『アリの巣のお客さん』 アリに関わるいろんな虫をのぞいてみよう
アリの巣の中にいるアリ以外の生きものとアリたちの写真絵本というか写真図鑑です。
「アリのくらしに大接近」と一緒に発行されていますので、両方見るとおもしろいと思います。
アリと共生するいろいろな生きものが、美しいマクロ写真で、順番に紹介されています。一応子ども向けの本なので、漢字には振り仮名がついていますが、大人が読んでも十分面白いし、感動します。
ひとつひとつの説明が丁寧で、見開き2ページで1冊の絵本が作れそうな情報量です。
クロシジミ、ムモンアカシジミなどのアリに育てられる蝶、アリにお世話になるアリヅカコウロギやハネカクシ。アリヤドリとかアリヅカムシなんていうのもいるんですね。
アリやアリの育てているアブラムシに寄生するハチやハエ。
見つけるのも大変な小さい虫たちが、どんなふうにアリのご機嫌を取って、うまくやっているのか、大変な観察です。
どれほどすごい観察なのか、アリを飼ったり観察したりした子でないと、ありがたみがわからないかもしれません。
デジタルカメラが発達して、小さいものは大きく、速い動きははゆっくりと、観察できる時代になりました。すぐそばにいるのに気がつかない虫たちの生態の解明が、これから大きく開けていく気がします。