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恩師に出す年賀状 先生たちの住所公開事情

今年は子どもたちが年賀状をついに一枚も(!)書かなくなりました。

友だちはスマホで「あけおめ」メッセージを送ればいいからとのことですが、先生にぐらい送ればいいのに…。ご縁を切りがたい先生方には、私から出しました。過保護です…(^^;)

私が子ども時代は学校の先生方は当たり前のようにご自宅の住所を公開するか、逆にまったく返信なしだったりでしたが、今は非公開で返信の先生が多いです。

今どきの先生への年賀状事情について、ちょっと考えてみました。

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先生との年賀状のやりとり 

わが子たちは小学校ぐらいまでは毎年担任の先生宛てに年賀状を出していました。

先生や学校によってさまざまですが、今までの先生たちは…。

  • 生徒全員に元旦に届くように出す先生
  • 生徒にもらったら、自宅住所を書いてお返事がくる先生
  • 生徒にもらったら、学校住所を書いてお返事がくる先生

こんな感じで、返事が一切来ない先生はいませんでした。

自宅住所が書かれた年賀状が来ない場合は、「来年は要らないよ」と言われているようなものですね。

わが子たちもあっさりしたもので、担任の年だけ年賀状を出して、翌年も出し続ける先生はほとんどゼロ。唯一3年間すごくかわいがってくれた(贔屓されてた?)担任の先生と、野球チームの監督には今も出し続けているぐらいでは?

女子だともっとマメに恩師に出し続けるのかもしれませんね。

自宅公表でスタンスがわかる 

腰掛就職な感じのお嬢さん先生やサラリーマン感覚のお兄さん先生などは、自宅住所を書かずに、学校の住所で年賀状が来ていました。

保護者としても「あー、割り切ってるなぁ」という受け止め。

大体そういう先生方に個人面談で踏み込んだ話をしようとしても「それは個人差がありますからね」「どの子とははっきりとはお答えできません」みたいな話になることが多く、こちらとしてもドライに淡々とおつき合いして一年経ったらさようなら。

 

唯一、例外の先生もありました。過去になにかトラブルにあったのか、個人情報について過剰に神経質になられている女の先生で。この方は自宅住所は教えてもらえませんでしたが熱血先生で、「プライベートは明かせないけれど、今この場でできることは手抜きせずに全力で取り組みたい」というスタンスで、潔さに逆に感心させられました。

Google時代の住所公開

今はGoogleで住所を検索すれば、ストリートビューで家の良し悪し、乗っている車から洗濯物まで見えてしまう時代ですね。怖い怖い。 

先生としてもクラス全員に住所を公開するのは、あまり気乗りしないかもしれません。まさか家まで押しかけるような保護者はいないと思いますが。

わが子も受け取った年賀状から先生のアパートを検索していました(^^;)

恩師への年賀状

ここからは、親である私自身の話になりますが…。

お礼として経過報告 

世間の皆さんは、学校の先生にいつまで年賀状を出し続けるのでしょうか。

私は、今でも続いているのは、小学校の水泳部の顧問の先生、大学の一般教養のゼミの先生だけになってしまいました。 

先生が真剣に向き合ってくださったせめてものお礼として、先生が種をまいてくださった私がどんな大人になったのかずっと伝え続けようと思って年賀状を出しています。

水泳部の先生 

なんとなく入っていた水泳部でしたが、先生の強力な指導でリレーでしたが市大会で優勝することもできました。

「おい、今度の区大会はお前はフリーで優勝しろよ」と言われて「えー、そんなの絶対無理!」と答えたら、先生が烈火のごとく怒りだして、その日の練習は全員中止になってしまったことがありました。謝りに行っても取りつく島もなく、みんなで市民プールへ。

私は、小学校中学年までは「自分なんて大したことはできない」と当たり前のように決めつけていた子どもでした。口が悪くて、優しい言葉なんて全く掛けてくれなかった先生。練習中にペースが落ちると素手やデッキブラシで殴られましたが、水泳部での成功体験はその後の人生で諦めない癖をつけてくれました。

大学のゼミの教授 

普通年賀状を出すなら専門課程のゼミの先生ではないかと思いますが(^^;)

一般教養の生物のゼミで、夏休みに高山に合宿に出かけ、植生遷移を学びました。合宿には奥様も同行されてアットホームな雰囲気でした。

私は家の近所の雑木林で遊ぶことが多い子でしたが、森林限界や植生の遷移を実際に見ながら説明を受けたことは、今のナチュラリストっぽい思考の原点になったような気がしています。

文系なのに、生物のゼミへの参加がこんな影響を残すなんて、当時は想像もしませんでした。

ほかの恩師には… 

本当ならずっと出し続けたかった恩師がほかにもいらっしゃいましたが、お一人は毎年返信がないうちに転居先不明になって、もうお二人ははどちらも40代で他界されてしまいました。

お一方は歳が近くて友だちのようだった高校の担任。もうお一方は大学の専門課程のゼミの教授で、早世されたことを惜しむ文章を今でもネットで見かけます。

お二人が亡くなられたのを身近で拝見していないので、今も学校に行けば「おう!」と気さくに出迎えてくださるような気がしてなりません。

それ以外の恩師の方への年賀状はなんとなくフェイドアウト

幼稚園の時の担任の先生にも40過ぎまで出していて、大人になっておかまバー(!)に連れて行っていただいたこともありましたが、お返事が途絶えました。

おしまいに 

学校の先生は、そのお人柄や子どもとの相性やタイミングによっては、一人の子に一生影響を与えるようなすばらしいお仕事です。

最近の学校はつまらない雑務に追われたり、モンスターペアレントに翻弄されたりして疲弊したり開き直ってドライになったりしている先生をよく見かけます。(ドライで適当な先生は昔もいましたが)

ブラック部活問題はニュースでも取り上げられるようになってちょっとは風向きが変わったかもしれませんが、まだまだ教師が聖職であるために改善できる余地はたくさんあると思います。(部外者のくせにお節介、ごめんなさい)

  

個人情報に関するルールもどんどん厳しくなり、先生方も大変ですね。 

穿った考え方をすれば、全員に年賀状をくださる先生は個人情報の管理が甘めなことになるのかもしれませんが、そんなことまで言うなんて。

必携!教師のための個人情報保護実践マニュアル―まず、おさえる編/学校行事編/実務編/資料編

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 大きな声では言えませんが、PTAをやっていた時に、個人情報の管理に厳密過ぎる先生とは仕事がスムーズに進まずに大変でした。悪意のある漏えいや重大な事故を起こすような漏えいはいけませんが、難しいところですね。