虫はともだち

虫の本の紹介、写真撮影、子育て、いろいろ…

梅雨時の野草のお花畑(6月)

  

西日本の大雨は被害甚大なようで、ご苦労はいかばかりかと思います。

今年のわが街は雨が少ない梅雨でした。

前回の5月の野草お花畑の観察をやってみて新鮮だったので、今回は第2弾として、6月に近所の空き地や田んぼ、川原で見かけた野草の群生の写真を集めてみました。

いつも虫の写真ばかり撮っていて、花はついでに撮るだけです。知っているつもりの花でも、写真を撮って家に帰ってから調べてみると、知らなかったことがいろいろと出てきました。  

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ヤナギハナガサ(三尺バーベナ) 

園芸店ではバーベナ・ボナリエンシスという名前で売っている背の高いいかにも洋風な植物です。三尺バーベナは通称で、和名はヤナギハナガサ。

私が子どものころは全く見かけませんでしたが、この街ではあぜ道や川原、開発中の空き地などに大量に群生しているのを見かけます。

 

▼ あぜ道にあふれるように咲くヤナギハナガサ。

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▼ 近づくとこんな感じ。よく似た植物にアレチハナガサというのがありますが、そちらは花つきが少なくて、葉のつき方が違います。わが街周辺ではヤナギハナガサがほとんどで、アレチハナガサを見かけたのは一か所だけでした。

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▼ 花穂をよく見ると、小さい花の集合体です。 

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▼ 花が咲き進む前の状態の花穂はこんな感じ。

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▼ 川原にも群生しているのをよく見ます。

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▼ 開発のために更地にした空き地にもよく群生しています。

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▼ うちの庭のヤナギハナガサ(庭全体としてはもっとたくさん咲いています)。

バーベナボナリエンシスとして園庭店でタネを購入して増やしたつもりでしたが、知らない人から見たら、ただの雑草だらけの庭ですね(^^;) チョウに大変な人気で、アゲハやツマグロヒョウモンが毎日来ます、というかツマグロヒョウモンは庭に住んでいます。

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ワルナスビ

お花畑というよりも大群生として目についたのがワルナスビ。咲いている場所では、どこも周囲一面がワルナスビだらけでした。

 

▼ 生産緑地の中で繁殖していたワルナスビ。

作業中のおばさんに伺ったら、根も深く、地下茎でつながっていて抜くこともできないし、手袋をしていてもトゲが刺さって、どうしようもないのだとか。切れた根からも新しい芽が出るのだそうです。 悪い茄です。

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▼ 川原に広がっていた薄紫色のワルナスビ。f:id:mushitomo:20170708112703j:plain

▼ 同じ川原ですが、こちらは花の色が真っ白。トゲだらけ。

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▼ 茎だけではなく葉の裏にもトゲがあります。

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わが街では6月下旬から緑色の実ができます。

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▼ 実はこの後黄色く色づきます。おいしそうですがソラニンという毒があるので、食べられません。

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ノボロギク

これから咲くのかと期待していても、結局花びらをひらかないノボロギク。わが街周辺では、どこにでもあるわけではありませんが、あるところにはぎっしりと広がっています。12月にも咲いているのを見かけたので、「6月のお花畑」に入れてしまうのは問題があるのかもしれません(^^;) 春から秋まで咲く花のようです。

 

▼ 作物を植えていない畑がノボロギクで埋め尽くされていました。 

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▼ 同じ畑です。すでに綿毛になっているものも。

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ハキダメギク

こちらもノボロギク同様に、残念な感じの花が咲く残念なネーミングのハキダメギク。今回調べてみたら、コゴメギクというそっくりな花もあるようです。

 

▼ 茎に毛がびっしりついているのでおそらくハキダメギクでいいと思います。花が満開なのに、この状態。

昔庭で咲いたこの草を放置していたら、翌年かなり広がってその繁殖力に驚いたことがありました。 

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▼ あぜ道にびっしりとハキダメギクが続いていました。

ここにはたくさんありましたが、私が近所でハキダメギクを見たのはここだけです。

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ノビル 

春に野草採りの時に見るノビルは、わりとびっしりと生えている印象がありますが、花穂はばらばらと立ち上がっていました。

 

▼ 川原で咲いていたノビルの花。

花が終わった状態なのかと思ったら、中心部は花にならずムカゴになるものが多いそうです。今回見かけたノビルはみんなこんな感じでした。

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▼ こちらは、別の川原で見つけたムカゴ少なめの花穂。

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ドクダミ

ドクダミは実家の庭にもたくさんあって、勝手に生い茂る印象の植物ですが、わが街ではドクダミが茂っている場所は探さないと見つからない状態です。土質が合わないのかな?

 

▼高架下の日陰の湿った場所にあったドクダミ。 

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▼ 同じ場所ですが、見事にドクダミ天国。

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ハルタ

タデというと秋の花の印象がありましたが、春に咲くというか、春から咲き続けるタデもあるのですね。

 

▼ 作物を作っていない畑に茂っていたハルタデ。

ハルタデは葉の中央に黒い斑紋があるものが多いそうですが、どの写真を見てもここのタデには黒斑はありませんでした。 

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▼ 同じ場所で撮影。本来80センチ程度の草丈だそうですが、ここは環境が合ったのか、1m近いものが畑一面に生えていました。

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モカタバミ

園芸用に植えられたものが野辺にも広がっているようで、この街でも、あたりをピンク色にしてしまうほど茂っているところを時々見かけます。

 

▼ あぜ道に広がっていたイモカタバミ。

わが街のイモカタバミは、真夏はいったん休んで、また秋から咲くようです。温暖化が進む前は、一年中休まず咲いたのだとか。

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▼ うちの庭のイモカタバミが広がり過ぎて困ったというお話です。

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ムラサキカタバミ 

モカタバミと違って、繁殖力も花の佇まいも控えめなムラサキカタバミ。雑木林や畑などの半日陰で咲いているのを見かけます。

子どものころ、この花が庭に咲くととてもうれしかったのを覚えています。雑草としては珍しくきれいな花色だし、ドクダミユキノシタのようにはびこる感じがないところが好きでした。

 

▼ 竹林に沿ってムラサキカタバミがたくさん生えていました。 

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マンネングサの仲間

マンネングサの仲間は、調べてみるとかなりいろいろあるようで、今回初めて知りました。素人が見たら全部同じ植物に見えてしまうけれど、身近なマンネングサだけでも何種類もありました。

 

▼ 庭先に苔のように広がるマンネングサ。調べたところオカタイトゴメではないかと思われます(たぶん)。

花のない時期は、遠くから見ると和風庭園の苔のように見えます。 

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▼ 上のオカタイトゴメを拡大。

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▼ こちらは、近所の空き地のコンクリートの隙間から顔を出していたコモチマンネングサ

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▼ 上のコモチマンネングサ(この同定は自信あり)を拡大。葉のつけ根に珠芽(ムカゴ)ができます。赤い丸印の部分。

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 ▼ 上の空き地のすぐそばにあった、メキシコマンネングサ(右)とオカタイトゴメ(左)。メキシコマンネングサの花期は春なので、6月上旬で既に満開。オカタイトゴメはまだ咲く気配はありませんでした。

こんな至近距離で3種のマンネングサが混在するものなんですね。混血ができたりしないのかな?

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▼ これは6月に川原沿いで撮影。まだ花が咲いていませんが、ツルマンネングサのようです。

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▼ 川原のブロックの擁壁に延々と広がっていたマンネングサ。これ、ツルマンネングサよりは葉が短いし、オカタイトコメよりは葉が長いし。なんでしょうか? いくら調べてもわからない…。あんなにたくさん生えていたのに。

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▼ 上の不明マンネングサを拡大。

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マンネングサについて見分け方を書いたサイトもいろいろあります。

マンネングサに似た仲間  マンネングサいろいろ

「マンネングサと言えばメキシコマンネングサ」とずっと思い込んでいました。子どものころ母親に教えられて以来、勝手に。

ちょっと近所のマンネングサを覗いてみるだけでこんなにいろいろ見つかるなんて、かなり驚きです。

 

マンネングサは多肉植物なので、草抜きをしたものを放置しておくと、枯れずにその場所で元気に育ってしまいます。庭のマンネングサ(今となっては正確にはなんだったのか不明)を根絶させるのも、かなり年数がかかりました。その繁殖力を活かしてビル緑化に利用されているんだとか…。

 ヘラバヒメジョオン

うちの近くの田んぼや川原はヘラバヒメジョオンが優勢ですが、ちゃんと見ているとハルジオンやヒメジョオンもそこそこ生えています。

ハルジオンに似た仲間

今回はこの点については深追いしませんでした。わが街のどの部分にどれが多いのか、今後の課題に残しておこうと思います(^^;)

 

▼ 川原に広がっていたヘラバヒメジョオン。ハルジオンやヒメジョオンと比べて葉っぱの存在感がないので、私としては3種の中で一番可憐に見える花だと思います。 

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▼ 花びらの細さはヒメジョオンに似ています。

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おしまいに 

今年の6月に見かけた雑草花畑をまとめてみました。

花期の長いシロツメグサのように、引き続き咲き続けているものは今回は除きました。

住宅街と近所の田畑や川沿いしか歩いていないので、前回5月の花畑と同様に外来種やら要注意銘柄の植物が多いです。

バーベナボナリエンシスはチョウを庭に呼ぶために長年育ててきましたが、タネが広がらないように気をつけた方がよさそうですね。

不明種 

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どうしても名前がわからない花がありました。

黄色くて、草丈は50cmぐらい。川沿いにたくさん咲いていました。近所の空き地でも見つけましたが、園芸種が広がったものでしょうか。かなり存在感のある植物です。ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけるとうれしいです。 

※追記2018.6.

この草の正体がわかりました。

セント・ジョーンズ・ワートというヨーロッパに自生するハーブ。うつ病などに効果があり、海外では医薬品扱いですが、国内ではサプリとして流通しているようです。

セイヨウオトギリ - Wikipedia

この後ほかの地域でも広がっているのを見かけました。

注目され始めたのが遅いので今はまだ問題になっていないようですが、かなりの繁殖力なので、今後雑草化して在来植物を駆逐する可能性がありそうです。

------------------  追記はここまで

参考書籍 

雑草散歩の本は今はたくさん出ています。自宅に昔購入した分厚い植物図鑑がありますが、散歩用に要点だけまとめられた本の方が調べやすいし、「次はこの花を探してみよう」という気も湧きますね。

今は虫で調べることが多いので、花の本は本屋さんで立ち読みで失礼しています(^^;) 

雑草手帳:散歩が楽しくなる

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散歩で見かける草花・雑草図鑑

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ポケット版 雑草さんぽ手帖

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色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑

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