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大学生の犯罪が増えるのもわかる気がする

東京の大学生の性犯罪のニュースが聞かれるようになったのは、もうずいぶん以前からのことになります。

2003年に早稲田のサークルの集団暴行のニュースを聞いた時には、驚きあきれました。その後も、何度も似たような犯罪が話題になっています。

田舎に住んでいるわが家には縁のない世界だと思っていましたが、子どもが関東で一人暮らしをするようになって、むべなるかなという感想を持つようになりました。

今回は、下宿生が道を外さないために、親の愚痴のような老婆心のようなお話です。  

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住環境の変化 

大学生の一人暮らしは、大昔とは違って銭湯を利用する貧乏下宿生がいなくなって、マンションやアパート派が増えました。

アパートは隣近所のつきあいもなく、誰が住んでいるかもわかりません。

今どきの一人暮らしは引越挨拶もしないのが普通だし、特に女子は引越挨拶は厳禁。防犯のためにやってはいけません。

大家さんが干渉してくることもないし、下宿の玄関で下宿人同士が顔を合わせることもなくなって…。

そこそこきれいなアパートだから、人を呼びたくなってくるし…。

 

昔の貧乏下宿は壁が薄くて、隣りの部屋に誰が遊びに来て、何のテレビを見ているのかもわかりましたが、今どきのマンションは隣りの話し声は、お互いが窓を開けていないと聞こえません。

多少のバタバタが起こっても、「ん?」と感じるだけでスルーされてしまいそう。

ちなみに、朝ドラの「半分青い」で西北大学(早稲田の設定)の律くんのマンションがよく出てきましたが、あの時代早稲田であんな素敵な部屋に住んでいた学生っているんでしょうか?

通信環境の変化

 固定電話が携帯電話に変わったのも問題。

携帯だと、連絡がつかなくても「充電切れてた」の言い訳が通ってしまうし、電話がつながっても実際にはどこにいるのか、親にはわかりません。友だちの下宿に入りびたりの子もいるという話も聞こえてきます。

 

スマホやネットが普及したおかげで、親に聞かなくてもネットで調べればなんとかなるので、わざわざ親に電話で聞く必要もなくなりました。

 

わが家は入学以来ほとんど音信不通で、なにをしているのか本人からの報告はまったくありません。

私の周りに聞いても、大学生の子と連絡がとれないお母さんは多いです。

LINEをすれば返事が来る子もいるようですが、男子でも女子でも、返事がない子はそこそこいる感じ。

留年したり問題を起こして初めてわが子の状況を知ることになるのでしょうか。

 

ちゃんとやっているのか、遠方の親が知ることのできる手段は本人の周辺の子たちやサークルのツイッターぐらい。

ツイッターって、本来はフォローした人同士が情報交換する仕組みなのかもしれませんが、いろんな理由から子ども周辺の情報を集めるためにツイッターをのぞき見しているお母さんが少なくないようです。

「LINEの返事もないから、サークルのホームページでしか、娘の様子がわからない」と嘆くお母さんもいました。

 

余談ですが、大学主催の学生生活の説明会が全国各地(!)で開催されるところもあります。高校みたいで笑っちゃいます。わが子がちゃんとやれているかまでは、確認できないでしょうね。

個室で集まる習慣

昔と違って安い飲み屋で乱痴気騒ぎをすることがなくなって、友だちの下宿での家呑みが増えたのも堕落の温床?

確かに食材だけ買って友だちの下宿で呑めばお金はかからないし、興が乗ったらお泊りもOK。

歓楽街で呑み潰れて身ぐるみ剥がれたり要らぬトラブルに遭うのも困りますが、個室にこもって、いい意味で盛り上がればいいですが、おかしな方向に進んだら心配です。 

 

大きな事件が起きたのは、貧乏アパートなんかではなく親のお金で用意した豪華マンションだったりするようですが、個室にこもることって、なんとなく心配です。

バイト重視で余剰資金

今どきの大学生は、裕福な子もそうでない家の子も、みんながバイトをしている印象です。

私の周辺(狭いな)のお母さんたちに聞いてみても、自宅生の子は入学前からバイトの面接を受けていたし、下宿の子たちも入学早々にバイトを始めています。

近所のスーパーやコンビニのレジでも、子どもの同級生があちこちに。

 

私が学生だった大昔は、大学生がみんなバイトしている感じはありませんでした。

塾の教師をやると拘束時間が増えて負担だから効率がいい家庭教師中心。飲食店のバイトをしている子たちは、授業に出ずに学業は放棄している感じもありました。

自宅生も下宿生もそれほどお小遣いがだぶついている感じはなくて、お金持ちの子も貧乏人もそろって安い飲み屋で安酒を呑んでいました。

 

今の子たちは、毎日のようにバイトして、余剰資金がある子が多い印象です。上から下までブランドもので揃えたり、友だち同士で頻繁に旅行に出かけたり。

サークルは先輩が後輩にごちそうするのが慣例のようですが、そんな慣例必要なの? 社会人になってからでいいんじゃない?

 

都会で一人暮らしをしている子たちはバイトのお金は遊興費に流れるのが多いような気もしますが、田舎の国立大学だと、「どれだけ親からお金をもらわずに暮らせるか」の競争をしてバイトをして自活している子もいると聞きます。

女の子でもバイトと奨学金だけで自活している子の話も…。東京で浮かれている子たちに聞かせたい。

 

ちなみに、私自身は生活費のためにバイトして、就活後のバイト追い上げでお金を貯めて、ヨーロッパ一周(半周かな)貧乏旅に出かけました。友だちと二人きりで約1か月間、街を移動するたびに自分たちで宿を交渉しての珍道中でしたが、大学時代で一番の宝物かもしれません。

誕生日を祝う習慣

どこぞの誕生日を祝うサークルが起こした事件もありましたが、今どきの学生はいちいち友人の誕生日を祝いあうんですね。

私なんか誕生日を知っている学生時代の友人は一人しかいません。お祝いしたっけ?

誕生日を祝ってくれるのは、家族と恋人なんじゃないの?

「イッキ、イッキ!」が禁止になったから、盛り上げるために誕生日?

大学生が誕生日を祝う習慣って、いつごろからできたんでしょうね。おばあさんの私から見るとかなり違和感を感じます。 

要領よくいい子を演じる

学生のツイッターを見ていると、「明日は〇〇だから黒髪にする」というコメントを見かけます。

大学生になると髪を染める子がたくさんいますが、昔のヤンキーとは違い、臨機応変に黒くしたり戻したり。肝心な場では優等生を演じている様子。

大切な場で髪が赤いのも困りますが、叱られる前にちゃっかり黒くしていい子ぶっているのもどうなんでしょう。

少し前に援助交際をした知事を脅迫した大学生も、法学部で学んだ知識を活かして(?)、後々脅迫として追及されないような言い回しで脅したんだとか。

 

良心を持たない小利口な子が増えている? で、そういう子が世に出て成功している?

 

おしまいに

必要以上に小ぎれいなアパート、携帯電話で行動範囲が広がり、バイトで余剰資金もゲットしてオシャレなイケメンの出来上がり。

昔と比べてばかりいても仕方がないですが、この環境で真面目にコツコツ勉学に励めと言う方がむずかしいのかもしれません。

もう少し大人や他人の目が入って生活に干渉するシステムがほしいところです。

過保護に手助けするという意味ではなくて、もうすぐ社会人になる前の予行演習が上手くいっているかのチェック。

 

「東京の大学に行く」というのは、世間を知りたいとか将来の就職に有利だからという理由ではなくて、「都会の大学生活を満喫したい」と考えて選択している子も少なからずいるようです。

地方の公立高校は、少し前までは国公立優先で私立専願はありえない選択でした。

私立専願に決めると、高校での授業選択にさわりが出る(余計な科目の受験対策授業にでなければならない)感じでしたが、「私立専願にして楽して東京に出るべ」というミーハーな層が以前よりも増えているような感じがするのは私だけでしょうか。

 (東京に住んでいる子の私立専願を否定する気はありません)

 

以上、親の立場からの老婆心でした。

故郷に錦は飾らなくてもいいから、とりあえず、誰かに迷惑を掛ける生き方だけはしないでほしい…。

 

 

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