虫はともだち

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理研の「科学道100冊ジュニア」で科学絵本を選ぶ

近所のスーパーの本屋さんの絵本コーナーの平積みは、いつも課題図書や推薦図書だとか、家庭学習用のドリルだとか、おもしろみのない(私にとって)ものばかりが並んでいます。いつもは平積みはさっさとスルーして奥の棚で新刊の絵本を物色するのですが…。

今回は、なんだか楽しそうな絵本や図鑑がいっぱい並んでいました。

「とうとうこの本屋も心を入れ替えたのか?」と心の中で見直していたら、隣りに「科学道100冊ジュニア」なる冊子が積まれていました。

 

今回は、読み聞かせをしていて感じる「科学絵本」についてのお話です。

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科学絵本が軽視されている 

科学絵本とは? 

科学と言っても、子ども向きなので、小学校低学年のおもに理科の導入になるような内容の絵本のこと。地図や歴史など社会の絵本も。

昔は福音館書店の「かがくのとも」が科学絵本の最先端でしたが、最近は写真やデザインの技術も進んで、さまざまな科学絵本が出てきています。

 

個人的な印象ですが、新しい科学の本は、最新のカメラ技術などに頼って、実は内容が薄いものも多いです。第一印象に騙されずに中身を見て判断する必要があるかも…。

 

▼「かがくのとも」の公式サイトを貼っておきます。

www.fukuinkan.co.jp

絵本はお話だけ? 

子どもたちはすっかり大きくなりましたが、私自身は今でも小学校の読み聞かせボランティアに出かけています。

絵本を選ぶためにボランティア同士で話をする機会も多いのですが、そこで感じるのが「科学絵本は絵本としては二流扱い」。心に訴えるものがある絵本がいい絵本で、ドキュメンタリータッチは質が低いという考え方。

 

いやいや、ドキュメンタリーでも心に響くものはあるはず!

 

大型書店や絵本専門店や図書館の児童書コーナーでも、お話の絵本がメインです。絵本を買うお母さんたちがお話絵本を求めるから、仕方ないことなのかもしれませんが。

 

せっかくいろんな科学絵本が出てきているのだから、もっと積極的に取り入れるべきだと思うのに、もったいないと思います。

文系のお母さんは科学絵本がわからない? 

学校で他のお母さんの読み聞かせを聞く機会もあるのですが、読み聞かせで科学絵本を選ばれる人は少数派です。

科学絵本を読んでいるのを聞いていても、読み手が内容を理解しないで読んでいると、子どもたちへのアピールも弱いようです。

「夏だからカブトムシ」という安易な理由で、ご自分はカブトムシに興味がないのに、カブトの絵本を「うわ!虫!気持ち悪いな~」という意識で読まれても、子どもたちの心にはハマらないように思います。

理系の専門家が選んだ科学絵本

今回本屋の店頭にあった「科学道100冊ジュニア」のパンフレットは、理化学研究所の協力のもとに選ばれた科学の絵本や図鑑の100冊。この10月からの企画。

店頭に並ぶ絵本が魅力的だったのは、このパンフレットに掲載されている本を並べたからでした。

 

パンフレットの最後に「「科学道100冊ジュニア」フェアへのご参加について」という記述があり、今回の試みは図書館や教育機関などを巻き込もうとする企画だそうです。この動き、もっと広がってほしいものです。  

 

▼パンフレットの目次はこちら。

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▼手元にパンフレットがない人も、サイトで見られます!

kagakudo100.jp

私のおすすめ

 店頭に並んでいた「科学道100冊ジュニア」のコーナーで、私が気に入ったのがこちら。ほかの本もどれも粒よりで、贅沢な立ち読み時間でした(^^;)

 

アンダーアース・アンダーウォーター: 地中・水中図絵 (児童書)

アンダーアース・アンダーウォーター: 地中・水中図絵 (児童書)

 

 地下と海中の様子がイラストで描かれています。大型の絵本で、まず絵の力が圧倒的。細かい文字でていねいな説明もありますが、イラストだけ見て行っても十分に楽しめます。

 

13歳までにやっておくべき50の冒険

13歳までにやっておくべき50の冒険

  • 作者: ピエルドメニコバッカラリオ,トンマーゾペルチヴァーレ,アントンジョナータフェッラーリ
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 野外活動の指導者が子どものうちにやっておくべき冒険を列挙して、やり方をアドバイスする本。

同じような本で子どもが体験するべき50の危険なこと (Make: Japan Books)

という本もあって、今回の100冊に入っていますが、そちらがちょっと非現実的なのに比べて、「13歳までにやっておくべき50の冒険」の方は、親としても是非体験させてみたいようなものがたくさん載っています。 

 

理系アタマがぐんぐん育つ 科学の実験大図鑑

理系アタマがぐんぐん育つ 科学の実験大図鑑

 

実験のマニュアル本はほかにもたくさん出ていて、私も子どもたちが小さいころは目につくところに置いておきました。この本は、個人的にはレイアウトが好み。

子どもが試してみたくなるような本です。

 

ファーブル先生の昆虫教室

ファーブル先生の昆虫教室

 

この本は以前からの私のお気に入り。新聞の連載を本にまとめたものです。

続編も出ています。ファーブル先生の昆虫教室2: 昆虫研究の楽しさ 

 

雪の結晶ノート

雪の結晶ノート

 

 雪の結晶の観察記録ノートのような内容です。ページをめくるごとに出てくる結晶の写真がとても美しくて引き込まれます。それをどうやったら見られるのかの説明があって、ぜひ自分も観察に挑戦してみようという気になります。

 

おしまいに

私は自分自身が文系だったので、わが子たちに適切な情報提供ができなかったことが残念です。とくに上の子の時は、自分が小さいころに好きだった世界観の絵本ばかり読んでいました。「ぐりとぐら」的な…。

自分が文系でも子どもの興味関心を敏感に感じ取って適切な対応のできるお母さんもいますが、大半のお母さんは自分の興味関心の殻の中にわが子を封じ込めているのでは?

 

最近の子どもたちは、習い事が多すぎて、肌感覚での科学の目を鍛える機会が少なくなっているような気がします。教えられたことを覚える練習ではなくて、事象を見て自分で考えて科学する時間。

 

小さい子向けのロボットやプログラミング教室があるじゃないか、というご意見もあるかもしれませんが、あんなのは大きくなってからでも十分間に合うんじゃないかな…。   

mushitomo.hatenablog.com