虫はともだち

虫の絵本や図鑑の紹介、写真撮影など、いろいろ…

子ども向け虫取り塾が必要なんじゃない?


小学一年生の虫取りをのぞいてきました。

読み聞かせをした後が総合の時間で、学年で緑地公園に虫取りに行くと聞いて、帰る方向なのでついて行ってみました。小さい子の虫取りにつき合うのはひさしぶり。

昔わが子たちと行った虫取りとはずいぶん違っていました。

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虫取りに慣れていない

私は、上の子が幼稚園のころから親子で虫取りを始めて、近所の子を連れて行ったりして、森や川や田んぼや、いろんなところに出かけました。

 

今住んでいる街では、「虫取り」と言うとカブトムシを探しに行くことだと思っている人が多いようですが、虫といっても数え切れないほどいろいろいます。オタクでない普通の子が狙いそうな虫を挙げてみても、カブトムシ、クワガタ、セミ、トンボ、チョウ、バッタ…。

 

今回は雑木林に囲まれた草はらに行ったのですが、多くの子はバッタとコオロギを捕まえて、その後は「なんにもいな~い」と言ってぶらぶらと歩きまわっていました。

最後までなにも見つからずにブツブツ言っている子も。

補虫網を振り回してコミスジ(蝶)を追いかけまわしたり。

 

チョウやトンボなどの飛ぶ虫を狙った経験があれば、飛んでいるところをじっと見守って、静止した所にそっと近づいて、網をかぶせて、逃げ出さないようにくるっと返す、というのは常識。チョウによって、飛び方やスピードも違うし、ルートも違います。

 

わが家の子やその虫友たちは、幼稚園のころから春一番にはモンシロチョウやアゲハをとりに出かけたし、初夏には雑木林で黒いアゲハ類が蝶道を周回するのを待ち構えていました。

そういうことをやる子は今どきはいないのかな? 

先生も一緒になって、フワフワと飛ぶコミスジを網を振り回しながら追いかけていました。じっと見ていればそのうち枝先に止まるのに。

 

先生たちが引率しているから、その程度の心得は子どもたちに教えるのかな、と思ったら、先生も一緒になって走り回っていました。微笑ましいと言えば微笑ましい光景でしたが。 

どこを探せばいいのかわからない

 せっかく雑木林に囲まれた公園なんだから、周辺の木を探してみればセミやアオマツムシがたくさん見つかるはずですが、草むらを走り回るばっかりで、「もったいないな」と思ってしまった私はオタクでしょうか。

 

ウルシやハゼもたくさん生えていたので、周りの木を網で叩くのはおすすめせずにおきました。桜の葉にはイラガやシャチホコガの毛虫もいっぱいついていたし。

どれがかぶれる木でかぶれる虫なのかも知らないんでしょうね。先生も。

 

「なんにもいない」「探して~」とついて来るから、「落ち葉をどけたらいろんな虫が走り出すよ」と言って靴で落ち葉をかき分けて見せたら、小さい虫が一斉に逃げるのを見て、「気持ち悪~い」と逃げて行きました。

確かに小さいゴキブリも混じっていましたが、雑木林をクワガタ探して歩いていたら、ゴキブリなんか普通に見かけるでしょ。

バッタとコオロギだけが虫じゃないのにね…。

 

バッタやコウロギを手で持てない子も多いようで、なんだか私が代わりに手づかみすることになったりして…。私が持ったら持ったで、「お母さんなのに、虫嫌いじゃないの?触れるの?」と不思議そうな顔をされたり…。

 

大きくなったジョロウグモの網を指して「あれはジョロウグモ。網がいっぱいあるでしょ? 1、2、3…」と網を数え始めたら、そこにいた数人は黙ってしまいました(^^;)

ジョロウグモの網が一つずつ丸い形になっていて、一つの網に中に大きなメスが1つと小さいオスが数匹止まっているのに初めて気がついたようです。 


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重なり合うジョロウグモの網

低木に希少種のクモ(トリノフンダマシ)がいたので、「網でめちゃくちゃにされたら困るな~」と心配していましたが、そんなところに虫がいるなんて考えもしないようで、だれも見にもきませんでした。じっと見ていると、大型のバッタ類やカネタタキも見つかる場所ですが、ほっと一安心。

 

雑木林だから、樹液が出ている木もありますが、こちらも当然誰も見に行く様子がありませんでした。昼間はスズメバチがいるから危険ですが、全然興味もなさそうで…。

 

なんだか、拍子抜けすることばかり。

 

6~7年前に親子でここに通い出した頃は、朝一番のカブトをめぐって近所の子と早起き競争をしたり、飛び交うウスバキトンボを捕まえようと、子どもたちが網を振ったりしていました。

子どもたちと虫取りに行くと、固定観念に凝り固まった大人の私が驚くような意外な虫がいろいろ見つかって面白かったのに…。

あれからそんなに経たないのに、子どもたちはこんなに野生がなくなってしまったのかな?

虫が好きなのは男子とは限らない 

私や友だちに捕まえてもらうことを期待して、他人の後ろをついて回っている子たちがいましたが、それが男子だったのにびっくり。

わが街は、読み聞かせしていても感じますが、女子の方が虫に対して強気だし興味があるようです。逆に虫が出てくる絵本に目も向けられないような女子ももちろんいますが。

 

友だちがバッタやコオロギを次々と捕まえていく中、「ぼくはもっとレアなのしかいらない」「トカゲとって」とついてくる子もいました。

カナヘビが欲しかったようですが、私が落ち葉を避けたり、朽ちた切り株を崩したりすることを教えても、私にやってもらうだけ。

 

おい、日本男児。大丈夫なのか?

道具はいっちょ前

 へなちょこな子がほとんどでしたが(辛口すみません)、ほぼ全員が補虫網を持ってきていたし、全員が観察箱を持ってきていました。

今どきは百円ショップで網も観察箱も揃いますが、コオロギとバッタをとるだけなら、帽子とペットボトルだけでもよくない?

あの日持ってきた網と観察箱は、あの後どうなったんでしょう。また虫取りに行く子がたくさんいるとは思えません。もったいない…。

その日にいた虫 

私が普段通っているフィールドなので、どんな虫がいるのか大体わかります。

子どもたちが簡単に捕まえていたのが、コオロギ類とオンブバッタ。小さい子は視線が地面に近いので、大人が見逃してしまうような地面の虫は簡単に見つかるようです。

 

よく探せば捕まえられるはずなのに…と思う虫たちは。

ショウリョウバッタ、ツチイナゴ、イボバッタ、サトクダマキモドキ、ツユムシ類、アオマツムシ、アブラゼミツクツクボウシ、カマキリ類、カメムシ類、カナヘビ、トカゲ…。

チョウは、ツマグロヒョウモン、コミスジ、キチョウ、ヒメアカタテハルリタテハ、ホウジャク類はいつもいるはず。

トンボも、シオカラトンボ、ヒメアカネやマユタテアカネ…。たくさんいたウスバキトンボはもう見つからなくて、アキアカネは、ここではまだみたい。

 多すぎて、全然挙げきれません。

 

一般の人は嫌いかもしれないけれど、クモ類は探せばいくらでもいます。

 

その日はセイボウ(青い宝石のようなハチ)も飛んでいましたが、だれも気がつかないようなので、黙っておきました。

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カクレミノの花に来たオオセイボウ

虫取り塾が必要?

いきなり虫取りに行こうと言っても、

  • どんな虫がどんな場所にいるかという予備知識
  • どうやったら確実に捕獲できるか
  • 危険生物や危険植物はなにか

初めての子には、いろいろ大変そうですね。

 

じっと見ているだけじゃなくて、草や落ち葉をかき分ければ何かが見つかるはず。何度か通っていれば自然に覚えることです。どうしても特定の虫が欲しくなると、幼稚園生でも、幼虫がつく食草も覚えます。

が、それを教えてくれる先輩のお兄さんや大人もいないようです。

 

時々小さい子の虫取りについてくるお母さんを見かけますが、ほとんどのお母さんが子どもが網を振っている間にスマホを見ています。LINEで連絡してるの? ゲーム?

 

「虫取り塾」でも作らないと、虫取りが子どもたちの遊びからなくなってしまいそう。 

 

 でも、よそのお子様を連れて行くということになると、虫に刺されたり怪我をしたりしたら責任問題になりそうだし、服や靴を汚して帰ると、不機嫌になるお母さんが多そうで、ハードルが高いです

 

ちなみに、ほかの都道府県では昆虫館や博物館主催の虫取りや標本作りの指導がありますが、わが県でそういうイベントを見た記憶がありません。買ってきたカブトムシを大量に木に放して子どもたちに捕まえさせるイベントは虫取りとは言えません。

 

「〇〇自然の森」のような保全された里山に行くと、どこも虫を捕獲するのは厳禁。捕らなければわからないことや持ち帰って飼ってみてわかることは、たくさんあります。

おしまいに 

今回は、虫取りとは言えないような虫取りタイムでしたが、授業で虫を捕まえに行く時間をとって、捕まえた虫を持ち帰って観察するという機会を作ってもらえただけで、ありがたいことなのかもしれません。

この緑地公園にも「虫や植物を持ち帰ってはいけません」という看板が立っています。先生頑張りました!  必要悪だと思います。

 

わが子の時は、「虫がかわいそうだからとっちゃダメ」「学校では飼えないから虫は持って帰ってね」という担任の先生もいたので。

 

言ってもらえれば私が虫取りにつれて行ってあげるのに…、と思いますが、きっと今の子たちは習い事に忙しくて、虫取りなんかに行く暇はないんでしょうね。

遠出しなくても身近にこんなに緑が溢れているのに、普段はがらんとしていて誰も遊んでいません。 まことに、もったいない。