夏休みの宿題 苦手な読書感想文に挑戦
わが子たちはめんどくさがり屋なので、夏休みの宿題の作文は毎年適当に生活作文を書いてごまかしています。情けない…。
とくに下の子は、中学生なのにお母さんチェックがないと、まともな作文が完成しません。いつまでもぐだぐだしていても仕方がないので、去年の夏は読書感想文に挑戦するように勧めてみました。
作文ダメダメ人間ですが、なんとか市の表彰には引っかかりました。
読書感想文が苦手な子の取り組みについて、まとめてみます。作文が得意なお宅は、読み飛ばしてください(^^;)
感想文公式サイトを見る
私も読書感想文を手伝うのは初めてだったので、まずは敵を知ろうと考えて、コンクールのサイトを開いてみました。
今年のものはこちら→読書感想文全国コンクール公式サイト
学校代表が各市町村に進み、都道府県、全国大会へと行く仕組み。
入賞者の一覧を見ていると、やはり課題図書で書いたものが目立ちます。
優秀作文集もチェック
念のために地元の優秀作文集も読んでみました。
地元の優秀作文集は、毎年学校から購入申込書が渡されます。私は、毎年ではないですが、時々購入しています。
アピールできる文章構成や、どんな掘り下げ方があるのかの参考になります。
子どもたちの目に着くところに置いておくと、作文と読書が好きな上の子は、さらっと目を通して、自分の作文の参考にしていたようです。今回は、下の子も参考になりそうな文章を熱心に見ていました。
どの本にするか
「課題図書から選んでみよう。だめなら、ほかをあたってみよう」と考えて、2人で近所の本屋に出かけました。
作文が得意な子はどんな本でも書けるのかもしれませんが、今回書くのは作文苦手人の下の子です。
課題図書は3冊ありました。課題図書は書く子と同世代の子どもが主人公のことが多いです。自分に近い話の方が、感想も書きやすいと思います。
去年の課題図書は、主人公が女の子のが1冊、男の子が1冊、研究者の回想録が1冊でした。
「一番読んでもいいと思える本はどれ?」という問いかけに対し、立ち読みの末、彼は最後の研究回想録を選びました。「うなぎ 一億年の謎を追う」という本です。
本を読む
うなぎの生態研究の回想録なので、図鑑をお話にしたような本です。易しい言葉で書かれているので、飽きっぽい彼もなんとか読破しました。
自分が虫の経過観察のために同じ場所に何度も通い詰めた経験も、お話の世界に重なったようです。
話し合う
「この本って結局、どういう話だっけ?」
「どこがすごいと思った?」
「なんで?」
「自分の虫探しに重なる点はあった?」
などなど、ごろごろしながら問いかけました。
面と向かって問いただすと、喧嘩になってしまいます(^^;)
精読しているわけではないので、私に質問されてもすぐには答えられません。もう一度、本をぺらぺらめくり始め…。を繰り返しました。付箋があると便利です。
書きたいことを書き出す
どの点について絞って書くのか、箇条書きで書き出し。
原稿書きスタート
書きたいこと膨らませて、原稿用紙に書いていきます。多少わけわからなくなっても、思ったことをどんどん書くように言いました。枚数や字数は気にせず、多めに。
鬼の校正
主題を決めて肉づけ
なんせ、作文が苦手なので、思ったことをダラダラ書いて終わっています。全体を読んでから、どこを主題にするのかを決めて、そこを重点的に掘り下げました。「ほかに感じたことはないか」、「著者の印象的なセリフはなかったか」を探して膨らませます。
自分の経験談を入れる
未解明だったうなぎの生態を長年の苦労で少しずつ解明していったというお話でしたが、子ども自身の、虫の生態を観察するために、同じ場所に何度も繰り返し出かけた経験や、新種の虫を発見した時の気持ちなどの話を入れ込みました。
書き出しが大切
書き出しは特に大切。今どきの作文は、書き出しで読者に「え?」っと思わせるものが多いようです。「ぼくは、うなぎを読んで作者の根気強い探求心に感動しました」で始まっては、インパクトが足りません。
ドラマチックな書き出しを考えました。
余計なところは削ぎ落とす
彼の作文は状況説明がくどくどと長く、読んでいてうんざり。状況説明は削って削って、最低限の言葉に絞り込みました。
表現を言いかえる
「びっくり」とか「すごく感動」とか、ふだんの言葉が並ぶ文章を、「目を見張った」とか「今まで感じたことのない思いが…」のように、少々大げさに言い替え。
これだけでも、少しは文学的な作文に変わります
組み直す
読み手のことを意識して「この部分は最初に、これは最後に」と順番を大きく組み直しました。まず最初に読み手の注意を引きつけて、詳細を順々に説明していく。間に自分の経験もまじえながら、そしてまとめ…。
大人と違って手で書くので、全面的に書き直しで悲劇的ですが、仕方がありません。
私の感想文
中学生にもなって?
上の子は毎年自分一人で作文を書いているし、私自身も作文は好きだったので、下の子もそのうち上手くなるだろうと思って、中学まで来てしまいました。
今回は本を読み込むところから、手取り足取り。中学生ともなると、部活で疲れているし、悪態も可愛げがないし…。
本の読み込みや文章の組み変えを一緒にやっていると、本人にも読者にアピールするためにどんな点を気をつけたらいいのが、ちょっとは自覚ができたようです。
作文は精神的な成長も必要
もっと早く指導すればよかったかも、とも思いましたが、少し前までは子どもの方がまだ精神的に未熟で、考え方が自分本位で客観的になれなかったような気がします。この子には、遅くなってしまったけれど、今の時期がやっと適期だったのかもしれません。
ブラックな話になりますが、作文って、相手にアピールできるように、ちょっと大げさに話を盛って優等生的に書いた方が評価が高いし、盛った点について読み手に嘘がばれないようなずる賢さも必要です。うぶな感じを装う演技力も必要。
それほど感動しなかったことについても、「ぼくは…衝撃を受けた!」という舞台俳優並みのテンションも時には必要です。二重人格でないとうまくいかない。幼稚な子には酷な作業です。
夏休みは疲れます
夏休みは、我慢することが多くて、私が疲れてしまいます。お母さんの声掛けなく、すいすいと宿題を片づける子がうらやましいです。
私は子どもの勉強は見ない主義です。ドリルもテストも見たことがありません(^^;)
ただ、学校や塾では教えてくれないことは、できるだけ頑張って協力しようと思っています。
余談ですが、ウナギの話
今年もスーパーのウナギ商戦は大変な賑わいでした。
でも、ウナギは絶滅危惧種の指定を受けています。
こんなに気前よくたくさんのウナギが並んでいるのに、絶滅危惧ってピンときません。養殖だからいいんじゃないか、と思っていましたが…。
今回使用したウナギの本によれば、養殖するためには、天然の稚魚が必要になるそうです。今はまだ卵から稚魚を採る技術は未熟なので、天然資源に頼った養殖しかなく、みんながウナギをたくさん食べれば、天然のウナギはさらに絶滅の危惧が増すようです。
天然の魚が減った大きな原因は、稚魚のとり過ぎ。ひところは世界の消費量の7割を日本人が食べていたとか。
それを知ってから、ウナギをあまり買わなくなりました。
早く卵からの養殖技術が確立してほしいものです。