虫はともだち

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レンタルペットというビジネス ドラマ『ブランケット・キャッツ』の原作もレンタル猫の話

今の犬を飼い始めたころは、テレビのペット番組を楽しんだりもしましたが、最近はほとんどのペット番組を最後まで脱落せずに見ることができなくなりました。飽きたとかではなく、なんとなく違和感を感じて…。

 

先日、久しぶりに見たペット番組で「レンタルドッグ」の体験レポートをやっていました。犬をレンタルするビジネスがあるって、それまで知りませんでした。

そして、今NHKでやっている連続ドラマ「ブランケット・キャッツ」の原作もレンタルキャッツのお話…。(ドラマではレンタルではなく里親探しという設定に変えていますが)

今回は、「レンタルペットは犬や猫にストレスで不自然じゃないの?」というお話です。

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写真は無料素材ACさんより

レンタルドッグの体験レポート  

ペット番組を見ていると、「赤ちゃんわんこ、赤ちゃんにゃんこ、きゃ~かわい~♡」という内容が多いようです。日本はペットショップで「目が合って一目ぼれ」でペットを購入する人が多数派のようだし、番組のスポンサーも大手ペットショップだったり。

 

先日見た番組の中でやっていたのがレンタルドッグの体験レポート。

特別番組 わんにゃん大事典 | BS11

ミュージシャンの男の子(PrizmaXの島田翼くんというらしい)が1週間チワワをレンタルして、どんな生活になるのかを密着取材。その島田くんは一人暮らしではなくて実家暮らし。

 

リビングのカーペットで何度も粗相をしてしまうチワワ。即席飼い主の言うことなんか聞く耳持たず。散歩に連れ出しても、全然動かなくて、おやつで釣って、やっと意思疎通ができるように。

チワワだけでお留守番をさせてみたり、山あり谷ありでどうなることかと心配でしたが、最後はとてもなかよしになれました。

 

で、返却の日。結局チワワをレンタルショップに返すのですが、島田くんは別れがつらくて涙がぽろぽろ。初対面のチワワを根気強く手なずけて、最後は涙いっぱいの演出もできて、芸能人としては立派な仕事ぶりだったと思います。最後は涙で締めないと、プロディーサーとかに叱られたりするのかな、と穿った見方をしてしまう…。

 

見ていた私は、このあと狭い檻の中に戻されて、次のお客さんを待つ吉原の花魁みたいなチワワのことが気の毒になってしまいました。(そういう人に売れ残りの犬を引き取らせるのがお店の作戦なのかもしれないけれど)

せっかく島田くんとの生活に慣れて、いろんなところにも連れて行ってもらったのに、かわいそうなチワワ…。

 レンタルドッグたちは「お仕事だから…」って割り切れるの? 私だったら、チワワと別れる悲しみよりも、チワワのこれからが気の毒で泣けてくる…。

 

盲導犬のパピーウォーカーが訓練に送り出すために愛犬と別れるシーンをテレビや映画で見かけますが、あの涙とレンタルドックとの別れの涙は、だいぶ違う気がします。

レンタルドッグというビジネス 

ネットで調べてみると、犬をレンタルさせてくれるお店は全国にたくさんあるようです。わが家の周辺にはほとんどありませんが、都会にはたくさんあるようで。やっぱり都会は住環境が厳しいからなのでしょうか。

 

番組に出ていた島田くんのレポートは1週間のレンタルでしたが、日帰りや1泊、1週間など、いろいろと期間も犬も選べるようです。

生き物だから、もしも病死したら医師の診断書、事故死などの場合は買い取れるぐらい高額な金額が請求されるようです。預け金が必要だったり、いろいろ。

住宅展示場なんかで客寄せのためにやっているお散歩イベントもレンタルドッグに入りそうですね。

 

どんな場合に利用するのか?

  • 犬を飼う前の予行練習として
  • 犬アレルギーが出ないか、購入する前に試したい
  • ペットが飼えないので、せめてお散歩させたい
  • 普段世話ができないので、週末に同じ犬をレンタル

いろんな人がいるようです。

 

それぞれもっともな理由です。

たしかに私も、室内犬を初めて飼う時は、室内で犬を飼っている友人たちに暮らしぶりを聞きまくりましたし、子どもたちにアレルギーが発症しないか心配で、ご近所のプードルと遊ばせてもらったりもしました。

わが家の愛犬に置き換えて考えると

環境変化がストレス

わが家のトイプードルがヘタレなのかもしれませんが、私が長時間外出するとストレスで手足の毛をむしってしまうし、トリミングに預けた後は明らかにぐったり疲れています。

あまり疲れた様子なので、トリミングサロンを替えたりもしましたが、最近はトリミングは自宅で私がやるようになりました。(お金もかからないし…)

レンタルドッグは、訓練や慣れで環境変化にストレスを感じなくなるの?

慣れない人に任せたくない 

被毛を長くしているせいもあって、私以外の人が散歩に行くと、必ずお尻にう〇んちをつけてきます。お〇しっこで手足が臭くなることも。 

私と一緒の時は道路をまっすぐ歩きますが、ほかの家族と一緒の時は草むらや街路樹に頭を突っ込んで、葉っぱだらけで帰ってきます。リードを引っ張りまくり。 

週末に別の家族が世話するだけでも、汚れたりしつけが行き届かなくなるのに、飼い主が度々替わっても大丈夫? 慣れない飼い主に怪我をさせられたりしないの?

犬を飼う醍醐味は、心でつながること 

犬を飼っていてよかったなと思うのは、かわいい見た目に癒されるというよりも、長い時間を犬と暮らすことで、家族と犬が心でつながることができること。

私は、トイプードルが好きで犬を飼い始めたけれど、今は「トイプードルじゃなくてうちの犬が好き」なんです。

 

以前子どもたちがまだ自覚がなかったころ、「なんで!」とか「勉強しなさい!」と叱っていると、自分が叱られているわけでもないのに、子どもよりも犬の方が神妙に小さくなって、笑ってしまったこともありました。

数日のレンタルで心がつながることってできるのかな? 

『ブランケット・キャッツ』はレンタル猫の話だった 

ドラマの内容 

先週からNHKで始まった『ブランケット・キャッツ』という連続ドラマ。

www.nhk.or.jp

「亡くなった奥さんが飼っていたたくさんの猫たちの里親を探す話」と思って見ていたのですが…。

主演は、奥さんが飼っていた猫を大事にしている家具職人役の西島秀俊。相変わらずイケメンだし(若いころはもっとかっこよかったのに、世間の若者たちはそれを知らないのがもったいない)、向かいで動物病院をやっている吉瀬美智子との掛け合いも自然。お話もハートフルでとても素敵なドラマだと思います。

ドラマの原作 

ドラマを気に入ったので、原作の重松清の同名の小説を読んでみました。 

ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

 

 最初のページをめくったところから、びっくり。

基本の契約期間は三日間ー二泊三日。

(中略)

買い取りは不可。同じ猫の貸し出しも、原則的には1カ月以上の間を空けないと受け付けない。

「あくまでもレンタルです」 

3日間限定のレンタル猫をめぐるオムニバス形式の人間模様のお話でした。

重松清大先生の小説だから、どの章もぐいぐいと引き込まれてしまう内容で、一晩ですいっと読めました。

いろんな家族やカップルが抱える問題が、それぞれに興味深い内容で、猫を借りてくる話だけではなく、猫の独白のような話もあったし、悲しい事情からレンタル店に飼い猫を預ける話も。

 

でもね、すべて前提が「レンタル猫」なんです。 

問題意識のないただの愛犬家の私でも違和感を感じるのに、動物保護団体の人たちがこの本を読んだり、ドラマ化の話を聞いたら、どう思うんでしょうね。

ドラマのこれからは? 

ドラマは、昨日で第2話まで進んだところです。

第1話は本当に家族の猫として迎えようという展開でしたが、結局はあっけなくご返却。前の猫に似ていたなんて理由では、この猫に悪いから…って屁理屈じゃない?

第2話に至っては、登場人物は最初から猫を飼う気はあったのかな? 無料のレンタル猫を家族の思い出作りにちゃっかり利用した感じ。原作がレンタル猫の設定だから、脚本を書き換えるのも難しそう。

 

今後、ドラマはどのように展開していくのかわかりませんが、どうか猫たちが幸せになる結末を望みますし、「お手軽に飼い猫体験ができる」軽いドラマにならないことを祈ります。

 

ところで、猫を飼ったことがないからわからないんですが、猫って本当にお気に入りの毛布があればどの場所にも対応できるのでしょうか? 猫をレンタルできるお店も、小説の中だけではなく現実にも存在しているようですが。

小説の中では、「とびきり優秀な仔猫しかブランケット・キャットにはなれません」と店主は言っているけれど…。

おしまいに 

愛護センターで「処分」されてしまうよりは、レンタルペットとして生きていられる方が幸せなのでしょうか。なんかなぁ…。

百歩譲って、レンタルではなく猫カフェなら、猫があちこち連れまわされないからストレスは少ないかもしれない。

 

昨日散歩に出かけたときにも、小学生たちが「友だちんちの犬」を散歩しているのを見かけました。チワワと柴犬。どちらも犬の方はどう思っているのか知りませんが、子どもたちは喜々としてとても楽しそうでした。

思えばうちの子も、犬が来た当初は大喜びで散歩していました。

私が子どものころ、ピアノ教室の庭に白いテリアがつながれていて、ピアノのレッスンよりもテリアをなでている時間の方がずっと長かったことも思い出しました…。

 

犬や猫のストレスと最近の住宅事情や家族構成。子どもたちも犬猫好きの大人たちも、犬や猫に無理をさせずに身近にふれあえる方法があるといいですね。

おまけ: 関連書籍

殺処分されてしまう犬のお話。心が震えて、読み進むのがつらくなりました。 

ある犬のおはなし

ある犬のおはなし

 

 ネット上でも読むことができます。→ ある犬のおはなし~殺処分ゼロを願って~ - kaisei | パブー

 

私は犬派ですが岩合さんの猫番組は好き。犬にはこういう自由奔放さはないですね。

岩合光昭の世界ネコ歩き

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