子どもに時代劇を見せておけばよかった 時代劇で基礎知識を身につける
今の子どもたちは、国語の読解で明治や江戸の話が出てくると、お手上げになることが多くないですか? まさか、昭和も?
国語や社会の基礎知識をつけるためにも、「意識して時代劇を見せておけばよかったな」と今頃になって感じています。 アニメとかでなく実写の時代劇を。
昔の時代劇や今の時代劇を振り返りながら、子どもにも馴染めそうなものをご紹介します。
昔の言葉や暮らし、精神を知らない子たち
塾の先生のアドバイス
小学校の時の塾の先生が「祖父母と同居している子は国語が強い」と話しておられました。「同居すると語彙が豊富になりますよ」と。
おじいちゃんおばあちゃんと同居だと、必然的に時代劇がお茶の間(今はリビング?)に流れているし、会話からも昔からのきれいな日本語や敬語が自然に身につきます。
言葉だけでなく暮らしや精神も
言葉づかいだけではなく、年長者を立てる精神や大和撫子としてのたしなみなども、私たち親の世代からも消えかけています。
老人ホームで職員がお年寄りにタメぐちで話すようになったのはいつごろから? 街の店員さんたちは、お客を気にしすぎてなんだかおかしな敬語になっているし。
障子紙越しに気遣い察し合う日本人の昔の暮らしを、今の子どもたちに口で説明するのは難しそうです。
昔の人の気持ちが想像できない
古い物語文を読んで「主人公の気持ちを述べなさい」という問題に対しても、わが家の中学生はとんちんかんな解答続出。
どれどれと覗いてみたら、先日の問題は遠山の金さん風のお裁きの場面を描いた文章でした。
懐かしい定番時代劇
私の記憶に特に残っているのは…。
みんな本放送はとっくに終了していますね。
水戸黄門が番組終了というニュースを聞いた時は、既に全然見なくなっていたけれど、寂しい気持ちになりました。そういえば、必殺仕事人とか大江戸捜査網なんかもありました。
※追記
大岡越前(東山紀之主演)はBSでまだ続いていました(^^;) → 大岡越前3 | NHK BS時代劇
あたりが、記憶に鮮明です。(歳がばれますね(^^;))
ちなみに、 歴代のNHK大河一覧はこちらで見られます。
テレビに見る時代劇
勧善懲悪のワンパターンと言わないで
私が子どものころは、夕方のテレビは時代劇の再放送ばかりだったし、祖母と暮らしていた時期は、祖母につきあって時代劇をよく見ました。
勧善懲悪のワンパターンな筋書きは、全然ひねりがなくて古臭いと言われそうですが、ワンパターンは時代劇だけじゃありません。
今だって「ドクターX」や「科捜研の女」みたいに、ワンパターンで必ずハッピーエンドのドラマがみんなに受け入れられています。
大河ドラマは正統派で行ってほしい
昔のNHK大河ドラマは、秀頼や頼朝、赤穂浪士など、歴史上メジャーな人物を主人公にしたものがほとんどでした。
ドラマのストーリーも楽しみでしたが、学校で習う歴史とドラマが重なるので、内容が堅くても、子どもでも挫折せずに見られました。
今の大河ドラマは、ちょっと狙いすぎじゃない?
現代語でセリフを話す真田ファミリーやよく知らない女傑のドラマは、民放でやればいいんじゃない?
ただし…。
言っていることが矛盾しますが、HNKの「タイムスクープハンター」という番組がありましたが、あれは好きだし、子どもにもおすすめ。
当時のままの汚い恰好をした庶民の生活に未来の青年がタイムスリップするというありえない設定の時代劇で、従来の京都太秦で撮影した華美なセットの時代劇とは全然違ってリアルです。
韓国の時代劇
ちょっと脱線しますが…。
私は韓国ドラマの歴史物が好きです。あれこれ見ていると、それぞれのドラマの時代がつながって、韓国や中国の歴史や地理がわかるようになります。
史実に基づいた時代劇だけじゃなく、架空の人物を描いたフージョン時代劇というのもあって、史実を気にする必要がないので、荒唐無稽で若者受けしそうな内容です。日本でもああいうのをやったらいいのにと思います。
古代の王朝なのに異常にゴージャスなセットや衣装、日本人がいつも悪者、政変が起きると相手を全員抹殺…、ちょっと疑問な点も多いですけど。
今どきのテレビ時代劇
基本的には大人向けですが、親子で楽しめるものも探せば見つかります。
NHK土曜時代劇
民放ではすっかり時代劇は姿を消してしまいましたが、NHKではまだ細々と(?)続いていますね。
木曜とか土曜の夜に、連続ドラマが放映されています。
これを子どもにもすすめたいんですが、どうも受けが悪いものが多いです。もう少し子どもの視聴者も意識して作ってもらえるといいんですが。
おすすめ2本
ネプチューンが作る大河ドラマっぽいドラマ!(土曜11:35~)
瀬戸康史主演のほのぼの時代劇。(BSプレミアム火曜11:15~)
子どもに受ける映画時代劇
超高速参勤交代
最近おもしろかったのは「超高速参勤交代」。親子で大笑いしながら楽しめます。
参勤交代をいかに成功させるかの苦労話ですが、登場人物がそれぞれ個性的で、子どもでも全然飽きないスピード感があります。
続編の「リターンズ」は、私は見ていませんが、レビューを見ていると1作目よりはアレなようですね。
大人向けのノベライズ本。
児童書のノベライズはこちら。
同じ参勤交代ネタで、NHKで「一路」という連続ドラマをやっていましたが、こちらはコメディではなくシリアス。大人が楽しむドラマかな。
浅田次郎氏の原作。
るろうに剣心
佐藤健のアクションがかっこいい「るろうに剣心」3部作。子どもたちがテレビ放送や映画上映を熱心に見ていました。主題歌を歌うONE OK ROCKが中高生に人気ですね。
コミックが原作。
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 和月伸宏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/10/05
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もちろん時代劇の映画はほかにも数え切れないほどありますが…。
私は「蝉しぐれ」や「武士の一分」などの藤沢周平の映画もよく見ますが、わが子たちには全然響かないようです(^^;)
時代物の児童書もおすすめ
江戸時代の暮らしを描いた児童書も、馴染みやすいかもしれません。
東海道中膝栗毛
「東海道中膝栗毛」の口語訳は、私も小学校の時に読んで楽しかったお話です。
東海道中膝栗毛 弥次さん北さん、ずっこけお化け旅 (ストーリーで楽しむ日本の古典 9)
- 作者: 越水利江子,十々夜
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2014/02/11
- メディア: 単行本
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南総里見八犬伝
「南総里見八犬伝」は、昔NHKで人形劇「新八犬伝」の放送がありました。 人形浄瑠璃の本格的な人形が使われていて、坂本九さんの熱い語りが印象的でした。毎回楽しみにしていましたが、今はああいうのはやらないのかな。
落語絵本もおすすめ
落語も、江戸庶民の生活が楽しく聞けておすすめ。子ども向けの落語絵本や落語のDVDは、たくさん出版されています。
そのお話は、また別の記事で書こうと思います。
おしまいに
子どもが小さいころ、観光用の古民家の門の敷居を踏んで、係のおばさんに叱られたことがあります。叱ってくださって感謝です。
「敷居が高い」の「敷居」がどこなのかわからない子もいる時代。畳の間がないお宅も増えているし、床の間は収納スペースになっている家も多いかも。
親の私たち自身も忘れかけているのだから仕方がないですが、今の子どもたちは、意識しないと古い日本の心に接する機会がない時代。
私自身は、高校時代に教養や知識が足りないのを感じて、古い文学作品を片っ端から読みました。古文の口語訳を読むのも好きでした。