カブトムシを呼びよせる 樹液採集以外のとり方
カブトムシの季節になりました。
近所の雑木林に行くと、虫とり網を持った子供たちがうろうろ。カブトムシは、いるところに行けばいくらでもとれますが、なかなかうまくいっていないようです。
↑ 今年の初カブ。なぜか、昼間に桜の木にいました。(7月18日)
わが家は、カブトムシは近所の放置された桃畑で大量GETしていました。桃を収穫しないし、草ぼうぼうで、都会なのにカブトがいくらでもとれました。
それ以外でやっていたカブトムシ採集の裏技をまとめてみます。
トラップをしかける
どこにしかけるか?
クヌギやアベマキなどのドングリの木の樹液の出ている木のそばの茂み。畑などの腐葉土置き場のそば。
枝にかけて、葉っぱで隠しておく。アリが来ないように、地面近くは避ける。
数日間はかけておくので、直射日光が当たらない、人目につかない場所を探します。
どんな形?
本屋さんの丈夫なビニール袋(A4くらい)に、カブトが好きなものを入れる。
色は、深緑か黒のものを使用。これは、人間対策のため。ほかの人が、トラップに入ったカブトを持ち去らないように、深緑色の袋で目立たないようにしました。
いちおう、ほかの人のトラップにかかった虫を持ち去るのはマナー違反です。子どもたちは守っていないようですが…。
↑ 最近は本屋の袋もペラペラなものばかり。これしかなくて(^^;)
雑木林でよく見かけるのは、ペットボトルやストッキングのトラップですが…。
ペットボトルだと、口が広いので、いったん入ったカブトが簡単に逃げ出してしまいます。カブトよりもスズメバチが入っていることの方が多い気がします。
ストッキングは、エサを食い逃げされるだけで、捕獲はできません。
本屋さんの袋を枝先に掛けておけば、カブトは簡単に入れるようですが、逃げ出すのは難しいようです。スーパーの袋は、薄いので食いちぎって逃げてしまいます。
なにを入れるか?
一番威力があったのは、桃畑の熟れた桃。腐る直前が人気で、腐ってカビが生えた桃はだめでした。桃がない時は、桃を買うと高いので、バナナを入れました。
黒砂糖や焼酎を入れたりもしてみましたが、それほど威力はないようです。発酵した酸っぱい臭いは、果物をしばらく置いておけば勝手に臭ってきます。
キャンプなど、しかけた晩にすぐに捕まえたいときは、こういう人工の発酵臭も必要かもしれません。
雑木林では、よく昆虫ゼリーもしかけてあるのを見かけますが、私の経験では昆虫ゼリーにカブクワが集まるのは初日くらいで、あとはアリの巣窟になるだけのようです。ゼリーには遠くのカブクワを呼び寄せるほどの臭いはないようです。
いつ見に行く?
朝一番。明るくなってから見に行きます。
昼間(8時過ぎ)だと、スズメバチがくる可能性もあって危険です。
ちなみに、スズメバチがこの形のトラップ(本屋の袋)の中に入っていた経験はありません。ペットボトルのトラップにはよく入っています。
トラップのそばにカブトがいる可能性もあるので、周りをよく注意しながら近づいて。
アリだらけになっていたら、もうカブトは来ないはず。撤収して、仕切り直しです。
ペットボトルの仕掛けをくくったビニールひもにカブトの脚が絡んでもがいていたこともあります。トラップをしかけたら、こまめに見に行って、用が済んだらすぐに撤収した方が、思いがけない犠牲者が出ないです。
カブトを家に呼ぶ
オスとメスを別々に飼う
カブトを軒下で飼っていると、その臭いで森からカブトが飛んできます。
オスはオス、メスはメスで別々に飼うと、よく飛んでくるようです。
前住んでいた家は、隣近所で男の子がいる家はみんなカブクワを軒下でたくさん飼っていました。でも、なぜかわが家にばかり、毎年20匹はカブトが飛んできました。
飛んでくるのは夜12時過ぎ。玄関のドアにドーンとぶつかる音がしたり、じょうろの中に落ちてガサガサともがいていたり、飼育箱にはりついていたり。
雑木林までは1キロくらい。もっと雑木林に近い家の子もたくさんいたのに…。
理由として考えられるのは、わが家はカブトもクワガタもオスとメスを別々にして飼っていたからではないかと思っています。
採集やブリーディングしたカブトは、交尾するまで雄雌で飼育ケースに入れ、交尾したのを確認したら、オスは大きな衣装ケース、メスは土いっぱいの広い産卵場に移します。オスたちは子どものおもちゃでした。
メスの産卵場は、やわなフタだとアリが土の中に産んだ卵を奪いにやってきます。室内に置くのがいいのですが、外に置く場合は、衣装ケースのフタに穴を開けた厚めのビニールをかませて、アリが入らないようにしておきました。
たぶん、オスだけ、メスだけになったカブトたちからフェロモンがたくさん出ていたのではないかと思います。女子高の女の子が共学よりキレイなのと同じ?
電灯の色も少しは関係ある?
雑木林のそばの青色の大きな街路灯の周りをカブトがぶんぶん飛んでいるのを見たことがあります。(虫は青い光が好きです)
雑木林のそばのローソンの明かりに虫が集まるという話もよく聞きます。
門灯の色を変えればもっとカブトが来るかと考えて、電球をオレンジ色から青色に替えてみましたが、特に増えませんでした。家の前に青い光の電柱がありましたが、そこに来ている形跡もありませんでした。
家庭用のちょっとした電灯では威力が足りないようです。
羽化直後に飛んでくるみたい
飛んでくるカブトは、家で飼っているのよりも大きくて立派なものばかり。オスとメスは半々でした。無傷の個体ばかりだったので、羽化直後だったと思われます。
子どもたちは、飛んでくるカブトの方が立派なので、そちらばかりひいき。
ブリーディングした個体は森に放したいところでしたが、人工繁殖の生き物を野に放つのは生態系の破壊につながります。見向きもされない小さいカブトたちも、エサをあげ続けて飼っていました。
園芸用の腐葉土に産卵していく
家の裏に置いてあった園芸用の腐葉土(クヌギ100%)に、飛んできたカブトたちが毎年勝手にたくさん卵を産んでいました。
上にも書いたように、わが家は飛んでくるカブトの方が大きくて人気があったので、ブリーディングは小規模に抑えていました。が、秋になって腐葉土のビニールを開くと、カブトの幼虫がいっぱい! 一度数えたことがありますが、100匹以上入っていました。飛んできたメスが勝手にビニールを食いちぎって中に入って産卵して、出ていくようです。
カブトを屋外で育てる場合は、8月末時点で大きく育っていないと、小さい成虫にしかなれません。秋になってから大量の小さい幼虫を見つけても、微妙な気持ちでした。
田んぼのネットにかかったカブト
子どもが大きくなって、カブクワとりにも行かなくなりましたが 、田んぼの生き物調査でよく近所の田んぼに通いました。
稲が実ると、農家は田んぼにネットを張ります。雑木林に囲まれた田んぼのネットには、カブトがいっぱい引っ掛かってもがいていました。
ネットを破らないようにカブトを外すのはけっこう手間がかかるのですが、あまり根気強くない下の子が、時間をかけてそっと外して持ち帰って飼っていました。
これは、タイトルの「カブトムシを呼ぶ」からちょっと脱線した採集方法ですね。
クワガタはまた違います
わが家は、ノコギリクワガタの採集と飼育にも燃えていましたが、これはまた暮らしぶりが違います。
ノコギリがトラップに入ったことは全然ありませんし、庭にいたのは一度だけ。たぶんこの一度も、9月だったのでご近所の飼育個体が逃げたんだと思います。
ノコギリクワガタは、熟れた桃を樹液の出る木の近くの枝に突き刺しておいて、幼稚園の行き返りに確認する方法が一番確実でした。
今は…
もう子どもたちもほかに興味が移って、カブトもクワガタも飼育していません。でも、今でも雑木林でカブトやクワガタに会うと、ほかの虫とは違う気持ちが湧いてきます。
クワガタ探して他県にまで泊りで行ったり…。
あの頃のわが家は、カブクワ祭りだったんでしょうね。
男の子がいないお母さんだと、私たちのやっていたことは理解不能かもしれません。男の子のお母さんでも、カブトやクワガタをお店で買って与えるお母さんも多いです。
「どうやったら憧れの虫を友だちよりも先にGETできるか」
ああでもない、こうでもない。やってみたけど失敗した。虫とりでやった試行錯誤は、その後の何かに生きると思います。思いたい、です。
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