採集して、風通しのいいところで乾燥するのがおすすめ。(この状態で切ると、切り口が臭いです)
黒い実
アオツヅラフジ
雑木林周辺のアケビやフジなどのつるが入り乱れている場所でよく見るアオツヅラフジ。川原や池でも見かけます。
黒い実は持ち帰るとしなびてしまいますが、少しの間ならリースの飾りとしても使えます。
私がアオツヅラフジを採集するのは、木の実よりもつるが目的。
しなやかで折れにくく、一定の太さで巻きも強くないので、かごを編むのに便利です。
葉っぱや実がまだついている11~12月なら、どのつるがアオツヅラフジなのか見分けやすいので、初心者のつる採集はこの時期がおすすめ。慣れてくると、落葉したつるも手触りでわかります。
スイカズラ
水辺などに多いスイカズラのつる。
黒くて小さな実がついています。まばらにしかつかないので、飾り物には向かないかな。
スイカズラのつるは乾燥すると(野外にあるときでも)皮がめくれやすいので、かごを編むのは難しいのかと思っていましたが、かご網の先輩によると、逆に水にさらして皮をすべて剥がして網材にするのだそうです。
イボタノキ
雑木林の明るいところや川原で見かけるイボタノキ。
ネズミモチに似た黒い実をつけます。
ぱらぱらとまばらだし、持ち帰ったらしおれるので、飾り物にはどうなんだろう?
ネズミモチの仲間
トウネズミモチは雑木林周辺だけでなく、一般民家の庭先にもこぼれ種で増殖中。
イボタノキの実とよく似ていて、より密集した房状の黒い実がなります。
実がたわわになった木のそばを通ると、ヒヨドリの雄たけびが聞こえたり、メジロのおしゃべりも聞こえます。
ヒサカキ
わが街の雑木林ではあちこちで見つかる低木。
小さい実が枝先にびっしりとなりますが、メジロたちが食べに来るので、わりとすぐに食べつくされてしまいます。木の下はフンだらけ。
飾り物には向かないけれど、「この実なに?」とよく聞かれるので入れてみました。
シャリンバイ
街路樹や公園の植え込みによく使われているシャリンバイ。雑木林周辺で一人生えしたものも見かけます。
大きくて黒い実が房状になります。
子どもたちが昔「ブルーベリーの実」と呼んでいましたが、まさにそんな感じの見た目です。
私は見かけたことはないですが、これも鳥が食べにくるようですね。
ヤブムラサキ
黒い実ではありませんが…、紫の小さな実の房が美しいヤブムラサキ。
わが街では、雑木林のやや日陰によく見られます。
10月には紫色に熟しますが、12月になっても一部の木ではきれいな実が残っています。
その他おまけ
ヤマノイモ
ヤマノイモや近似種のオニドコロの乾燥した実もリースの飾りには素敵です。
▼高い木にまきついたヤマノイモ。
枯葉と実が絡み合っていて、中にむかごが見つかることもあります。
▼こちらは、むかごが大量。
ユリ
タカサゴユリもどきの外来種のユリがあちこちで野生化しています。
夏に花が咲いた後のタネがいっぱいはいった「さや」もリースの飾りとして使えます。
焼け石に水ですが、駆除すべき植物なので、中に入った大量のタネはその場にまかずに持ち帰ってごみに捨てた方がいいんだと思います。
▼こんなに大量に花が咲いた跡も…。1株で20以上。
アジサイ
アジサイの花柄もそのまま放置されて乾燥したものは、リースの飾りに使えます。
雑木林などの日陰だときれいに乾燥しないし、時期が遅いと朽ちてしまうし。
早いうちに探して採集し、自宅で乾燥された方がいいようです。
▼12月、街路樹の下に植えられたアジサイでまだ残っているものがありました。
おしまいに
冬に雑木林を歩いていると赤い実が目立つので、ちょっとまとめてみようかと始めましたが、やり始めると、黒い実も、白い実も、ほかにもあれこれと気になって、手を広げることになってしまいました。
1つの記事でまとまる内容ではなさそうですが、とりあえず初冬の木の実探しの散策の際の参考になれば…と思います。
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