虫はともだち

虫の本の紹介、写真撮影、子育て、いろいろ…

子どもと虫とり おすすめの場所・おすすめの宿

子どもと虫とりを始めると、最初のうちは近所の公園や空き地ですが、だんだんもっとたくさん虫のいるところに行ってみたくなります。

もうそろそろ虫とりもシーズンオフの今ごろではありますが、私や虫とり仲間が行った場所を振り返ってみます。 来年、お役立てください(^^;)

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↑ 親水公園でお友だちとトンボ捕り。

ちょっとした私有地

よく出かけたのは、整備されたきれいな公園よりも私有地のちょっとした草むらや雑木林。適当に放置された場所で、不法侵入にならない程度に、お邪魔にならない程度に(^^;)、虫とりをさせてもらいました。

こういう場所は「採集禁止」とか、厳しい決まりもないので、汚したり、うるさくしたりして迷惑をかけなければ、楽しく虫とりできます。もちろん、ハチによる殺傷などは自己責任。

たまには地主さんにお会いすることもあるので、ていねいにご挨拶。 

近所の空き地や草むら、雑木林

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↑ お友だちと、近所の雑木林にカブトとノコギリクワガタを捕りに…。

街中の小さなスペースでも、意外にいろんな虫が見つかります。ただ、除草剤が大量に散布されている場所もあるので、「草が不自然に茶色くなっていないか」気をつけて。 

親子の虫とりは、近いところが一番です。時間帯や季節が変わると、いろんな生き物が見つかります。 

畑や田んぼのそば 

キャベツ畑のモンシロチョウ、ニンジン畑のキアゲハ、ミカン畑のアゲハ類は、農家の方にとっては害虫です。地主さんと仲良くなって「自由に入ってどんどん捕っていってね!」と、逆に頼まれて、たくさん持ち帰ったはいいけれど、エサが足りなくて困ったこともありました(^^;)

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 ↑ 里山公園の田んぼ脇で、水生昆虫探し。 

田んぼは生き物の宝庫です。自分たちで稲作ができるのがベストです。公営の田んぼなどで、親子で稲作に参加できるところもたまに見かけます。私たち親子は、4年間稲作に参加させてもらい、代かきから脱穀までの作業は大変でしたが、ザリガニ釣りからクモの観察まで、とても楽しく過ごすことができました。

 

ネット情報を調べて、周辺環境に恵まれた田んぼに出かけ、観察させてもらったこともありました。「ゲンゴロウミズカマキリモートンイトトンボ」などの希少生物と地名を併せて検索すると、環境のいい田んぼ地帯が見つかるはずです。

薪炭林 

クワガタを探すために、昔は薪を生産していたようなクヌギ林にも遠征しました。山梨方面は有名ですね。クワガタ探しのための薪炭林は、専門の本もたくさん出ていて、具体的な地名まで細かく書かれた地図が載っているものもあります。 

親子で遊ぶクワガタ採集大作戦

親子で遊ぶクワガタ採集大作戦

 

薪炭林では、シイタケ栽培をされている場合も多く、使用済みのほだ木が打ち捨ててある場所には、カブトやクワガタの幼虫がよく見つかります。樹液探しは昼間はスズメバチが集まっていて危険ですが、ほだ木ならハチも来ません。

有名産地を目指して行って、周辺をドライブしていると、手ごろな雑木林が見つかります。虫とりをしていると、同じ目的の人たちに出会うことも多く、子連れだとみんな親切におすすめスポットを教えてくれました。 

川や池

子連れの虫とりは、大きな川よりも、名前もないような小さな川の方が入りやすくて楽しめます。

私たちも、田んぼに出かけたついでに、キャンプのついでに、いろんな川に立ち寄りました。川岸の茂みを虫とり網でガサガサしたり、ペットボトルで作ったトラップをしかけておくと、いろんな水生昆虫や魚が入っておもしろいです。

のぞきメガネがあると、水底がのぞけて、子どもたちは取り合いでした。かさばるんだけれど、結局2つ購入しました。 

リーフツアラー のぞきメガネ RN-13 ブルー

リーフツアラー のぞきメガネ RN-13 ブルー

 

 川原はクワガタ捕りの穴場スポットです。ヤナギの木があったら、樹液が出ていないかのぞいてみてください。

市民の森や大きな公園 

どこの街にも、雑木林やため池が残った市民の森のような場所があるはずです。ルートマップが整備されていたり、雑木林も適切に管理されていて、生きものが豊富な場所が多いです。

初めての訪問するときは公園を一周していい場所を探し、次からはお気に入りの場所に直行しました。カブクワ狙いなら樹液の出る木の場所や堆肥置き場など。チョウ狙いなら、チョウが好きな花のあるところ、クロアゲハ類が周回する蝶道。セイタカアワダチソウやススキの茂みにもいろんな虫が見つかります。狙う虫の食草を調べていくのが近道です。特定の虫を狙わずに、知らない虫に出会えるのが散策の醍醐味ではあります。

 

ただ、こういう場所の難点は、「採集禁止」が多いこと。虫とり網を持って歩いているだけで、いろんな人に「ここで虫を捕らないでね」と注意されてストレスになります。

 

公園によっては、小さい資料館や体験館、斜面を利用した長い滑り台やアスレチックなどがあって、虫以外の楽しみもありました。 

 

子育て本やネットで、お近くの森の情報を集めてみてください。虫とりは道具や容器、着替えなど、荷物が多くなるので、駐車場がしっかりある場所がおすすめです。

momo Vol.7 あの子と森へ特集号

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教育目的で保全された森 

自然観察のために整備されたコース 

「〇〇自然観察の森」とか「自然観察コース」など、自然観察をする人を楽しませるための雑木林や草はらも各地にたくさんあります。博物館が周辺雑木林を管理して観察コースを作っている例もあります。

行政や企業が、景観目的ではなく環境保全を目的に、お金も人手もかけて管理しているので、多様な生きものが見つかります。その最たるものが東京電力が地域全体を保全管理している尾瀬ヶ原ではないでしょうか。

尾瀬まで行かなくても、みなさんのお近くにもこうした森はいくつもあるはずです。

観察会に参加 

こういう場所は、定期的に観察会が開かれますから、超初心者のうちは観察会に参加してガイドの後ろを説明を聞きながら歩くのもおすすめです。私も、子どもたちが就学前のころは、いろんな観察会に参加しました。その公園の中の生きものが多い場所がわかるし、生きものの探し方や見分け方を教えてもらえます。

ちなみに、こういう場所も「採集禁止」が原則です。

居心地の悪さも 

こういう場所は、虫とりに慣れてくると、必ずしも居心地のいい場所とは言えなくなります。必要以上に自然愛護精神にあふれた懐疑心の強いガイドが多く、「一般の親子連れはなんにも知らない」と思い込んで、要らぬお節介や身に覚えのないお叱りを受けることが多く、わが子たちは行きたがらなくなりました。

元々は生きものが好きで、その魅力を伝えたくてガイドになったお兄さんやお姉さんたちが、ガイドを続けるうちに「あれはダメ、これはダメ」ばかり言う人になってしまって、逆に子どもたちは森が楽しくなくなってしまい…。ガイドさん自身はどんなふうに思っているんでしょうね…。

よく、子どもを虫好きにするには自然観察の森のようなところにつれて行くのを勧めている文章を見かけますが、「金魚の糞のようにガイドについて回り、説明を聞くだけで、捕るのはもちろん触るのも禁止」な自然観察会に参加するだけでは、子どもたちに本当の楽しみを体感させるのは難しいのでは?

昆虫採集に強い宿 

昆虫に詳しい宿に泊まって、採集情報を聞いたり、採集や飼育のアドバイスをもらうのもおすすめです。ほかのお客さんとの交流も魅力です。

旅行社が夏休みになると宣伝するような、敷地内にカブトムシを放したり、カブトムシプレゼント付きという宿ではなく、宿の人自身が昆虫採集に詳しい宿がおすすめです。

ペンションファーブル 

長野県諏訪郡原村第2ペンションビレッジ17217−1653

オーナーはチョウの飼育の専門家。ペンションは、蝶屋さんのお庭らしく、飼育中の虫が逃げないように庭木にネットがかぶせてありました。

昆虫好きなお客さんが集まるので、オーナーやほかのお客さんと夜中まで虫トークをしたのがいい思い出です。「虫好きな子どものお母さん」というお客さんにも会えて、意気投合しました。蝶の採集や標本作成方法、標本の管理の仕方について、たくさんアドバイスをもらいました。

わが家の外泊は、基本的には会社の保養所や契約旅館ばかり。ファーブルにはどうしても行きたくて、あえて出費覚悟で出かけましたが、行った甲斐がありました。

他人任せではなくて、自力である程度真面目に昆虫採集に取り組んでいる人には特におすすめの宿です。

www.facebook.com

ペンションすずらん 

山梨県甲州市塩山上萩原4784

昆虫館があって、たくさんの標本が見られます。灯火採集の設備もあり。

私は、山で自力で灯火採集を企んだことがありましたが、ちょっとぐらいのライトとシーツでは虫は集まりません。専用の設備があるなんて魅力的!

この宿に泊まったことはありませんが、インセクトフェアで何度か標本を購入したことがあります。子どもの虫とりに理解のあるスタッフさんばかりでした。

p-suzuran.com

探鳥地

野鳥公園や探鳥地として有名な森なども、虫探しに適しています。

私たち親子は虫とりの延長で野鳥の観察もかじっていたので、有名探鳥地にも出かけましたが、意外にも、鳥よりも虫やクモの珍種に出会うことも多く、鳥そっちのけで虫探しに夢中になってしまうこともありました。

人が入るのでそこそこ管理されているところが、虫たちが生息するのに適しているのだと思います。

 

おしまいに

 上にも書きましたが、「希少生物の名前 〇〇県」と検索すれば、人様のブログや調査資料などがヒットします。「市民の森 〇〇市」や「里山」で検索するのもいいかもしれません。子どもが小さい頃は、そういう情報をもとに、当たりをつけていろんな場所に遠征しました。

 

虫とりに不慣れな子を連れて行くと、目的の虫が見つからないと不機嫌になって、親御さんからも後でクレームが来ますが、虫とりに慣れてくると、目的の虫がいなくても、ほかにおもしろい虫やクモや野鳥を見つけたりして楽しめる子になってきます。

 

子どもが少し大きくなったら、「〇〇昆虫愛好会」のような大人の団体に入れてもらえば、もう少し専門的な観察会に参加したり、勉強会に参加することで、情報が広がります。小さすぎる子は足手まといになるので、事前に問い合わせた方がいいと思います。

 

虫とりをやっていると、どこに行けばお目当ての虫がいるのか、具体的な地名を知りたいところですが、大勢の人が押しかけて貴重な生息地が荒らされるのを恐れて、良識的な人たちは具体的な場所までは表立っては教えてくれません。

愛好家の仲間との信頼関係を築いて、生息情報やノウハウの知識を広げていくしかないと思っています。

 

尾瀬のように有名な場所はその地区に特化した自然観察のガイドブックがあるので、出かける前に子どもの目につくところに置いておくと、見どころが事前にわかり、現地に行っても楽しめました。尾瀬は植物ばかりが注目されがちですが、虫好き・クモ好きにも大変魅力的な場所です。もちろん採集禁止です。

尾瀬自然観察手帳 (大人の遠足BOOK)

尾瀬自然観察手帳 (大人の遠足BOOK)

 

  

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