虫はともだち

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つるや木の実を集めてナチュラルクラフト かご編みとリース作り

雑木林や道端でつるを集めて、リースやかごをお手軽工作してみました。

友人が「クリスマスリースを作りたい」と言っていたので、11月の終わりに一緒につるを採りに行きました。つるや実がたくさん集まったので、久しぶりにいっぱい工作。

今の時期、わが家の近所で見かけるかご編みやリースに使えそうなつるや木の実についてまとめてみました。

つるで編んだかご

今回作ったもの

 ナチュラルリース

クリスマスリース 

ツルウメモドキのクリスマスリース

毎年作っている自然素材のクリスマスリース。今年もかわりばえしませんが(^^;)

今回の材料は…、

mushitomo.hatenablog.com

 

◆ツルウメモドキのリース

ツルウメモドキのリース

ツルウメモドキを丸くリースの形にしただけのもの。

細いワイヤーで何か所か留めましたが、ナチュラルな感じにしたいので、元々の形にあまり手を加えないで作りました。

 

 

ヘクソカズラのリース

ヘクソカズラのリース

クズのつるを二重にしたものをリース台にして、ヘクソカズラのつるをいっぱい巻きつけました。かなりぐしゃぐしゃ(^^;)

ヘクソカズラは乾燥前はその名前の通り「屁糞」の臭いがしますが、葉が落ちて乾燥すれば臭いはまったくなくなります。

ざっくり編んだかご 

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クズとアオツヅラフジのかごを作ってみました。奥と手前右がクズで、手前左がアオツヅラフジ。

このぐらいのかごなら、剪定ばさみだけあれば、ツルを採った現地で簡単に作れます。つるを持ち帰って何日か放置しておくと乾燥してしまって、水に浸けて柔らかくする作業が必要になってしまうので、私はなるべく採って数日以内に編んでしまいます。

 

子どもたちが小さかったころは、野原で遊ばせておいて、お母さんたちはかごを編んで楽しんだこともありました。

 

簡単に作れるので、野遊びのついでにいかがですか?

縦の芯になるつるを5本用意します。(長いものを4本、半分くらいのものを1本)

こんな感じにセットして、細めのつるで2周くらい巻いて…。

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2周目以降は、縦芯ごとに「上→下→上→下」と編んでいきます。

子どもでもできる簡単なかご編みです。気をつけることは、ぎゅっと締めながら編んでいくこと。ゆるゆるに編むと、つるが乾燥するとすき間だらけになってしまいます。

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かご作りのわかりやすい動画がありました。

www2.nhk.or.jp

材料になる「つる」

 

冬はつる植物が休眠期に入るので、つる採集の適期です。 

かご編みを本格的にやろうという方は、つるを採集してから乾燥させて、使う前に水に浸してやわらかくして細工に使うのですが、私は野遊びの延長のかご編みなので、できるだけ採ってすぐに使います。

水に浸そうとすると、つるが入るような大きな容器が必要になるし、冬場は水が冷たくて大変でした。始めたばかりの頃、お風呂でつるを柔らかくしようとしたことがありますが、浴槽が汚れるのでお勧めできません(^^;)

クズ

クズのつるは、雑木林の周辺や空き地などどこにでもありますが、かご編みやリースに使いたいものは、太さがある程度あって乾燥していないもの。

 

↓ こういう、茂みに覆いかぶさっているものはダメ。

乾燥しているし、細くて曲げるとポキッと折れてしまったり、絡まり合ってほぐせなかったり…。リースやかごに使うとスカスカになってしまいます。f:id:mushitomo:20171203195318j:plain

↓ こういう地面を這っているまっすぐなクズのつるを探します。

クズは茂みやフェンスなどがあると巻きついて這い上がろうとするので、川原や空き地などの這い上がれるようなものがない場所のものを探します。

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↓ 今回、川原で引っ張ってきたクズのつる。まっすぐで適度な太さがあります。

あんまり太すぎるつるは使い勝手が悪いので、鉛筆ぐらいの太さのものを集めます。

かご編みをするなら、編み始めはさらに細いつるが必要になります。

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アオツヅラフジ

私が使う中で、一番扱いやすくて好きなのがアオツヅラフジのつる。

鉛筆よりもかなり細めですが、しなやかで強く曲げても折れません。

慣れてくると触った感じや生えている場所でアオツヅラフジだとわかりますが、慣れないうちは黒い実と葉っぱがついている時期に目星をつけておいて、葉が落ちる時期に採集に行くのがおすすめです。

クズやアケビが茂っている場所のそばの少し薄暗い所に多いような気がします。黒い実は可愛いですが、乾くとしわくちゃになります。

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↓ 今回採集したアオツヅラフジのつる。

クズは若いつるは折れてしまって使えませんが、アオツヅラフジはまだ緑色の細いつるもしなやかで折れません。

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ヤマフジ

ヤマフジは、綱引きの綱のように太いものから細いものまで、ぐしゃぐしゃに入り乱れていることが多いです。

そのまま使うには曲がり過ぎているものが多いのですが、リース台やかごの持ち手にするなら、水に浸して柔らかくしなくても使えます。

クズと違って、乾燥しても極端に痩せたりスカスカになったりしません。 

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 アケビ

葉が3枚のものと5枚のものがあります。

大量に茂っているものが多いのですが、クズやアオツヅラフジと比べるとつるが固くて、水に浸さずに使うとちょっと扱いにくいです。

私は採ってすぐに使いたいので、最近あまりアケビを使うことはなくなりました。  

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スイカズラ

水辺の近くでよく見かけるつる。どこにでもよくあるつるですが、乾燥すると皮がめくれます。

水に浸けて皮をめくり、中の白い芯を使ってかごが編めます。f:id:mushitomo:20171203184037j:plain

 

材料になる「実」

ツルウメモドキ

ツルウメモドキは黄色い殻に入った赤い実がたくさんつくつる植物。

日当たりのいい放置林で見かけます。雌雄異株で、ほかの木を覆い尽くして広がっています。上へ上へと伸びるので、私が見かける株は手が届かないような場所のものが多いです。 

↓ 放置林にはびこるツルウメモドキ(左)とカラスウリ(右上)、クズ(右下)。

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ツルウメモドキを使う時は、まだ実の殻が開く前の時期につるを採集し、開く前にリースにしてしまいます。開いてから触っていると、黄色い殻がぱらぱらと落ちてしまいます。

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リースともかご編みとも関係ありませんが、ツルウメモドキはミノウスバ(くまのプーさんのような黄色い毛だらけの蛾)の食樹です。初冬にミノウスバがこの木の周りを飛び交っているのを見かけます。

カラスウリ 

これも日当たりのいい放置林で見かけるつる植物。

家の近所はツルウメモドキの近くにたくさんなっていることが多いです。今年は秋の長雨のせいか変色しているものが多く、例年よりも不作でした。

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ヘクソカズラ

 雑木林や街中のフェンスでよく見かけます。

乾燥前は臭いですが、まだ葉が落ちる前ぐらいの時期に採集した方が、きれいな実が取れます。ありふれた植物ですが、葉が落ちるころにはぼろぼろになるので、状態のいい実がたくさんついているつるは貴重かも。

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サンキライ

クリスマス前になると花屋さんで花材として並ぶサンキライ(サルトリイバラ)。

雑木林でもよく見かけるつる植物ですが、雌雄異株のせいなのか、花屋さんの様に赤い実がたわわになっているのを見たことがありません。雌株でも、少ししか実がついていなかったり、変色していたり…。 

これは、ルリタテハの食草です。見つけると幼虫がいないか探すのですが、めったに見つかりません。ルリタテハはよく見かけるチョウなのですが…。

 

↓ 今回初めてたくさん実のついたサルトリイバラを雑木林で見つけました。

 これでも、花屋さんのものよりは少なめですが。 

※追記 これはサルトリイバラの近似種のサルマメなのかもしれません。葉の形がサルマメに似ています。サルマメはつるにならずに低木ですが、この株は2メートルはありました。サルマメとサルトリイバラの雑種?

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 松ぼっくり 

 わが家の近くでは、3種類の松ぼっくりが拾えます。

自然林として元から生えているアカマツ松ぼっくりは小さめ。

植樹されているテーダマツは大人の手のひらほどの大きな松ぼっくりですが、トゲがあるので扱いにくいです。(なぜ自然林を再生するのにテーダマツを植樹したのかについては、大いに疑問が残りますが)

 

松ぼっくりは落ちている状態では水を吸って閉じているものもありますが、しばらく外に干しておくときれいに開きます。

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公園などの公共施設に植えられているドイツトウヒも、手のひらサイズの大きくて軽い松ぼっくりが成りますが、拾う人が多いのでなかなか競争率が高いです。

台風や強風の後の朝に探しに行くと、たくさん落ちていることが多いです。 

ドングリ

 ドングリは雑木林に行けばいろんな種類が手に入りますね。

加熱や冷凍などの下処理をしないと虫の幼虫が出てくるのと、グルーガンでないと留めにくいのがちょっと惜しいところです。

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mushitomo.hatenablog.com 

 ノイバラ

川原などの日当たりのいい場所に群生するノイバラ。

赤い実は乾燥しても変色しにくいので飾りものに使えます。トゲがたくさんあるのでご注意。 

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ヤマノイモ

ヤマノイモの羽のようなタネも、花びらのようで素敵です。

時期が遅くなると、触っただけでパラパラと散ってしまいます。 

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 ヤマノイモは秋に黄色い葉が色づくととても美しく、雑木林でも目立ちます。

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 おしまいに

赤い実や色がきれいな実が成るつるや木はほかにもありますが、採集してドライにすると色が落ちたり、実がパラパラと落ちてしまうものが多いです。マンリョウやセンリョウ、ナンテンなど。

ここ数日晴天の暖かい日が続いて、久しぶりに時間をかけてつるや木の実探しを楽しむことができました。

 

余談ですが…。

リース作りには緑色や茶色の紙テープを巻いたワイヤーを使うのですが、近所の大型スーパーにも100円ショップにも置いていませんでした。ホームセンターには少しだけありましたが。

今まで実家でもらったものを使っていたのですが、こういうワイヤーは大きな花屋さんに行けば売っているんでしょうか?

 

 

里山のつる性植物 観察の楽しみ

里山のつる性植物 観察の楽しみ

 

 

編み材は購入することもできます。価格が高めですが、下処理がしてあってまっすぐで、編みやすいです。

 

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里山のつる性植物 観察の楽しみ

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  • 作者:谷川 栄子
  • 発売日: 2015/06/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

森のリース、森の恵み---植物の四季を暮らしに

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