虫はともだち

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チョウを庭に呼びよせる 小さい庭でもバタフライガーデン

 リビングから見えるところにチョウが舞っていたり、歩くと小さいチョウたちがふわふわと飛び交う庭は楽しいです。

野辺にチョウを探しに出かけるのもいいですが、わざわざ出かけなくても先方から来てくれるなんて贅沢な楽しみだと思います。

わが家の狭小ガーデンで育ててきたり、チョウの採集や撮影ポイントにしていた植物を中心に、チョウが吸蜜のためによく集まる花を集めてみました。

※写真の説明に撮影月を書きました。花期やチョウの時期のご参考にどうぞ…。

ブッドレア

海外ではバタフライブッシュとも呼ばれるチョウに圧倒的に人気の花。花期も初夏から秋までと長く、いろんなチョウが飛び交います。

草のように見えますが低木。冬の間に強剪定しておけば草丈を低く保てます。薄紫のものをよく見かけますが、白やピンクなど花色も選べるし、矮性の品種もあります。

差し芽で増やせるので、お友だちの家の庭にあったら一枝いただいては…?

 

チョウが集まるので、メスの取り合いや交尾をしているところもよく見かけます。こちらはツマグロヒョウモンがメスの取り合い中。(7月下旬)

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ほとんど開花部分がなくなっても、チョウが来ます。(9月下旬)

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バーベナボナリエンシス(三尺バーベナ

 前回の記事にも書きましたが、バーベナボナリエンシスもチョウに人気です。

タネで増えますが、いったん定着すると宿根草になります。背の高い草の先に小さい紫の花の房ができます。背が高いけれど、支柱は不要。花期が長いので真夏や秋の花の少ない時期に特に重宝します。

 

いったん吸蜜に来ると、どのチョウもしばらく居座って、花を渡り歩きます。よほどおいしいのでしょうね。吸蜜に夢中で逃げないナミアゲハ。(8月上旬)

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チョウがたくさん集まるので、捕食者も集まり、悲劇もよく見かけます。オオカマキリに捕まったツマグロヒョウモンとのん気に吸蜜中のナミアゲハ。(同上)

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キャットミント 

初夏から晩秋まで薄い紫色の花が咲き続ける宿根草。チョウやハチが集まります。

一株で大きく広がります。冬になって枝を刈り込んでおけば、翌春また新枝が丸く広がります。吸蜜植物としても優秀ですが、ほかの植物とも調和する配置しやすい花です。近年購入した宿根草の中で一番のお気に入り。

 

オスメス2頭で訪問中だったナミアゲハ。(6月上旬)

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ランタナ

ブットレアに似た小さな花が丸い房を作ります。花期も長く、いつもチョウが来ています。

暖地では屋外で越冬可能で、地植えすると大きく広がりますが、わが家は冬場の気温が低いので、鉢植えにして軒下で保護しないと越冬できません。関東に引っ越して、コバノランタナのツル状の性質を利用して広く擁壁を飾る家が多く、冬の暖かさを実感しました。

 

ツマグロヒョウモンのメスが吸蜜中。(10月上旬)

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キタテハ(秋型)が吸蜜中。(10月上旬)

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ジニア(百日草) 

キク科の花はチョウに人気のあるものが多いのですが、これは「百日草」という名前の通りいったん開花した花が長持ちするので、いつ見ても咲いている感じです。

タネから育てる品種もあるし、ジニアプロフュージョンのように苗で売っているものもあります。

 

ジニアの花壇で吸蜜中のツマグロヒョウモンのオス。(9月下旬)

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ジニアの花壇でセセリチョウがいっぱい。(9月下旬)

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ヒマワリ 

ヒマワリにもいろんなチョウが訪れます。

 

キタテハ(夏型)が吸蜜中。(9月中旬)

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ヒメアカタテハが吸蜜中。(9月上旬)

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マリーゴールド

花持ちがいいし、管理も楽な植物です。水切れだとハダニがつくので気をつけて。花屋で苗を売っていますが、タネまきが簡単な花です。

マリーゴールドは、植えたり、その残渣を土にすき込むとセンチュウ対策になるそうなので、私は定期的に使っています。

 

マリーゴールドの花壇でヒメアカタテハが吸蜜中。(10月中旬)

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ユリオプスデイジー 

冬の時期から黄色い花を元気に咲かせるユリオプスデイジー。春先の吸蜜植物には重宝します。

 

モンシロチョウが吸蜜中。(4月中旬)

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エリゲロン 

花期も長く、雑草のように丈夫な植物。一つ一つの花は小さいですが、小型のチョウがよく吸蜜に来ています。

 

ヤマトシジミが吸蜜中。(8月上旬)

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ポーチュラカ 

夏の庭をカラフルに彩るポーチュラカ。葉が肉厚なので、真夏に水やりを多少サボっても枯れないのがありがたい植物です。

私の個人的な印象ですが、チョウは白花よりも赤や黄色の花によく来るような気がします。

 

ナミアゲハが吸蜜中。(9月中旬)

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ニラ

野菜のニラの花はよく見ると可愛くて小さなチョウやハチなどが来ています。ニラは環境が合うと放置しても繁殖するようで、雑草化しているのも見かけます。

 

ベニシジミが吸蜜中。 (9月下旬)

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キマダラセセリイチモンジセセリがなかよく吸蜜中。(9月上旬)

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ちなみに、春先に咲く星型のハナニラは別の植物で、食用ではありません。

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カクトラノオ 

きれいな花なのに、山野草コーナーでたまに見かけるだけですね。「おばあちゃんの家の庭にある花」というイメージかもしれません。もっと吸蜜植物としても注目されていいように思います。

 

カクトラノオモンキアゲハが吸蜜中。このとき、森にいるはずのモンキが住宅街まで来ていたので興奮して撮った記憶があります。(9月上旬)

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フジバカマ 

アサギマダラを呼ぶことで有名なフジバカマ。これも山野草コーナーに売っています。

小さい苗を一株地植えすれば、驚くほど広がります。鉢植えだとすぐ根詰まりするので、こまめな株分けが必要。

フジバカマを庭で育てて10年以上経ちますが、周りを家に囲まれた住宅地では、数株ではアサギマダラは来ないようです。せめて1m四方くらい密植してあれば、秋になったら同じ個体がしばらくの間毎日吸蜜に来ます。

アサギマダラばかりが注目されますが、庭の常連のチョウたちもたくさん吸蜜に来ます。

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フジバカマ苗 赤 3.5号

フジバカマ苗 赤 3.5号

  

アベリア

 街路樹によく使われている植物です。花期も長く、いい香りがします。

夕方になると、エビフライのようなおもしろい形のホウジャクの仲間(蛾)がたくさん来ます。

 

街路樹のアベリアでナミアゲハが吸蜜中。(7月中旬)

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一般住宅のアベリアでモンキアゲハが吸蜜中。(7月中旬)

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街路樹のアベリアで、ツマグロヒョウモン交尾。(7月上旬)

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一般民家のアベリアでイチモンジセセリが吸蜜中。(7月上旬)

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ツツジ

 わが街ではゴールデンウイークにピークを迎えるツツジもアゲハ類がよく吸蜜に来ます。

子どもたちが小さい頃、ツツジの植栽の横でアゲハ待ちに延々とつき合わされました。クロアゲハやモンキアゲハは蝶道を周回しているので、一度姿を見た場所で待っていれば、幼稚園児でもかなりの確率でネットインできました。

 

満開のサツキツツジに来たナミアゲハ。(5月上旬)

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ハギ

 ハギなどのマメ科の植物は、葉を食草にするキチョウやツバメシジミなどもいますし、チョウたちの秋の社交場になります。

 

南から旅をしてきたウラナミシジミ。(10月上旬)

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ヒメアカタテハも吸蜜中。(9月下旬)

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ツバメシジミは吸蜜と産卵の両方の目的で来ます。(9月下旬)

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リョウブ

初夏に白い花を咲かせ、チョウやハチが驚くほどたくさん集まります。 

雑木林でもよく見かける木ですが、樹冠を目指して上へ上へと伸びてその先に花をつけるので、観察するには高すぎます。庭木や街路樹になっているリョウブを探した方がチョウが見やすいようです。

 

公園のリョウブに来たアオスジアゲハ。(7月上旬)

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広場に植えられたリョウブに来たトラフシジミ(夏型)。(6月下旬)

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カクレミノ

 カクレミノは雑木林では北斜面や日当たりの悪い場所に生える植物です。そうした場所にあるカクレミノにはチョウは集まりませんが、公園や庭の開けた場所に植えられたカクレミノには、驚くほどたくさんのチョウやハチ、アリやハナムグリなどが集まります。ヤツデに似た地味な花ですが、不思議です。

 

公園のカクレミノに来たアオスジアゲハ。(8月上旬)

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花の蜜以外が好きなチョウも

チョウが集まる場所は、花の蜜だけではなくて、ドングリの木の樹液、動物のフンや尿、熟した果物、アブラムシが出す甘露、地面など、ほかにもいろいろあります。

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地面のミネラルを吸うコムラサキ。(9月下旬)

 

子どもについてチョウを追いかけるようになるまで、花の蜜には来ないチョウがたくさんいることを私も知りませんでした。

例えば…

などなど、花の蜜とそれ以外の両刀使いだったり、花の蜜には全然来なかったり、チョウの種類によりいろいろです。 

 

チョウの食草を植える  

花の蜜でチョウを呼ぼうとすると、チョウと一緒にいろんな種類のハチたちも呼び寄せることになります。サルビアのように、チョウよりもハチやオオスカシバ(蛾)に人気のある花もあります。

 

花の蜜で呼ぶよりも、お目当てのチョウの食草や食樹(幼虫が食べる植物)を植えておく方が、困りもののハチが増えることもないし、産卵や羽化直後の交尾など、チョウをじっくり見られる機会が多いかもしれませんね。 

 

メジャーなチョウたちの主な食草・食樹  

小学校の理科でも習うのでご存知の方も多いと思いますが、よく見かけるチョウたちの幼虫が食べる植物を挙げてみます。

  

私のチョウ飼育の経験では、サンショウやパセリは、よほどたくさん用意していないと、幼虫の食糧としては足りなかったです。

 蝶屋さんの庭を拝見すると、産卵済みの食樹から幼虫が逃げ出さないようにネットをかけて野外飼育されているのをよく見かけます。

※ご参考:よく見られるチョウ - 庭のチョウ|日本チョウ類保全協会  

おしまいに 

以上、「小さい庭で子どもと一緒にチョウを楽しむこと」を考えて選んでみました。 

上にも書きましたが、蜜のおいしい植物を育てていると、チョウよりもハチがたくさん来ることも多いです。ハチを狙ってカマキリやアシナガバチが集まってきたりもして。びっくりされませんように…。

 

「花←→チョウ」の単一の関係だけじゃなく、チョウの捕食者であるカマキリやクモ、意外に獰猛で肉食っ気の強いアリたちなど、連鎖して広がる世界を子どもたちが感じてくれるとうれしいです。 

 

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