子どもの速読力を鍛える機会が減っている
子どもがお友だちと街の大きな本屋さんに寄って来たそうで、どんな本があったのか聞いてみたら…。
参考書を見に行ったようですが、速読術の本を見つけた話で盛り上がりました。「すんごいんだよ。僕もマスターする!」とのこと。
そういえば、下の子は本を読むのが驚くほど遅いです。テストの長文読解程度はできるようになりましたが、文字の海から必要事項を抽出する力がない…。
「すごい速読」までではなくても、ある程度速読や飛ばし読みができることは、文系でも理系でも必要な能力。便利過ぎる世の中で、普段から速読をする機会が減っているように感じます。
本屋の立ち読みと図書委員の経験
速読のハウツー本が書けるほどではありませんが、母親の私自身は本を読むのが速い方だと思います。
わざわざトレーニングしたわけではなく、今思うと、小さいころからの本屋さんでの立ち読みと小学校の頃の図書委員の仕事のおかげなのかもしれません。
自分の思い出話をちょっと…。
本屋での立ち読み
「本は何冊買ってもいい」という家だったので、暇さえあれば近所の本屋さんに通っていました。今でこそ本も大人買いしたりしますが、当時は子ども心に「1回に1冊」と決めていて、その日に買う1冊を選ぶために、何冊も念入りに立ち読みしていました。
大きくなってからも、どこかに出かけると帰りに駅前の本屋で立ち読み。
結婚して、約10年ぶりぐらいに当時通っていた本屋さんに子連れで行ったら、「あら、久しぶりですね~」と店番のおばさんに声を掛けられました。そんなに時がたっても忘れられないほど、迷惑な立ち読み客だったということですね(^^;)
今の時代は、立ち読みしなくてもAmazonのレビューを見れば大まかな内容がわかってしまいますね。わが子たちも、買いたい本があるとAmazonで確認しているようですし。
本屋の数が減っているし、小型店は雑誌や流行りの本ばかりで、大型店に行かないと良書や質のいい参考書が置いていないせいもありますが。
便利なのはいいけれど、自分で見て判断する能力が鍛えられない気がします。
ちょっと脱線しますが…(^^;)
本屋で立ち読みするとトイレに行きたくなる人が多いみたいですね。
上の子が幼稚園の頃、「便秘がひどくなると立ち読みに行く」というママ友がいて、その場にいたみんなが、トイレに行きたくなる件に激しく同意していました。
今検索してみると、「青木まりこ現象」という名前がついている! びっくり!
図書室に住んでいた
小学校の頃、たまたま学校の図書室の立ち上げの時期に在籍していて、2年間図書委員をやっていました。
ただの図書委員ではなくて、2年間担任だった先生が図書室担当だったのと、成り行きで、ほとんど授業に出ないで、図書室に一人でこもって書名カードや著者名カードを作っていました。
あれは今だと完全に虐待ですね。
あれこれ理屈をつけて図書室で作業をするように命じられていました。
先生がいなくても、淡々と内容を見て本を番号付けしてカードを作って整理していく作業は、本が好きな子でないと続きません。
自分としては楽しんでやっていたし、親が放任だったので、自分の子が授業に出ないでずっと図書室にいることに気がついていなかったし、気がついたとしても抗議しに行くような親ではありませんでした。
おかげで図書室にある本はほとんど目を通したので、飛ばし読みで内容を把握する能力はつきましたが、授業に出ていないので、自分が興味がない分野や算数が苦手になりました。
中学に入って学業の遅れを取り戻すために真面目に勉強するようになりましたが、安定して上位になるのに1年以上かかってしまいました。
調べ物は図書館だった
今どきは、学校で出る宿題なども、ネットで調べるのが当たり前になっているし、先生の方も当然ネットで調べてくると思っています。
私たちの頃は、図書館で該当項目が載っている統計や資料を探して、該当箇所をコピーしたりしていましたね。
上の子は高校の部活がお勉強系だったので、山のように本を借りて来て必要事項をピックアップする作業に追われていました。彼は元々本を読むのが好きなので、特に苦労もしていない様子でした。が、下の子は…(^^;)
普通に学校や塾の勉強をやっているだけでは、文字の海から必要な情報を抽出するスキルを鍛える機会がない時代になっているように感じます。
大人になってから
会社員をやっていたころ、有名大学を出ていても資料を読むのが遅い人や読めない(読むのをあきらめている)人が周りにたくさんいました。
山のように回ってくる社内資料の中に情報があるのに、読まないから誰かの意見に迎合したり、無駄に飲みに行って情報をもらおうとしたり…。「なんかアイデアない?」と聞いてくる上司もいました。
主婦になって家族のいる生活をするようになってからも、家のことや子どものことなど、調べもせずに暮らしているお母さんもたくさんいます。
家の設備が壊れたらすぐに業者を呼んで、子どもがアトピーでも特別な対応をしない…などなどなど。主婦はあまり神経質だとかえって家庭の雰囲気が悪くなりますが…。
ある程度読んで調べることをしないと、世の中から搾取されっぱなしになってしまう気がします。
速読本もいろいろ
↓ 「目的を達成するためにどう速読術をつけるか」という本の方が個人的には支持できます。
齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫)
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: 文庫
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↓ わが子のような未熟者は、速読が目的になっている本に惹かれそう…。
↓ 今回ハマった本はこれだそうです。
同じ著者の本で、目次が読めるもの。フォトリーディングの内容がわかります。
おしまいに
私の時代とは違って今はスマホで手軽になんでも調べられるから、快適な生活のためには検索能力を鍛えることの方が速読なんかよりも優先事項なのかもしれません。
でも、なにかを成し遂げようと思ったら、やっぱりある程度速読能力がないと困ります。
学校では、勉強は教えてもらえるけれど、速読は自分でなんとかしないとだめですね。速読が目的ではなくて、読書を楽しみながら自然に速読力が身につくのが理想なんでしょうけれど。
下の子にはいろんな本を提案してみましたが、なかなか読書の癖がつきません。あきらめていたら、最近「大学受験の合格体験記」を読み漁るようになりました。ちょっと微妙な気分ですが、まあ集中して読書できるのなら、それでも良しとしておきましょう…(^^;)