クモが好き おもしろい形のクモ(1)
クモの中にも、可愛いものやおもしろいものもたくさんいます。あまり知られていない「怖くないクモたち」を紹介します。
「クモは怖くないよシリーズ」の始まり始まり。今回は真ん丸なクモを集めてみました。
トリノフンダマシの仲間
鳥の糞が葉っぱに落ちたような雰囲気から命名されたクモたち。7~9月に田んぼや雑木林沿いのススキ原を探すと見つかります。夜行性なので、昼間はお昼寝中で全然動きません。夜になると、グダグダの網を張って蛾を狙います。
トリノフンダマシ
これは本当に「鳥の糞」みたいに見えます。
丸い卵のうを吊り下げて守っています。昼間は葉裏でお昼寝。
夜になると、グダグダな形の網(同心円状円網)を張って蛾を狙います。
張りたてなのにこんなに間隔が粗くて、ゆるゆるな網。こんな網でもちゃんと獲物は捕まるようです。翌日見に行くと、クモのお腹が満腹でパンパンに膨らんでいます。
クモが蛾のフェロモンを出して蛾を呼んでいるという説もあるようです。
シロオビトリノフンダマシ
トリノフンダマシの仲間では、平地ではこれが一番普通種かもしれません。ほかのトリノフンダマシ類と同じように、ススキの葉裏に見つかり、夜行性です。
アカイロトリノフンダマシ
ちょっと標高の高い場所のススキ原を探すと、葉っぱの裏に隠れています。ぱっと見は、色合いも大きさもテントウムシみたい。
このクモは、クモが嫌いな友達に見せても「カワイイ~」と言ってもらえました(^^;)
タッパーに入れて刺激したら、動いてくれました。クモっぽくないでしょ?
オオトリノフンダマシ
田んぼや果樹園の脇のススキや樹木の葉っぱの裏に隠れています。大きな目玉の火星人みたい。これも、夜行性なので昼間はお昼寝。
たくさん卵を産んでお疲れのオオトリノフンダマシ。
卵のうをぶらぶらと吊り下げて、そばで守っています。赤丸が親。
ナゲナワグモの仲間
ナゲナワグモは「投げ縄」という名前の通り、一本の糸に粘球(べたべたに粘った玉)をつけたものを振り回して蛾を捕獲します。夜行性なので、私は捕獲シーンはテレビでしか見たことがありませんが(^^;)
トリノフンダマシ類とよく似た場所で見つかりますが、こちらはかなり希少種。
ムツトゲイセキグモ
六つのトゲがあるそうですが、この写真ではわかりにくいですね。レアなクモだし地味なので、見つけるのはなかなか大変です。これは、人に見つけてもらいました(^^;)
投げ縄を回して蛾を捕まえる動画はこちら →
ムツトゲイセキグモの捕食行動(2009.09.21) - YouTube
マメイタイセキグモ
「豆板」という和菓子に似ているからマメイタイセキグモだそうです。
これ、マメイタイセキグモのお母さんが卵のうを守っているところです。卵のうの下にしがみついているのが親グモ。かなりレアなクモですが、家の裏山のススキで見つかりました。
丸いクモつながりで、トゲグモ
トゲグモはトキトキがたくさんある不思議な形のクモ。
今まで紹介してきたクモたちとは違って、このクモは一般の人がイメージするような丸い網(正常円網)を張ってその真ん中に鎮座しています。ぱっと見はトリノフンダマシやナゲナワグモに似ていますが、生態は全然違います。
おしまいに
クモっぽくないクモたちをまとめてみました。一般の人がイメージするような形のクモは、クモの中でも一部にすぎない…と思います。
「クモに毒があって怖い!」というご意見もありそうですが、人間にダメージを与えるほどの毒があるクモは少ないですし、毒のある昆虫はたくさんいます。
クモのことを詳しく知りたくなったらこの図鑑がおすすめです。