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虫はともだち

虫の絵本や図鑑の紹介、写真撮影など、いろいろ…

ドングリにどのくらい虫食いがあるのか調べてみました

いろんなこと 自由研究のネタ・虫の話

ドングリを拾ってきて工作に使う時、何も処理をしないでいると、後から幼虫がにょろっと顔を出すことがよくあります。ゾウムシやガの仲間の幼虫です。

裏山の雑木林のドングリを拾って、いったいどのくらい虫食いのあるドングリが多いのか、割合を調べてみました。 採集日は11月16日です。

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↑ 裏山はコナラのドングリはどこに行っても取り放題。

追記 2016.11.20. --------------------------------------

どんぐりの穴のひみつ (わたしの研究)

高柳芳恵さんの「どんぐりの穴のひみつ」を読んでみました。

8年間にわたり、四季を通したドングリの中身の観察と、そこから出てくる虫たちを飼育しての観察をまとめた本です。ドングリを食べる虫たちの生態はたった一日の観察では全然解明できないことがわかりました。

高柳さんの本の紹介については別の記事を書きたいと思います。

とりあえず今回の記事は消さずに置いておこうと思いますが、ドングリの中の虫たちが一筋縄ではいかないことがよくわかったということをご報告します。     ------------------------ 追記終わり

まずはドングリ集め

主要な5種類を採集 

うちの裏にある雑木林の主要なドングリ5種をを集めました。

コナラ、アベマキ、クヌギマテバシイ、アラカシの5種類。

コナラとアベマキ、クヌギは落葉樹。クヌギは植樹されたもの。(中部以西ではクヌギは自然林では自生しません。)

マテバシイとアラカシは常緑樹で、ここのはたぶん植樹されたものです。

実が熟す時期 

ドングリは、木の種類によって熟して落ちる時期が違います。

今回、アベマキは落ちてから時間が経っていて、遊びに来る子どもたちに拾われたせいか数も少なく、既に芽が出始めていました。拾うには時期が遅すぎたようです。

逆に、アラカシはまだこれから熟して落ちるようで、地面に落ちているものよりも、木についているものの方が多い状況でした。

 

ドングリの採集時期について、樹種別に大変詳しいまとめをされているページがありました。採集時期だけでなく、ドングリ全般にわたってのすばらしいサイトです。

「すばらしいドングリの世界」ドングリを採集しよう

 

 サイト主さんは、こちらの本を出されています。「呼び名事典」というよりも「ドングリ図鑑」といった内容です。

どんぐりの呼び名事典 拾って楽しむ

どんぐりの呼び名事典 拾って楽しむ

 

 

仕分けの仕方

ドングリに入る幼虫はゾウムシがほとんどではないかと仮定して、ゾウムシが穴をあけた様子で、虫食いの状況を判断しました。

「Aグループ:脱出口あるもの」

「Bグループ:産卵痕のあるもの」

「Cグループ:穴のないもの」……の3グループに分けました。

Aグループ:脱出口のあるもの 

肉眼で一目見てもすぐにわかるのが脱出口。ドングリの中身を食べた幼虫が穴をあけて外に出て行った跡です。

脱出口はだいたい一つですが、二つ穴が開いていたものもありました。二匹が巣立ったということでしょうね。

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Bグループ:産卵痕のあるもの

口の長いゾウムシたちがドングリに小さな穴を開け、そこに産卵するとその跡が残ります。ドングリを手に取ってよーく見ると小さい穴が開いています。

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穴開け作業をしても、中のドングリの熟し具合が気に入らないとゾウムシは卵を入れ込まないようですが、今回はこの穴が開いているものは、中の卵や幼虫は確認せず「虫食い」として仕分けしました。

 産卵痕は一つのものもあるし、いくつも開いているものもありました。ドングリのお尻側に穴があるものが多く、ゾウムシは殻斗(帽子のように見えるもの)の上から穴を開けるようです。時々先端部分に産卵痕のあるものもありました。

個人的には、先端に穴を開ける方が楽ではないかと思いますが…? お尻側の方が足場がしっかりしているから、滑らなくて作業しやすいのかもしれません。

各ドングリの虫食い状況を発表!

発表というほど大げさなものでもありませんが…(^^;)

数を数えてわかりましたが、ドングリの木の種類によって、虫食い状況は全然違いました。たった1日のドングリ拾いではデータとしての信ぴょう性がありませんが。 

一番どこにでも落ちていたコナラ 

コナラは山中にあふれているので食害する虫も多いのかと思っていたら、意外にも、穴がないのがほとんどでした。

拾った総数80個のうち、虫食いの穴なしが約8割の65個でした。

※写真の中で「産卵痕」を「産卵跡」と間違って書いています。すみません。

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アベマキは結構虫食い

約半分に脱出口がありましたが、拾った総数が少ないので何とも言えないですね。 

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クヌギはほとんど虫食い

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クヌギは穴がないのが約四分の一しかありませんでした。これはびっくり。ほとんどが虫食いということです。

産卵痕があって脱出口がまだないものが多いので、これから幼虫さんがにょろっと出てくると思われます。 

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マテバシイは全部穴なし

マテバシイはほとんど虫食いがないことを経験上知っていたので、あんまりたくさん拾いませんでしたが、やっぱり穴があるのは一つもありませんでした。

マテバシイはアク抜きせずに食べられます。子どもが小さいころ、皮をむいてフライパンで炒ったものをコーヒーミルでひいて粗目の粉にしてクッキーに入れていました。 

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アラカシも全部穴なし

アラカシは、落ちているドングリがほとんどなかったので、枝についているものをちぎったりしました。これも虫食いは全然なし。 

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まとめると…

結論:今回集めたドングリの虫食い率は、樹種によって全然違っていた。クヌギが一番虫食い率が高かった。全然虫食いのない樹種もあった。

コナラとアベマキは、実が大きいから幼虫の食糧がたくさん確保できるなるのでゾウムシたちに人気なのかな? f:id:mushitomo:20161117003638j:plain

ドングリを割ってみた 

中がどんなふうになっているのか、いくつかカッターナイフで半分に切ってみました。

 

↓ クヌギのドングリに脱出口があったものを割ったところ。

ドングリの半分を食べて外に出たようです。このドングリは脱出口が二つありました。二匹の幼虫が巣立って行ったようです。

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↓コナラのカラが割れていたドングリを割ったところ。

産卵痕も脱出口もありませんでしたが、カッターで割ったら、中に小さい白いイモムシが一匹いました。体長3~4ミリ。(右半分の中央付近)

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どんな虫がドングリに来るのか

夏の暑い頃に、まだ青いドングリに産卵して、ドングリを枝ごと切り落とすハイイロチョッキリや、秋に枝先にあるドングリに産卵するシギゾウムシの仲間などが、幼虫の正体のようです。

というのは、私自身チョッキリやシギゾウムシについては時間を取って観察したことがないので、詳しくはわかりません(^^;) チョッキリやシギゾウムシは、大きな木の高いところで活動しているので、よほど気にしている人でないと目に入らない世界です。

ゾウムシだけではなく、ほかにも、蛾やキクイムシの仲間もドングリの中身を食べるようです。

ドングリを食べる虫については、こちらの方が詳しくまとめておられます。→ 「吉野・大峰フィールドノート」どんぐり図鑑 

 

今回は目に「見える程度の穴」を調べましたが、タマバチなどのもっと微細な昆虫もドングリに産卵に来ます。タマバチは種類も多いようですが、ドングリの実の中身をただ食すだけでなく、虫こぶを作る形で栄養を摂取するようです。

「すばらしいドングリの世界」ドングリに潜む奇妙な虫

参考になる本 

どんぐりむし (しぜんといっしょ 4)

どんぐりむし (しぜんといっしょ 4)

 

シギゾウムシのお話とハイイロチョッキリのお話が出てくる写真絵本です。最後に「どんぐりむしを飼ってみよう」というページもあります。 ドングリから出てきた幼虫を土に入れて、外気温と同じ場所に置いておくと、7月に成虫が出てくるそうです。

↓ シギゾウムシの拡大写真のページの一部をちょっとご紹介。この長ーい口で、ドングリに穴を開けます。

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ファーブル昆虫記 ぞうむし (科学絵本ライブラリー)

ファーブル昆虫記 ぞうむし (科学絵本ライブラリー)

 

 シギゾウムシの生態について、ファーブルおじさんが語りかけるように詳しく説明してくれる絵本です。

ドングリに穴を開ける様子や、幼虫が育つ様子が丁寧に描かれ、何時間も根気強く観察する苦労もがわかります。

 

どんぐりの穴のひみつ (わたしの研究)

どんぐりの穴のひみつ (わたしの研究)

 

個人の方が、ドングリを食べる虫について調べられたものをまとめた本です。私が愛読しているブログの先輩がこの本を勧めておられたので、今日ポチってみました。

おしまいに

うちの近所は、お子さんがドングリを持って帰ると、「ギャー!!捨ててきなさい!」というお母さんが多数派でした。

虫が気になるなら、お湯でゆでたり、冷凍したり、電子レンジでチンしたりすると、幼虫が出てくることはありません。(どれか一つをすればOK)

処理を忘れてうっかり虫が出てきてしまっても、毒になるような虫の可能性はほぼゼロだと思います。「ドングリ虫を食べる」という人もいらっしゃるようですし…。

 

今回の虫食い調査(?)からも、過去の私の経験からも、真ん丸いドングリは虫が出てくる可能性が高いです。

どうしても気になる方は、マテバシイやアラカシなどの常緑樹のドングリを使うといいかもしれませんね。

 

今回集めた虫食いドングリ、ふたつきのプラ容器に入れました。これから何がどのくらい出てくるのか、楽しみです。  

 

 

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