生き物(虫や鳥)の観察にお手軽動画が楽しい
ご無沙汰しております。
パソコンが故障したりして、ずいぶんブログから離れていました。
わたくしごとですが、遅ればせながら、クモや虫の写真だけでなく動画も撮るようになりました。
はじめは備忘録程度。やっているうちに静止画ではわからない魅力がたくさん見つかりました。
▲ゴマダラチョウの幼虫。かわいいから載せます。
今はスマホで簡単に動画を撮れますし、手のひらサイズのコンデジで小さな生き物のクローズアップ動画も撮ることができます。
お手軽撮影専門の私が動画を始めた経緯とメリットを書いてみようと思います。
クモの産卵を撮りたい
最初に動画を撮りたくなった理由は、トリノフンダマシの産卵シーンを残したいと思ったから。
このブログを読んでいただいた方はご存知と思いますが、私はクモの愛好家です(^^ゞ
なかなか出会えないシーンに遭遇すると、テンションが上がってしまって結局細部まで見られないことが多いです。とくに産卵や求愛などの動きのある場面では、後になってから「もう一度見直したい」と感じることも多いので…。
いつも使っている虫撮り用のコンデジは、小さい虫たちを超拡大することができるので、肉眼で見られない動きまで帰宅後に追うことができます。
▼去年の夏にお試しで撮ったクモの交接(結婚のこと)や産卵のシーンです。当時は公開することを考えておらず、気まぐれでぶつ切りなので、状況が分かるようにするために静止画もつけ足しておきました。
クモが網を張るところを振り返りたい
クモは種類によって毎晩網を張り直すものや、ジョロウグモのように一晩に半分ずつ張り替えるもの(天候などで例外はあり)がいます。
人間があんまり顔を近づけるとクモは作業をやめてしまうし、観察の後になってから網を張る手順を振り返りたくなることもあります。
本当は三脚のようなもので固定して最初から最後まで撮れるのがベストですが、手持ち撮影で一部を撮ってみるだけでも、肉眼では気がつかなかったことがわかります。
▼ゲホウグモは夜中に大変精緻な網を張って、明け方には撤収してしまいます。
数も多くはないクモですが、今年は写真を撮りやすい障害物がない場所で毎晩網を張ってくれた個体がいて、素人の私も動画で追うことができました。
「撮影対象の場所」って結構重要です。足場が悪いとこちらが困るし、茂みの中だとピントが合いません。
速い動きをゆっくり見たい
虫やクモは求愛や交尾の時に面白い動きをします。
小さい生き物の細かい動きは、肉眼で見ていてもなかなかよくわからないことも多いです(とくに老眼の人は)。
▼身近にいるジョロウグモの交接シーンを撮りました。
このクモはどこにでもいるし、交接の現場に遭遇する機会は意外に多いです。
ただ、顔を近づけるとすぐに離れてしまうので細かいことまでよく見えません。オスもメスに食われるかどうかの命がけですからね。
動画だとオスが触肢を震わせてメスに近づく様子がわかります。
20180905ジョロウグモの交接(昼間)Nephila clavata
私はまだ試していませんが、最近は普及版のカメラでもハイスピードムービーが撮れるものもあるそうで、それも使うことができればさらに新しい発見があるのかもしれませんね。
▼ホシホウジャクのホバリングが速すぎて写真でもうまく撮れないので、動画ではどうなのか、試してみました。
動画で撮ってパソコンソフトでスロー再生もしてみましたが、結局ぶれぶれ。カメラ機材自体の設定をスローにしないとだめなようです。
20181100ホシホウジャクのホバリング
昆虫や鳥のはばたきをハイスピードムービーで撮ると、新しい発見がありそうです。現実にそうした撮影をされている方も上級者ではたくさんいらっしゃいますが、「素人でも子どもでもできる」というのがポイント!
大きな動きをワイドで見たい
小さい生き物の細かい動きだけではなくて、ワイドで撮って生き物の群れなんかを追ってみるのも楽しいです。
▼秋にサギのねぐら入りを追ってみました。
南に渡るサギも多いので、9月下旬はサギの集団が最大になります。
今年はねぐらの場所がわからなかったので、友人たちとスマホ画像を共有しながらこの場所を突き止めることができました。年によってねぐらの場所が変わります。
本当はもっとダイナミックな動きをするんですが、場所が特定されそうなので問題なさそうな動画だけを集めました。
▼冬になってからカラスのねぐら入りも追いかけてみました。
近所の雑木林に夜中のカラスが増えたような気がしたので、夕方周辺を徘徊。
カラスやムクドリはねぐらに入る前に高い電線などに大群を作ります。いつも集団ができる鉄塔を見つけたので、600ミリ望遠で遠くからカラスたちの動きを撮ってみました。
鳥たちは私たちが思っている以上に遠くからねぐらに集まるようです。
カラスやムクドリの大集団は社会問題にもなっていますが、局所的な撃退を考えるだけではなく、どこから来ているのかたどってみるのもおもしろそうですね。
使用機材・おすすめ機材
立派な装備で撮影される上級者とは違って、万年初心者の私はお手軽撮影を目指しているので、いつもの機材で撮っています。まだまだ修練が必要です(^^ゞ
虫のマクロ写真はOLYMPUSのTG-4。望遠用はPanasonicのFZ200。
どちらも発売から年数が経っているので生産停止です。
もっと上級機種だと動画から静止画の切り取りも有効ですが、私の機材では期待薄。
虫のマクロ写真の後継機は…。
顕微鏡モードでアリのドアップが。ハイスピードムービーも撮れます。
昆虫写真家 海野和男氏が実感したTG-5の進化 | 防水デジタルカメラ T(Tough) シリーズ | オリンパス

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※追記
さらに後継機があります。

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TGシリーズはマクロ写真を撮る時はディフューザーが必須です。
代用品を自作する人もあるようですが、既製品の方が楽かな。
夜間のマクロ撮影の補助光にはこのライトを使っています。
カメラ用には明るすぎますが、離したり光を拡散して使えば問題ありません。小さい虫を探したり、遠くに不審者がいないかどうか確認するためにも、このくらいの明るさが必要です。

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動画共有のメリット
最近はみんながスマホを持っているので、サイズを小さくしてLINEで共有すれば言葉で説明するよりも伝わります。
何人かが同じシーンを撮っている場合、撮る人によってアングルが違うので、全部集めると現地では気がつかなかった発見もありました。動画は写真よりも個性が出るのかな。
短い動画ならTwitterに簡単に上げられるし、Twitter界はブログ界よりも旬の虫情報が断然早いと思います。利用者層が若すぎて私にはついていけませんが…。
どんどん進む動画業界。
「容量が足りなくて送れない」とか言っていたのがまだ最近なのに。
すごい時代ですね…。
おしまいに
最近感じるのですが、研究者やアマチュア観察者の方々は、新種や希少種を見つけたり遠征することに熱心な方が多いような気がしています。
動画をうまく活用すれば、すごい機材も、旅費もない庶民でも、身近な足元に十分楽しめる世界がまだまだあるみたいですよ。
お手軽撮影がモットーの私ですが、こういう本も買って読んではいます。
ネットや写真集でおなじみのすばらしい昆虫写真を撮る方々の秘訣が紹介されています。