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公立高校受験の内申対策、過剰に恐れる必要はないと思う

久しぶりの更新で、この画面を開くのも随分ご無沙汰でした。

3月のわが家のダブル受験は、1勝1敗という結果になりました。

上の子は、希望の大学に行きたいのでもう1年修行。下の子は、無事上の子と同じ高校に合格しました。

 

今回は、地方にあるわが街での公立高校受験における内申点のお話です。

私の周りは、子どもが小さいころから内申を気にした子育てをする人がたくさんいました。2人の子の高校受験を終えてみて、みんながあんなにも気にしていた内申は何だったのかと疑問が残りました。 

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幼少期から内申を気にする子育て 

わが街や同じ県の友人を見ていると、まだ子どもが小さいうちから、将来の中学校での内申競争を視野に入れた子育てをしている人がけっこういるようです。

田舎なので関東や関西ほど私立中高の層が厚くない為、ほとんどの子が公立高校を目指します。少々お金に余裕があって、中学からの遠距離通学もいとわないという子は、私立に行きますが。

 

わが家は私立優勢の関東から引っ越してきたので、途中からの参戦(?)になってしまったのですが、引っ越したばかりのころに、のん気すぎる私を見かねてか、何人かの人が忠告してくれました。

「ピアノやらせてないの? 音楽大丈夫?」

「塾は早くから入らないと、後からじゃ入れないかも」

「虫とりなんかしてないで、お兄ちゃんの勉強見てあげたら?」

 

わが家は上の子は勉強が嫌いじゃないようだったので、小さいころからソロバンや塾に行かせていましたが、下の子はそういうタイプでもないので、親子で虫とりや野球に専念していました。

今振り返って考えると、夏休みの作文、紙芝居、自由研究などを親子でやったことが、習い事の代わりになっていたのでしょうか。

自分のいとこで音楽関係の人がいるのですが、「男のくせにピアノなんか」と長い間反対され、高校に入ってからやっとピアノを習い、理工系の大学に進みましたが、結局音楽を仕事にしたのを身近に見ていたので、無理にピアノをやらせる気もありませんでした。

内申に対して過剰反応?

習い事に忙しい親子たち 

音楽の点を取るためにピアノを習わせて、体育のために野球、美術のために絵画教室、英語はもちろん、書道、ソロバン、公文、作文…。この街の小学生で、公園で遊ぶ小学生はほとんど見かけません。

 

「内申点を上げるためには、野球やサッカーのような団体競技では個人名が出ないので、剣道やテニス、ゴルフなどの個人競技の方がいい。推薦にも役立つし…」という話も聞こえてきました。 

「あの先生につけば、中学で県大会まで行ける」とか「あの絵画教室は、夏休みの絵を先生が描いてくれる」「あの書道教室は、退会してからも中学の課題を手伝ってもらえる」なんてうわさも。

ほかの学区ですが、絵や自由研究は大学生の専門学部の子にお金を出して頼むという話もありました。

 

こういう情報は「意識の高い」お母さんたちの間だけで、あんまり表面に出ることもなく語り継がれていました。そういうメンバーが集まると、子どもの野球応援や授業参観そっちのけで情報交換。

 

母親である私自身は、3歳から水泳とピアノを始めて中学まで続け、書道や英語も習っていました。確かに内申には苦労しませんでしたし、大きくなってからダイビングや吹奏楽も楽しめました。

でも、自分の子たちには自由な子ども時代を過ごさせてやりたいと、わが子たちにはゆるゆるな子育てをしてしまいました。

 

これが私のやり方だから…と開き直っていましたが、今回の上の子の大学受験に関しては、完全に本人に任せっきりにしていた点は少々反省しています。(内申とは関係ない話なので、これは別の機会に…)

親が役職への立候補を促す

「生徒会役員や学級委員、部活の部長をやると内申点が上がる」という話もよく聞きます。熱心な家の子は、親に後押しされているのか、毎年立候補しています。

部活の部長も、かなりおかしな決め方だったこともありました。どうしてもやりたい子たち(おそらく家で言われているんでしょう)が、いったん決まった多数決に何癖をつけて覆し、結局自分たちが部長と副部長に。

 

私は中学生たちの中に入って雑談する機会が多かったのですが、子どもたち自身が「役員や委員は内申のためにやる」と当たり前のように口にしていました。

 

本来役員や委員は、みんなに信頼され慕われている子が任されるポジションであるし、そうした職務を全うすることで、人生経験にもなるはずなんですが、現実には、内申稼ぎのためにイヤイヤやって、周りの子たちも「点数稼ぎが好きなんだな~」という受け止めになってしまっています。

中には本当に人気者で役職についている子もいますが、親の顔が浮かぶようなタイプの子が多いように感じてしまうのは、私の勘ぐり過ぎでしょうか。

無意味な宿題も頑張る

公立中学だと、びっくりするほど無意味な宿題も出ます。漢字や英単語を何十ページも書くとか…。

そうした宿題に対する取り組み姿勢も内申点の対象です。「お利口」な子は、1回だけでなく、何回も書いて提出します。お母さんが、宿題の提出を表を作って管理している家もありました。

「こんなの簡単だから1回やるだけで十分!」という子は評点が悪くなります。

 

うちの子は毎回満点の計算ドリルを提出していても全然評点が上がらないので、わざといくつか間違えて、解説を長々と転記することにしたらドリルの評点が上がったと笑っていました。

 

無意味なことに耐えるのも社会人になるための訓練ととらえればいいのか。わが子の中学の評価のつけ方は、勉強を作業だと受け止めさせてしまう危険があるように感じます。

塾も子どもを煽る

通っていた塾では、中学になる時に、内申点を上げるためにあれこれ過剰に指導がありました。姿勢を正す、ノートをきれいに書く、ペン回しもあくびもしない、授業中に友だちに話しかけられても友情よりも内申をとれ…とか、細かいことを言われて、子どもたちが委縮していました。

 その影響か、中学に入って、別人のような真面目くんに豹変した子もいました。

 

問題になるのは、「反抗期全開で周りもびっくりな態度をとってしまう子」ではないかと思いますが、そういう状態の子には誰が何を言っても聞いてはもらえないでしょうね。わが家にもそういう子がいたので。

内申を勘違いしていない?

地方によって違うのかもしれませんが、みんな「内申点」について勘違いしているのではないかと思うのです。

 

お母さんたちは、少しでも偏差値の高い高校に入れようと、あんなに努力しているんだと思いますが、高校入試で主に関係してくる内申点というのは通知表の点数です。(県により、高校により事情はかなり変わると思いますが)

 

通知表の点数は、おもに、テストの点数と授業態度や宿題の提出などで決まります。宿題を何回も書いて出すのは通知表を上げるのに役に立ちますが、役員や委員は直接的には関係ありません。

関係あるとしたら、入試の当日点+内申点の合計点で上から並べて、ボーダーギリギリで同点が並んだ時にどの子を合格にするかの参考程度なのでは?

 

推薦で役員や委員経験が評価されると言われていますが、大体の子は、推薦で行ける学校よりも上の学校にチャレンジしているのが現状です。

ボーダーギリギリの判定のために、イヤイヤまたは適性無視で役員をやるよりも、当日点を1点でも多く取るために勉強した方がいいんじゃないかと思うのです。

内申点に取り組み姿勢を入れることの是非 

私が中学生の頃は、通知表はほとんどテストの点数でつけられていたと思います。体育や家庭科は実技でついていました。

いつごろから通知表に「取り組み姿勢」のような曖昧なものが入るようになったのでしょうか。

 

うちの上の子は全然宿題を出さないダメ人間だったので、テストで最高点を取り続けても通知表は3が続き、中学時代はほとんど投げやりな生活になっていました。

受験を意識するようになってから宿題を出すようになり、内申点はギリギリ揃えられましたが、危ないところでした。

 

学業成績がいいという理由で運動部の部長をやっていて、体育も部活の競技も得意ではないのになんとなく「運動できる印象」ができて、体育はいつも5という子もいました。

 

テストや実技の成績だけでなく、見えないものを入れ込むことで、子どもたちが先生の言うことを聞くようになって、先生たちが子どもたちをコントロールしやすくなるという意味合いはないのでしょうか。

 

また、いろんな習い事や役職をしてイメージを上げることは、あいまいな部分の得点カサ上げには多少役に立つのかもしれませんね。「あの子はできる子だから」と先生が思い込んで、不得意な部分も見えなくなる効果。

内申点を上げる裏技 

批判的なことばかり書いてきましたが、ママ友たちから聞いた裏技を…。

足りないところを先生に質問 

通知表を受け取ったときに「ガーン。こんなに悪い点…」と思う子は少なくないはずです。そういう時に、落ち込んでいてはダメ。

担当の先生に「あとどこを直せば内申が上がるでしょうか?具体的にやるべきことを教えてください」と質問に行くといいのだそうです。

具体的に指示を出してもらって、それをきちんとクリアしたら、先生の方でも次回の内申点を上げざるをえません。

 

私が生徒だったら恥ずかしくてとても聞けないと思いましたが、子どもたちはけっこう堂々と質問に行っているようでした。親が聞きに行くという家もありました。

自習ノートを出す 

これはわが中学だけかもしれませんが、どうしても内申が上がらない科目は、自習ノートを作って出している子もいたようです。教科書のまとめだったり、問題を解いたものだったり、中身はいろいろ。

全教科自習ノートを作って提出したという強者の話も聞いたことがあります。

 

下の子は、実技は自信があるのに5にならない体育の「まとめノート」を作って提出したようですが、結局5にはなりませんでした。

受験が終わっても、「なんで4だったんだろう」とブツブツ言っていましたが、何が悪いのか、事前に聞きに行けばよかったのに。

先生との距離を縮める

いつも質問に行ったり、授業中に積極的な態度を見せて、先生に好かれる努力をすれば、先生も人間ですから心象もよくなるはず。

 

個人意見ですが、親も先生と親しくした方が内申のためには有利なのかもしれません。ただ、「親しく」といっても、一般的な「仲のいい状態」ではなくて「見ていますよ!」という威嚇のような感じ。

やみくもに文句を言うモンペではなくて、先生が「あそこの子はきちんと対応しないと…」と感じるようなプレッシャーをかけておくのは効果があるのかも。高学歴でなくても、名士夫人でなくても、威圧感のあるお母様はいらっしゃるものです。

 

PTAをやると内申にいいとも聞きますが、私のように学校の下働きのような立場だったPTAでは、先生たちと親しくても子どもの内申には効果はないようでした。

 

↓ 内申点アップの秘策をまとめた本です。

私自身は中学時代内申美人でしたが、たしかに納得できることが書かれています。わが家の子たちは、なかなかうまく立ち回れませんでした。

通知表で「5」をとるための内申対策 - 中学生から読める! (MyISBN - デザインエッグ社)

通知表で「5」をとるための内申対策 - 中学生から読める! (MyISBN - デザインエッグ社)

 

 

おしまいに 

 音楽や絵画、スポーツを幼いころから楽しむのは大切だし、人生を豊かにするとも思います。ただ、内申を揃えるために、内申に有利な習い事や先生を探すのは、どうも違和感を感じていました。

 

「内申にいいからね」と、わが子にいろんな役職に立候補させるのは、子どもたちの人間関係のバランスが崩れて、違和感を感じます。

 

最大の違和感は、お母さんたちがあんなに頑張って内申対策をしていたのに、結局勉強の点数を上げるのが一番近道だったという事実。

 

習い事は、子ども自身がやりたいことに絞って思う存分やって、内申点を稼がなければいけない時期になったら本人がなんとか努力するのでは?

 

上の子は、部活を引退してから、いつもの部活のメンバーで井戸端会議をして、「美術の〇〇先生はこういうタイプの絵が好きだから」とか「数学の〇〇先生は自習ノートを作って出すと点を上げてくれる」とか、内申作戦を練っていました。

親の小言よりも、子どもたち自身から湧き出す力の方がずっとパワフルでした。

 

下の子は、部活を引退してから、塾の自習室を数学が好きな仲間たちで占拠して、夏休み中毎日通っていました。中学を越えた塾仲間のライバル意識が、結局受験の時までいい影響になって、みんな希望の高校に合格できました。

(個別指導のための自習室をタダで終日使って、塾の教材ではなくほかの問題集をやっていたことは、先生は気がついていたと思いますが、すみません…)

 

楽譜が読めなかった下の子も、ウンウン唸って音楽のテスト対策をしていました。ピアノの得意な子には到底かないませんが、「取り組み姿勢」も入れてもらえる通知表だから、なんとかなるものです。

上の子は、合唱練習の待ち時間にキーボードを触っていたら、片手なら耳で聞いたいろんな曲が弾けるようになっていました。楽譜は後付け。

なにごとも、本人がやりたい時がやり時ですね。

 

ちなみに、内申で苦労した下の子は、「ぼくの子が生まれたら、ピアノを習わせて帰国子女にする」と宣言しています。帰国子女にするにはキミが外国で働かなきゃいけないんだよ、できるのかな?

 

地方の公立高校受験はこんな感じです。こんな状態で、都会の中高一貫の子たちに勉強で戦いを挑もうというのですから、高校に入ってからが大変です。

 

参考図書

 ↓ 習い事三昧ではなく、基礎的な素養をつけるためにやっておくべきこと。

小学生の親が高校受験のために今からすべきこと

小学生の親が高校受験のために今からすべきこと

 

  

↓ こういう本を読んでいると、子どもに何かやらせなければならないと思ってしまうものですよね。難しいところです…。

だからピアノを習いなさい〜子どもの生き方が変わる正しいピアノの始め方〜

だからピアノを習いなさい〜子どもの生き方が変わる正しいピアノの始め方〜

 

 

 ↓ 習い事と受験勉強や学歴との兼ね合いを、実際の学生のインタビューを交えながらまとめてあるので、話がリアルです。

(121)習い事狂騒曲: 正解のない時代の「習活」の心得 (ポプラ新書)

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