虫はともだち

虫の本の紹介、写真撮影、子育て、いろいろ…

夜の散歩で虫探しが楽しい季節です 自由研究の昆虫観察にも…

猛暑が続いて、昼間に虫探しに行く気力が全然湧きません(^^;)

最近は犬と一緒に夜の虫探しを楽しんでいます。子どもを迎えに行くついでに、犬を用心棒に雑木林のそばを歩きます。夜になるとスズメバチも巣に帰るし、蚊も出ないので、昼間に行くよりずいぶん楽です。

おばさんですがいちおう女ひとりと小型犬1匹なので、雑木林の奥には入りません。道沿いを探すだけ。

夜の8時か9時くらいになれば、十分いろんな虫が観察できます。LEDライトを持って、お子さんとご家族と出かけてみませんか?

最近夜の散歩で見かけた生き物たちをまとめてみました。脱線もちょっとあります。 

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↑ 街路灯のそばでセミの幼虫や抜け殻がたくさん見つかります。

樹液に来る虫を探す

 夏の虫探しの定番の樹液に来る虫探し。昼間のうちに樹液が出る木を探しておいて、夜出掛けてみると、昼に樹皮の下に隠れていた虫たちが表てに出てきています。 

わが街では、今年はドングリの木を掘り進んで樹液を出すボクトウガの幼虫の活動が盛んなせいか、樹液の出ている木はたくさんありますが、どうも虫たちの集まりがよくないようです。

 

▼ コクワガタとしては大きめの個体。昼とは違って夜は堂々としています。

ちなみに、うちの裏山にはクワガタはコクワしかいないようです、ノコギリに会えると嬉しいんですが…。カブトムシの出現時期も遅く、例年7月下旬です。

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▼ 同じコクワガタでもメスかと思うくらい大あごが貧弱なのもいますね。

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▼ コナラの樹液に来たフタモンウバタマコメツキ。大きいコメツキを見るとついパッチンをやってみたくなります。

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セミの羽化を観察する

わが街の今年のセミは羽化が遅いようで、最近になってやっと少しずつ見かけるようになりました。ニイニイゼミクマゼミの鳴き声は聞こえるんですが。

 

わが家の近所で見られるのはアブラゼミの羽化だけですが、夜行くといろんな街路樹でがんばっているのが見られて楽しいです。

個人的な印象ですが、街路灯のそばの木の方がセミの幼虫もぬけがらもたくさん見つかります。

街路灯のそばの木に成虫が集まりやすく、そこで産卵するケースが多いと思われます。さらに、羽化する時も、同じ木の中でも街路灯に近い明るい場所でする例が多いです。幼虫も明かりが好きなのかもしれません。

 

▼ 夜11時、ケヤキの木でほぼ羽化が完了したアブラゼミ。ぬけがらからちょっと離れたところに止まっています。

よく見るとぬけがらの中はアリだらけでした。まだ白いセミにもアリがちょっかいを出そうとしていましたが、セミ自身が足で払っていました。

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▼ 上のアブラゼミを拡大。

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▼ 夜9時半、アオギリの枝を登っていたアブラゼミの幼虫。

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▼ 上の幼虫を捕まえてみました。アブラゼミの幼虫でこれだけ泥だらけなのは珍しいと思います。

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▼ お顔をさらに拡大。幼虫も成虫も口吻にあるストローを木に突き刺して樹液を吸います。

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ストローは丸い筒状なのかと思ったら、板を筒状に巻いたようになっていますね。

文ちゃんのタイニー・カフェテラスというサイトに電子顕微鏡の写真がありました。

筒状の部分からさらに針のようなものが出るようです。自由研究でセミの口吻について観察するのもおもしろそう。

 

▼ 夜9時40分、木の幹に止まっていたアブラゼミ。よく見るとストローを幹に刺しています。夜なのに食事中?

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▼ 上のセミのストローを拡大。固い幹にどうやって刺すんでしょうね。

蚊のストローからヒントを得て痛くない注射針を考えた人がいるようですが、セミのストローを真似したら、固いものにさせる針ができそうですな。

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▼ これは朝7時の写真ですが、前日羽化したばかりのアブラゼミ。まだぬけがらと一緒に茂みに隠れていました。

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mushitomo.hatenablog.com

 

夜網を張るクモを探す

昼間は隠れていて、夜になると網を張るクモも多いです。夕方出かければ、網を張っているところが見られるし、夜に行けば完成した見事な網が見られます。(真っ暗になってから網張りを始めるクモもいます)  

オニグモ

絵本にも出てくるクモ界ではそこそこ有名(?)なオニグモですが、今の時期は日が落ちてから網を張るようです。曇りの日とか高原のロッジなんかだと日中も張っていたりするので、気温や日照の強さなどが関係しているのでしょうか?

 

▼ 夜9時半、水場のそばのサクラの木にあった大きなオニグモの網。 

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▼ 別の日夜10時の同じ網ですが、撮り方をちょっと変えて背景も入れてみました。

クモの網を撮るのって、難しいです。夜でも風で揺れるし。LEDライトでクモと網に光を当てながらフラッシュを使って撮るのですが、その兼ね合いが難しい。

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私事ですが、去年それまで愛用していたLEDライトとコンデジが壊れたので、両方のバランスがいまだによくわからず、試行錯誤中です。

LEDライトの照射範囲が狭く(1カ所だけに強い光が当たる)てもダメだし、光が弱すぎてもダメ。コンデジのフラッシュが弱くてもダメ。コンデジの画角が狭いと網全体が入らない…。

サツマノミダマシ

こちらはわりとどこにでもいる普通種のサツマノミダマシ。昼間は草の間に隠れていて、日没ごろに割と大きめの網を張り始めます。

 

▼ 夜11時、カシの木から地面にかけて張っていたサツマノミダマシの網。獲物が掛かったところが網目が崩れていますね。 

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▼ クモ本体はこんな感じのきれいな緑色。なにか食べているところです。食事中じゃないと、このクモはすぐにこしき(網の中心部)から離れて隠れてしまうので、チャンスでした。

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▼ こちらも別の日夜11時の同じ網。サツマノミダマシなどこういう大きな網を張るクモは風通しのいい場所に張るので、網がたなびいてぶれるのでカメラ泣かせです。

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トリノフンダマシ類

鳥の糞のような変わった模様のコロッとしたクモです。昼間は葉っぱの陰に隠れていますが、夜になるとゆるゆるの網を張ります。

田舎だと、道沿いのススキなどにいる場合もあるので、夜に雑木林の奥に入らずにお手軽観察をしたい人には向いているクモだと思います。

 

▼ 昼間に見たトリノフンダマシ。昼のうちに観察しやすそうな場所の個体を見つけておいて…。

これは以前に撮った写真です。今年は道沿いにいる個体はまだ見つけていないので。

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▼ この日は夜8時にこんな感じの網を張っていました。

天気や湿度などに左右されるようで、毎日のように見に行っても、ほかのクモのように同じ時間に同じ形に張るわけではないようでした。

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明かりに来る虫を探す

 虫は光に集まる習性のあるものが多く、街路灯や門灯に集まっているのを見に行くのも楽しいです。季節やその日の天気によって顔ぶれが変わるので、毎日見ていても飽きません。

 

▼ 夜9時、門灯に来た虫を集団で襲うハリブトシリアゲアリ。

明かりに飛来してじっとしている虫を、次々に集団でやっつけて解体。恐ろしい…。

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▼ 夜9時、街路灯に来た女王アリ。たぶんトビイロケアリではないかと思います。

アリの結婚飛行があった日は、門灯や街路灯周りを羽アリが飛び回ってにぎやかです。

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▼ グランドの照明の下のテントに来た羽アリたち。この何十倍も来ていましたが、ほとんどがオスアリでした。何アリなのか、ちょっと不明(^^;)

もっといろんな虫が来るのかと楽しみにしていましたが、アリとアミガサハゴロモが大量に来ているだけでした。

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▼ 今年は久しぶりに夜の電灯に来た女王アリを捕まえて飼ってみました。

クロオオアリは結婚飛行の後に自分で翅を食いちぎりますが、このアリ(たぶんトビケ)は翅つきのまま産卵を始めました。

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▼ こちらは捕まえたときから翅のない女王アリ(たぶんトビケ)を飼育容器の裏から撮影。

トビイロケアリは女王が複数で巣を形成すると書かれたのを読んだことがあったので、こちらはちょっと大きめのプラ容器(キムチの容器)に女王アリを3匹入れました。3匹のうち、このアリだけがどんどん卵を産んでいます。f:id:mushitomo:20170723184335j:plain

トビイロケアリは大量に飛ぶし、結婚飛行の日も多いように思います。いつもこの段階までの飼育は順調に行きますが、無精なのでトビケの働きアリを見たことがありません(^^;)(^^;) 

 

▼ 手抜きですが、わが家のアリ飼育の話です。

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▼ 夜11時、街路灯の隣りの街路樹に来ていたミヤマカミキリ。

珍しい虫ではありませんが、わが街では初めて見ました。これも明かりに来る虫。とにかく大きくて迫力があります。f:id:mushitomo:20170721193834j:plain

▼ ミヤマカミキリのお顔を拝見。シロスジカミキリのようにキイキイとうるさく鳴きませんでした。強そうな大あごです。

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▼ 夜11時、門灯に来ていたアオドウガネ。これは成虫も幼虫も、園芸の敵。成虫は植物の葉をかじるし、カブトムシの幼虫を小型化したような形の幼虫は植物の根っこを食べつくしてしまいます。

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▼ 夜8時半、街路灯に来ていたアオカミキリモドキ。

光の当たり加減ではとてもきれいな虫ですが、体液にカンタリジンという毒があるので、気安くつかんでつぶしたりしないように注意が必要です。

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門灯には大小さまざまなガも集まります。今年は門灯のガも数が少ないようです。小さいものはたくさん来ましたが、めぼしいものが見られなかったので、今回の記事では省略します。

 

爬虫類も油断している? 

▼ 夜11時、これなんだかわかりますか?

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▼ 上のお顔拝見。カナヘビがこんな不自然な体勢で熟睡していました。ライトの光を当てても、至近距離で写真を撮っても、眼を開けたまま動かず。

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▼ 脱皮中なのかと思って背中を見ても、そうでもなさそう。

指先で突いたら、やっと気がついて舌をペロッペロッと出しながら逃げていきました。

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▼ わが家の周辺は毎年門灯の周りにヤモリが見られます。夜は門灯や壁に張りついて、獲物を狙って堂々とスタンバっています。

今年は1匹も見ないな…と思っていたら、やっと今日8時、姿を見かけました。

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カマキリの目は夜は黒い

▼ 夜9時、庭にいたカマキリ。カマキリは夜になると目が黒くなります。(これは以前撮った9月の写真。7月現在の今はまだ幼虫です) 

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他の虫の目は黒くならないのか、黒くなる様子を観察した自由研究のサイトがありました。→「虫の目の色をさぐる」静岡のあすなろ塾のサイトより

おしまいに 

 子どもが遅い時間に帰ってくることが増え、今年の夏は夜の散歩に出かけることが増えました。車で迎えに行けば良さそうなものですが、本人にもいろいろあるようです。

 

同じ時間に帰ってくる子でも、塾まで車でお迎えのお宅もあるし、最寄り駅まで車でお迎え、全然ノータッチ…など、家庭によってさまざま。

夜は自転車を車に積んで持ち帰り、翌朝は子どもが自転車で、というお宅もあります。大きいワンボックスカーが当たり前になって、送り迎えもどんどん進化していますね。 

 

 ▼ 以前に書いた記事です。こちらは、今回のようなお手軽虫見ではなく、子どもを連れて雑木林の奥まで行く話です。

mushitomo.hatenablog.com  

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