塾や学校の大人たちが、子どもが自分で考えることを邪魔していない?
わが家は地方に住んでいますが、こんな田舎でも中高生のほとんどが塾に通っています。小さい頃はソロバンか公文で、大きくなったら塾。帰国子女が多いのですが、外国に住んでいても、小さいころから公文もZ会も普通にできる時代です。
↑ ドリルしかない子どもの本棚(写真は無料素材ACさんより)
今どきの塾の子ども囲い込み営業戦略は、驚くほど巧妙で積極的。
塾に丸投げの私が言うのもなんですが、塾の商売に上手く巻き込まれて、ベルトコンベヤーに乗せられたような勉強のやり方で、大人になってから大丈夫なのかな?
参考書や問題集を探すのは誰?
昔は自分で探した
私の時代の中高生は、自分自身の目で参考書や問題集を選んでいました。
近所の本屋のおじさんはすっかり顔なじみだったし、大きな書店に行くと、高校の同級生が参考書コーナーで立ち読みしているのにばったり会うこともしばしば。
どんな問題集が役に立つのかの情報交換も盛んでした。
わが子たちは、一緒に本屋に行っても「塾の問題集があるから要らない」とか言って、参考書コーナーには私のころほど興味がないようです。
学校や塾が指定してくる
今どきは、公立でも、中学校がサブノートや問題集をたくさん購入させて宿題に出してくるし、高校は、購入すべき参考書が指定されて、本人未消化のまま(うちだけかな?)、どんどん新しいものが増えていきます。
塾も、オリジナル教材をどんどんどんどん出してくるので、家の中はプリントや冊子の山。これをお母さんが専任で管理している家も多いようですが、わが家は本人任せなので、収集がつかなくなっています。
自分の意思は要らないの?
考えずに流れに乗る優等生
塾を使った方が効率的に高度な内容の勉強ができているのかもしれないし、勉強が時短できた分、部活との両立も楽になったかもしれません。
でも、人がお膳立てしてくれたものを消化していく作業は、本人たちはおもしろいのでしょうか?
ご近所の中高生を見ていると、疑問を感じたりせずに、ノルマを淡々とこなしていく子が優等生とされています。本人たちも自信に満ちた感じだし。
趣味に走ると成績が…
歴史や地理の詳しい資料集やサイエンス雑誌にどっぷりハマったり、趣味で難関私立の過去問やZ会の問題集を解いて楽しんだりする子もいますが、そういうのはごく一部で、主流派ではないようです。
趣味に走りすぎると、逆に成績は落ちてしまう恐れすらあるようで。兼ね合いが難しい。
塾に行かずに済ますのは勇気がいる
模擬でレベルを知るために
塾に行って模擬試験を受けないと、自分のレベルがわかりません。進路指導も、学校の先生よりも塾の方が成績データを持っているから的確です。
中学校の先生の進路指導は(人にもよるかもしれませんが)、「安全圏を受けてほしい」「全落ちしなければ、それでいい」というスタンス。高校の進路指導は、学校によりけりでしょうが…。
過去問をもらうために
塾によっては、定期テストの過去問を探してきて、テストの前に子どもたちに解かせています(内申点対策)。どうも毎年同じ問題が出るらしく、「〇〇塾行ってるやつはいいな~」という話になってしまいます。
お母さんによっては、ご自身が先輩のお母さんやご近所に声をかけて過去問をかき集めている人もいますが、そういう人は将来わが子を〇〇塾に入れるんでしょうね。
だから塾はやめられない
過去の入試傾向や今年の倍率などもわかりやすく教えてもらえるし、思春期の子には親が叱るよりもよその大人にカツを入れてもらった方が効果があったりします。
なんだかんだで、塾に依存しきっているわが家ですが…。上の子は、考えた末に高2でテレビでも有名な大手塾を辞めました。子どもなりに、塾の商魂に嫌悪感を感じたらしいです。
教育って聖職だったはずなのに、今はすっかり商売になっていて、それに親も子も乗せられてる感じが怖いです。
各教科の楽しさを知ってほしい
受験テクニックではなくて、各教科の楽しみ方を教えてくれる先生はいないのでしょうか?
ほとんど参考にならないと思いますが、私のおすすめ本をちょっとご紹介(^^;)
私の古文勉強法
高校時代の私は、勉強の合間に古文の口語訳を読むのが趣味でした。
古文の口語訳と解説が載った本を、片っ端から読みました。ハードカバーだったので、本棚はこのシリーズでいっぱい。
今の古文の勉強法は、文法や古語と古文常識のポイントを覚えて、おしまい。
古文や口語訳を大量に読んでいると、小手先のテクニックではなくて、なんとなく古文の世界観のようなものが身につきます。当時も今も、こんな時間がかかる古文の勉強をしている子は少ないと思いますが、義務というよりも娯楽として楽しんでいました。普通の読書も好きだったので、国語の成績だけは県内でも無敵でした。今はすっかりボケていますが。
昔のハードカバーは今はもうありませんが、改訂版が出ています。
一応受験参考書なので、全文の読解ではなく、要所要所をピックアップして訳と解説が載っています。以前わが子に勧めてみたところ、「古文にそんなに時間かけるのは無駄」と一蹴されました。残念。
数学の問題で遊ぶ
当時は、数学が好きな子たちは、休み時間に集まって「大学への数学」の難問を解き合っていました。私も定期購読していましたが、難しくて全部はとてもできませんでした。
「大学への数学」は今でもありますね。
↓ 「大学への数学」から、学コン問題のダイジェスト。
中学生で数学に凝りたい人はこんな問題集は? 解説が丁寧だからわかりやすいそうです。(わが子談)
塾で教える高校入試 数学 塾技100 新装版 (高校入試 塾技)
- 作者: 森圭示
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リビングにツンドク本
ドラマの背景を調べるために、寝ころびながら腹ごなしに…。わが家のリビングに置いてある本の中では、これが人気です。
各時代の世界の情勢が地図と一覧表になっているので、わかりやすいです。
今の中高生が学校でどんなふうに過ごしているのか知りませんが、「勉強はノルマをこなすこと」と考えて、授業時間が終わったらガラッと切り替えて、ゲームやテレビ、アイドルの話に盛り上がっているんじゃないのかな。違ったらごめんなさい。
高校生の部活を見ていて
上の子は文化部に所属して、いろいろと知恵を絞り合うのが活動内容でした。(詳しく言えずにすみません)
代々名門の部活だったので、卒業生の先輩たちも応援に来ますが、先輩たちの時代は自分たちで図書館で資料を集めて、自分たちで理論構築していました。
最近のやり方は、ボランティアの外部コーチが親切丁寧にアドバイスしてくれて、資料集めも理論構築も、教えてもらいながらやる体制。データ共有もネット上でやるので、子どもたちも本の貸し借りなどの無駄な動きがなくなります。
自分で考えてなんぼじゃないの? 骨太な先輩たちが、たくましく見えました。
教えてもらったことを上手に再現していい賞をとるのは、ちょっと違う気がしています。でも、見物していると、他校も先生が深く入り込んでいる感じ。指導者に対する表彰もあって、大人の知恵比べになってる?
私の高校時代は、顧問の先生は名義だけで、顔を出された記憶もないですが…。
おしまいに
なんだか昔話ばかりになってしまいました。
今の子どもたちを見ていると、昔の私よりも小難しいことを知っていたりするけれど、本当に自分の頭で考えてやっているんだか、怪しいなと感じます。
「褒める教育」「励ます声掛け」などは、いろんなところで推奨されて、その弊害も取りざたされています。学校で習う項目を減らしていた時代のゆとり世代についても、非難の声はよく聞きます。
でも、「塾や学校による教え過ぎや取捨選択しすぎ」な勉強の環境については、どうなんでしょうか。
年が明けてから子どもたちが受験漬けなので、柄にもなくあれこれ考えてしまいました(^^;)