虫はともだち

虫の本の紹介、写真撮影、子育て、いろいろ…

OLYMPUS STYLUS TG-4 Toughで虫を撮る

長年使っていたコンデジが壊れそうなので、虫撮り用に新しいカメラOLYMPUS STYLUS TG-4 Toughを7月に購入しました。

虫撮り用のコンデジは10年くらいRICOH CXシリーズ一筋だったので、ただ今新しいカメラで試行錯誤しています。(リコーの愛用シリーズは生産中止になりました)

私の虫撮りは、「お手軽・簡単」がモットーです。カメラを改造したり、高い機材は使わないので、夏休みの子どもたちの虫の撮影にも参考になるかと思います。

f:id:mushitomo:20160808005201j:plain

お手軽虫撮りカメラに必要なこと 

何と言っても「マクロ機能」が充実していることが大切。

虫の近くに寄って、大きく撮れるカメラが必要です。「最短撮影距離」が短いカメラを選んでください。最近は最短0cmのカメラも出ています。

私の虫撮り装備

オリンパスのTG-4にフラッシュディフューザーのFD-1を装着して使っています。

 オリンパス公式サイトはこちら → 

STYLUS TG-4 Tough | 防水デジタルカメラ T(Tough) シリーズ | オリンパス

ちなみに、遠くの虫や飛んでいる虫を撮る時は、もう少し大きなカメラで撮っています。そのお話はまた別の機会に…。

f:id:mushitomo:20160807223846j:plain

ディフューザーFD-1」を使う理由はオリンパスのサイトやネット情報にいろいろ書かれていますが、私は、至近距離で撮る際にフラッシュの光が強すぎるのを減光する目的で使っています。

FD-1なしでマクロ撮影を試してみましたが、光が強すぎて白飛びしてしまいました。小さな虫に近づいてフラッシュで撮りたい人はFD-1は必需品です。

昔のカメラで備品としてディフューザーがない機種を使っていた時は、障子の紙を使って自作のディフューザーを使ったこともありますが、このTG-4には正規品のFD-1があるのだから使った方が効率的です。

LEDライトを利用したLG-1というリングライトもありますが、これは光量が足りなくて虫はきれいに撮れませんでした。さらに、フラッシュと違って、撮る前から光るので、虫がびっくりして逃げるように感じました。

LG-1も購入しましたが、すでにお蔵入りです。虫撮りには必要ありません。

近づき方で写真が決まる

f:id:mushitomo:20160807223856j:plain

便宜的にユリの花の奥にある花粉を撮る格好を子どもにやってもらいました。虫を撮る時も、こんな感じで、できるだけカメラを近づける必要があります。

一般的に、小さい子は虫を見つけると一目散に近づいてしまいます。撮影と観察のためには、落ち着いて慎重に近づくことを覚えさせなければなりません。

自分の目で観察できる距離までそっと近づいていったん静止。その後、虫の様子を見ながら少しずつ近づきます。

とにかくたくさん撮る

虫が逃げない限り、たくさん撮ってみてください。同じ角度で撮っても、ピントが合っていたりぼけていたりします。

木漏れ日が当たったり陰ったり、風が吹いたり、条件は刻一刻変わります。1アングルを何枚も撮ってみてください。

手を伸ばして撮る

ファインダーを見て脇を締めて撮るのがカメラの基本です。一番ブレないし、被写体も目で追いやすい撮影方法です。

でも、虫の場合はできるだけ人間が近寄らない方がいい写真が撮れます。コンデジなら軽いので、虫に手とカメラだけを近づけて撮ることが可能です。

虫が止まっている枝先が風に揺れるようだったら、片方の手で枝を持って動きを止めてからとるのがおすすめです。

虫の目玉にピントを合わせる 

f:id:mushitomo:20160807224024j:plain

観賞用としての写真 

虫の写真は、目にピントが合っていなければ、面白くない写真になってしまいます。

欲を言えば、虫がこちらにお尻を向けていないのが理想です。

記録用としての写真 

虫を記録するための写真を撮る場合は、後で種類の同定をする時のためにも、いろんな角度から撮っておく必要があります。横からや正面から、場合によっては腹の色などがわかる写真が必要。

上手に撮れたと喜んで帰っても、家に帰って図鑑を見ると「腹が黒いと〇〇で、腹が緑色だと〇〇」なんて記述にがっかりしてしまうこともありました。

虫が何かをしている時も撮影のチャンス。家に帰ってモニターで拡大したら、「こんなものを食べていた!」「産卵中だった!」などと驚かされることも。

TG-4のマクロ撮影サンプル写真 

「顕微鏡モード」で撮る 

上のユリの花、実際に彼が撮ったのがこの写真です。

TG-4の「顕微鏡モード」で撮りました。

このカメラでは、マクロ撮影のことを「顕微鏡モード」と表示しています。

f:id:mushitomo:20160807223930j:plain

深度合成の機能 

「顕微鏡モード」の中に、深度合成ができる機能があります。

小さいものを拡大撮影すると、被写界深度が浅くなって、どうして中心以外がぼやけて写ります。ロマンチックなイメージ写真ならばボケも素敵ですが、図鑑的な写真の場合は深度合成して全体にピントが合った写真の方が役に立ちます。

このカメラは、深度合成のマークを選ぶと、1回のシャッターでカメラが自動で何枚もピントを変えて写真を撮って、合成してくれます。

ただ、動く被写体には使えません。動く虫や風のある場所ではNG。

 

これは、ユリのおしべを深度合成した写真です。奥までピントが合っているのがわかりますか? 揚げパンみたい。

f:id:mushitomo:20160807224002j:plain 

こんなに大きく写せます

通常モードで撮るとこんな小さいアリとアブラムシが…。

f:id:mushitomo:20160807224040j:plain

 顕微鏡モードだと、こんなに大きく撮れます。トビイロシワアリです。

f:id:mushitomo:20160807224054j:plain

アカメガシワの蜜腺に集まるアミメアリもこんなに大きく撮れました。複眼や背中にある2本のトゲまで鮮明にわかります。f:id:mushitomo:20160807224113j:plain

 クサギカメムシの身体の模様もくっきり。

f:id:mushitomo:20160808001613j:plain

道端のエノコログサも…。

f:id:mushitomo:20160807224145j:plain

こんなに大きく撮れます。こんな構造になっていたなんて知りませんでした。

f:id:mushitomo:20160807224216j:plain

 

ただ、少し離れたところを飛んでいるチョウは、顕微鏡モードでは写せません。通常モードで撮って、トリミングしたのがこちら。

コンデジだから仕方がないのですが、このカメラはスリープからの立ち上がりやオートフォーカスが遅いように感じます。飛びものを撮るのは得意ではありません。

大人の写真としてはいまいちですが、子どもが撮った写真としては、このくらいなら及第点では?

f:id:mushitomo:20160808002035j:plain

おしまいに 

TG-4の売りは、「水中でも写真が撮れるコンデジ」ということですが、虫撮り業界(?)でもファンが増えているカメラです。水に強いのは、田んぼや川で水生昆虫を撮る時には助かりますね。

昆虫写真家 海野和男氏による「TG-4 + FD-1」 レビュー記事

 

この記事の写真は、最初の2枚(カメラが写っている写真)以外は、全てTG-4で撮ったものです。  

 

繰り返しになりますが、小さいものをマクロ撮影するときは、FD-1をつけてフラッシュ撮影をすると断然失敗が減ります。私は常につけっぱなしにしています。

OLYMPUS TG-4用 フラッシュディフューザー FD-1

OLYMPUS TG-4用 フラッシュディフューザー FD-1

 

 

このカメラには充電器がついていません。カメラに電池を入れた状態でUSBケーブルをつないで充電する仕組み。充電しているとカメラが熱くなって心配だし、予備電池も欲しかったので、充電器と電池のセットを追加で購入しました。

これは純正品ではありませんが、オリンパスのオンラインショップにも載っています。

 

 TG-5の後継機はこちら。

 

 

  

昆虫教室 (マンガでマスター)

昆虫教室 (マンガでマスター)

 

 

 

mushitomo.hatenablog.com 

mushitomo.hatenablog.com 

 

飛ぶ虫や鳥、スポーツなどは、LUMIXのFZシリーズで撮っています。

mushitomo.hatenablog.com