『クモのいと』 クモの糸の写真が美しい絵本
昆虫写真家である新海孝さんの写真絵本です。
いろいろなクモの写真を載せながら、クモの生態について説明しています。
クモの種類によって網の形が違うこと。
円網の縦糸と横糸は性質が違っていて、横糸には獲物を捕らえるためにねばねば成分がついていること。
虫を捕まえる瞬間の写真。食事の様子。
クモは網を張る種類だけではなくて、徘徊して餌を取る種類もいること。
産卵と、子グモ達の様子。
クモの生活史を、きれいな写真と短い言葉で、一通り説明しています。
子どもたちにわかりやすいように、簡潔にまとまっているので、ちょっと物足りない点もありますが、最後に「あとがき」があって、小学校高学年ならわかるような内容の解説もあります。
新開さんはクモが専門ではないので、名前など、ちょっと気になる点もありますが、子どもたちがクモが何なのかを知る上では、特に問題にはならない程度の間違いだと思います。
新開さんの写真絵本や図鑑などは、数え切れないほど出版されています。
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読み聞かせに、よく使います。
お母さんたちからの刷り込みで「クモって怖い」「きゃー」という子どもたちに、恐怖心を取り除いてもらいたくて。
読み聞かせとしてはルール違反ですが、多少の解説も交えながら読んでいます。
子どもたちは、「クモ=ジョロウグモ」だと思っている子が多く、数え切れないほどいろんなクモが身近にいることに、驚きます。
低学年でも十分に理解できる本ですが、小学校5年生の授業で稲作を学ぶので、そのタイミングだと理解が進みます。
稲を守っているのは、農薬ではなくクモやたくさんの生きものなのだと、授業で田んぼに出かけるので実感できるようです。