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虫はともだち

虫の絵本や図鑑の紹介、写真撮影など、いろいろ…

初夏の野草のお花畑 やっぱり要注意な外来種が目立つ

 

5月なのに暑い日が続きますね。

暑くなる前のゴールデンウィーク前後に近所の空き地や田んぼ、川原で見かけた野草の群生の写真を集めてみました。

オオイヌノフグリホトケノザなどの春一番の花の次に咲く花々です。見てきたものを全部載せますのでどうぞおつき合いください。

 

普段は花に来ている虫ばかり撮っていて花全体を見逃しているので、今回はお花畑に注目して撮ってみました。どんな花かもわかるように撮ったので、よくあるイメージフォトのような素敵な出来にはなりませんでしたが…。

在来種への影響度合いで環境省の指定が出ていますが、今回は素人の私の独断と偏見で、ほかの植物をやっつけてしまいそうなものに印をつけてみました。

シロガネスミレ 

 4月から5月初めに近所の公園や田んぼで、一番よく見かけるスミレがこのシロガネスミレ。大量に集まっているので、最盛期にはうっとり。

アリアケスミレと迷いましたが、葉の角度が斜めに立ち上がっているので、シロガネスミレでいいと思います。

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わかりにくい写真ですが、こんな感じに広がっています。

田舎だから掘っていく人もいなくて、毎年一面に広がります。関東に住んでいたころは、タチツボスミレが花をつける時期になるとスコップで掘り上げた跡がたくさんあって、悲しかったです。

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これだけスミレだらけなので、当然ツマグロヒョウモンの産卵にも出会えます。地面を歩くようにして産卵する無警戒な蝶です。

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ヒナギキョウ 

わが街では4月の終わりから短い間だけ花をつけるヒナギキョウ。ひょろっとした茎の先に可憐な薄紫の花。もっと群生しているのですが、うまく写真に撮れません。

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マツバウンラン

空き地にも田んぼにも、いろんなところで見かけるマツバウンラン。これも可憐ではかなげな薄紫の花。 

マツバウンラン / 国立環境研究所 侵入生物DB

かなり繁殖力が強いですが、今のところは駆除などの指定は出ていないようです。

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ブタナ 

名前がよくないですが、茎が立ち上がって咲くのでタンポポよりも素敵に見えます。

ただ、これはかなり繁殖力が強いようで、放置された空き地なんかはこれ一色で埋め尽くされています。外来生物法の要注意外来生物に指定されています。

ブタナ / 国立環境研究所 侵入生物DB

※追記

要注意外来生物リストは、生態系被害防止外来種リストの作成に伴い平成27年3月に廃止されました。

要注意外来生物リスト | 日本の外来種対策 | 外来生物法  …追記ここまで

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見渡す限りブタナが広がる空き地。

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モモイロヒルザキツキミソウ

名前の通り、昼にも咲いているツキミソウ。これも繁殖力が強いようで、局所的に大量に咲いているのを見かけます。

これは空き地いっぱいに広がったヒルザキツキミソウ。遠くからも目立ちます。 

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アカバナユウゲショウ 

放置された空き地にまばらに広がっていたアカバナユウゲショウ。雑草化していますが、雑草としてはかなりきれいめです。

ユウゲショウ / 国立環境研究所 侵入生物DB 

 

16時時点のアカバナユウゲショウ。夕方から夜に咲く花だそうですが、まだ少ししか咲いていませんでした。

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ハハコグサとチチコグサ 

空き地や公園のちょっとした場所で、ハハコグサとチチコグサが花をつけているのも、この時期よく見かけます。

どちらもわが家の庭の常連でもありますが、小さいうちに草取りしてしまうので、こんな風に並んで咲いているのを見ることはありません。こういう古来からの草の花畑を見るとちょっと安心します。

 

ハハコグサと花の終わったマツバウンラン

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チチコグサは花が咲いても地味ですね。

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よく似た「ウラジロチチコグサ」もたくさん群生していますがこれは外来種

ウラジロチチコグサ / 国立環境研究所 侵入生物DB

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スイバ

望遠で撮っているので詳しくはわかりませんが、おそらくスイバ。なんでもない草ですが、新緑の川原で見るとけっこうきれいです。 

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カワラヒワがタネをついばみに来ていました。

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ヘラバヒメジョオン

これ、川沿いにずらっと咲いていました。ハルジオンかヒメジョオンのどちらかだと思って適当に撮ってきたら、どちらでもないヘラバヒメジョオンというのらしいです。

葉っぱが細くて鋸歯がないのがポイントかな。f:id:mushitomo:20170522231858j:plain

植物の写真を撮ってくると、思いの外同定が大変で手こずります。はぁ…。

ハルジオン / 国立環境研究所 侵入生物DB

ヒメジョオン / 国立環境研究所 侵入生物DB

ハルジオンもヒメジョオン要注意外来生物に指定されていますが、こちらの方が高山の在来種に影響して、よろしくないようです。

ヘラバヒメジョオン|環境庁|生き物地図ができました

 

ヒメウラナミジャノメの社交場になっていました。 

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キツネアザミ 

 ずっとノアザミだと思っていましたが、アザミ属ではなくキツネアザミ属で、ちょっと違うようですね。放置された畑に群生していました。

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アサツキ

畑の脇に群生していたアサツキの花。薄紫で、ネギ坊主よりもかなりオシャレな花です。川原にも群生しているのを見かけます。

きれいだから、うちの庭にもアサツキを植えてみようかな…。 

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ニワゼキショウ

空き地にも田んぼにも、わが家の庭でも見かけるニワゼキショウ。星形の花も可愛いし、コロッと真ん丸なタネもおもしろい花です。

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わかりにくいですが、場所によっては一面に広がっています。(これは実際の群生のほんの一部)

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オオニワゼキショウ

ニワゼキショウと同じような場所で見るかるオオニワゼキショウニワゼキショウよりもかなり背が高く20~30cmになるのに、花は小さくて地味です。

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オヘビイチゴ

畦に咲いていた黄色い花。これもずっとヘビイチゴだと思っていましたが、オヘビイチゴという近似種のようです。赤い実がならないのは草刈りのせいかと思っていましたが、オヘビイチゴだから実が赤くならないみたい。

花の形は一見区別がつきにくいですが、葉の形が丸いヘビイチゴとは違って尖っているのですぐに判別できます。

花だけでなく葉っぱも撮って調べてみないと、わからないものですね。 

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シロツメグサ

どこにでもおなじみのシロツメグサ。一緒に写っているのはジシバリとカワラニガナあたりでしょうか。田植えが済んだばかりの畦で。 

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ムラサキツメクサ

もう花も終わりですが、ムラサキツメクサも川原にたくさん咲いています。 

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ナズナ

休耕田ならぬ耕作前の畑にぺんぺん草がびっしり生えていました。 

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上から見るとこのくらいの密集ぶり。ほかの植物を寄せ付けない迫力。f:id:mushitomo:20170522231626j:plain

イヌナズナ

こちらは黄色いぺんぺん草。スズメノテッポウとの共演です。 

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ナヨクサフジ 

 これもずっと長い間クサフジだと思っていましたが、外来種のナヨクサフジという草のようです。 外来クサフジ - 環境省

土手や川原にかなり広い範囲に渡って紫の花を咲かせています。セイタカアワダチソウのようにアレロパシー作用があるので、ほかの植物を凌駕して広がっています。

近くで見ても、遠くから見てもきれいな花なのですが、これも要注意銘柄ですね。

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川原に広がるナヨクサフジf:id:mushitomo:20170524183903j:plain

かなり遠くからでも群落が目立ちます。

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ムラサキサギゴケとカキドウシ

田んぼの近くや湿った場所には、環境がいいと、ムラサキサギゴケやカキドウシの花が見られます。

これは隣り街の田んぼ脇で撮ったもの。わが街でほとんど見られないのは、除草剤の使い過ぎでは?

 

この写真、右端の葉っぱを見てカキドウシの花だと思って撮りましたが、なんと、カキドウシの花は赤い丸のものだけ。あとはムラサキサギゴケの花です。

カキドウシの花は紫の同色系グラデーション。ムラサキサギゴケは黄色い斑点がはいります。ほんとに紛らわしい。 

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キショウブ

ため池の脇に群生していたキショウブ。わが街で見かけるショウブはほとんどがこれですが、キショウブ要注意外来生物なのだとか。 

キショウブ / 国立環境研究所 侵入生物DB

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別のため池でも、見事でした。

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ハナショウブ

紫色のショウブは、うちの近所は少数派です。 

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アヤメ

こちらはやや乾いたところにあったアヤメ。これもお花畑というよりも一輪ずつぱらぱらと咲いていました。きれいだから記念撮影。 

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シロバナムシヨケギク 

私は「除虫菊」と教えられて育ちましたが、蚊取り線香の材料になる草です。

元々は土留めとして植えられたのかと思いますが、大きく広がってお花畑を作っているのを見かけます。

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夜に気がついたのですが、シロバナムシヨケギクは暗くなっても花びらを閉じないようですね。キク科の花は夜や曇りの時には花を閉じるものも多いので、意外でした。(19時ストロボ撮影)

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オオキンケイギク

行政から名指しで「駆除しましょう」と指示が出ているオオキンケイギクですが、道路際や中央分離帯にあふれかえるように咲いています。

オオキンケイギク / 国立環境研究所 侵入生物DB

 

道路沿いにずっと続くオオキンケイギク

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川沿いに続くオオキンケイギクの群生。

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野草のお花畑を撮ってみて

お花畑は外来種が多い

散歩していて、見事に群生している野草は外来種のことが多いようです。それもほかの在来種を駆逐してしまう勢いの要注意銘柄。

除草剤などで一気に除草した場所は、特に単一種類の外来種が広がっているように感じます。 

これだけ要注意銘柄がいろいろあると、駆除するように指示が出ても、わが家のように小さな庭じゃないんだから、あれもこれも取り去るのは実際には無理ですね。

 

広範囲に広がったお花畑は、ぱっと見はきれいですが、特定の生き物を呼び寄せる結果になっています。わが街は田舎なのに昆虫やクモの種類が少ないのは、植物の種類が偏っているせいではないかと思っています。

田舎の生きものは調べるのが大変 

都市の大きな自然公園などは、愛好者の方々のブログや図鑑サイトがあって、草や虫の名前を調べるのが比較的簡単です。関東にいたころは、よくお世話になったものです。

 

それに比べて、わが街のように観察者がほとんどいない田舎では、ちょっとした花を調べるのも大変。虫はいつも見ているからわりと早く答えが見つかりますが、野草の名前を調べるのにこんなに時間がかかるとは思いませんでした。ふぅ…。 

 

今まで「これだ」と思い込んでいたものとは違う種類の野草だとわかったものがたくさんあって、調べた甲斐はありました。

自己満足におつき合いいただき、ありがとうございました。 

 

↓  定額支払えば、図鑑読み放題になるようです。

植物コース年会費5000円。1ユーザーが3端末で利用可。出版社を飛び越えた複数図鑑を網羅。虫やクモのコースも出るといいのにな…。

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