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授乳期の乳がん検査 小林麻央さんの報道について感じたこと 

小林麻央さんが亡くなられて、テレビは連日長い時間を割いて、麻央さんのブログや過去の映像を見せて麻央さんの頑張りを称賛する報道が続いています。

幼いお子さんたちを残して、さぞかし無念だったと思います。ご冥福をお祈りします。

 

今回の報道で、乳がんの医療情報にほとんど触れられないことが気になります。

もう少しすれば違う角度からの報道もあるかと待っていたのですが、そうした情報は今のところネットでしか見つからないので…。

※おことわり

私は医療関係者ではありません。以前、何度か授乳期やその後に乳がん検査に引っかかり苦労したので、気になってニュースを見ていました。

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報道で気になる点 

麻央さんが素敵なお母さんだったとか、真面目な人柄だった、家族愛…などの報道ばかりが続いています。

それも大事なことだとは思いますが、私が気になっているのは、

  • 授乳期に人間ドックで見つかったしこりを、再検査の病院が生検もしないで様子見にしたこと
  • 乳がんと分かったときに、医師の全摘の勧めに従わなかったこと

 

私がもっと詳しい説明を聞きたいのは、

  • 授乳期に検査をしても正しい結果が出にくいらしいけれど、どう受け止めればいいのか? 
  • 絶対に死にたくない人はやっぱり温存ではなく全摘または切除じゃないの?

 

報道は、乳がんの早期発見の情報にどうしてもっと重点を置かないの? やっぱり手術じゃないの?

乳がんが身近な病気になっている今、故人のことをとやかく語るよりもずっと大事な情報なのに…。

変に深く突っ込むと、今回の犯人探しになって、どの医師の対応が悪かったかという話になるから、マスコミも追及できないのでしょうか?

ネットではいろいろと過激な論評もあるようですが、一般人がどう気をつけるべきかわかりやすい報道もやってもらいたいと思っています。

ベルーガクリニック「小林麻央さんの乳がん報道について(当院患者さんへ)

 

私も、授乳期やその後に度々しこりが見つかって、確定診断が下りるまで病院をたらい回しになって苦労したので、もっと早期発見や治療法に対する医療関係者の解説が聞きたいのです。

 

※追記

ネットを見ていて気になった情報を追記します。正式に発表されたものではなく、あくまでもネット上の情報(噂話)です。

◆麻央さんの乳がんはトリプルネガティブ?

治療方法の選択肢が少なく、増殖が速い乳がんなのだそうです。

↓ こちらに詳しい説明があります。

トリティブネガティブ乳がん患者会ふくろうの会

◆摘出しないで放射線治療

乳がんが見つかってから1年以上手術は受けられていないようですが、保険対象外の放射線治療を受けたのではないかという話もあります。

UMSオンコロジークリニック 

--------------------------  追記はここまで

授乳期の乳がん検査 

気がつきにくい、行きにくい 

授乳中はおっぱいの状態がいつもとは違っているので、異常に気がつく機会も余裕もないのがほとんどのお母さんではないでしょうか?

たとえしこりや固い部分が見つかったとしても、ほとんどの方は「母乳の塊かな?」「乳腺炎?」くらいで、わざわざ検査に行くこともないだろうし、赤ちゃんがいては預ける人の手配が難しいことや預けても授乳の合間しか自由時間がないなどで、検査に行く余裕もないかもしれません。

医師も様子見 

授乳期にしこりがあって検査を受けに行ったとき、お医者さんの方も「まあ、様子を見ましょう」という例が今も多いのでしょうか。

 

私の体験はずいぶん前のことですが、たくさんの病院をたらい回しされて感じたのは、授乳期は乳腺が発達しているので専門の医師が見ても判断がつきづらいということ。どの病院に行っても「うーん、白ではないけど黒とも言えない」と言われて紹介状、再検査…、の繰り返しでした。

それでも、授乳中にもがんは進行することがあるようで、油断ができません。

 

上の子のときは、マンモだけ見て「母乳の塊ですね」と言われて帰されました。

下の子のときは、引っ越したので別の病院に行きましたが、きちんと針生検までやってもらえましたが、それも2回したのに判定がつかず、結局3つの病院で検査を受けました。上の子のときの検査がいかに楽観的だったか、ちょっと怖くなったのを覚えています。

 

人間ドックでしこりが見つかって再検査に行った麻央さんは、医師に「生検不要で様子見」と言われて、セカンドオピニオンを求めずに静観してしまったことがとても残念でした。

検査も大変 

授乳中は、下着を外すだけでも母乳がぴゅーっと飛び出すぐらいの状態になることもあります。そんな状態でマンモ検査なんて受けたら、とんでもないことになりそうで、つい尻込みしがち。私は、授乳のほぼ終わりのころや断乳後1年後にマンモ検査を受けましたが、そんな時期になっても、マンモで胸をつぶされると、母乳が漏れて驚きでした。

 

特に、上の子のときのしこりの検査で「母乳の塊が残っている」と言われたので、下の子のときは気をつけて、授乳が終わってからも桶谷式に通い、乳腺に異常が残らないようにしっかり気をつけたのに、またしこりができて、マンモでは母乳が出てきて、「せっかく対策したのに」と残念でした。

 

完全母乳で育てていると、おっぱいは赤ちゃんの生命線。検査のために母乳を中断することも、難しいでしょう。(アレルギーで母乳しか飲ませていない人も…)

 

検査がやりにくくても、赤ちゃんが困っても、心配ならばとことんまで検査してもらうべきなのでしょうね。

全摘か温存か切らないか 

麻央さんのブログを全部読まずに勝手な意見を述べるのも恐縮ですが、芸能人だとかお金に余裕がある人は乳房温存という途を考えるようですが、私のような一般人で転勤族の母親は、全摘以外の選択肢は考えられませんでした。

 

私の場合は「限りなく黒に近いグレー」と言われ、大きく切り取ることも視野に入れて切開してみたら良性だった(手術中に細胞診をしてもらって確定)ので部分切除で済みましたが、当時子どもたちが小さい状態で、温存とか摘出しないという手段は不安が多すぎると思いました。

「私が死んだら、この子たちを育てる人がいなくなる。絶対に死ねない」と主治医に話し、選んだ結論でした。

 

セカンドオピニオンを受けた病院では「顕微鏡で見ても怪しいので3か月ごとに検査して様子を見ましょう」と言われました。乳がんで有名な病院で、先生も症例をたくさん診ておられて、自信あり気でした。

でも、1%でもリスクが上がるのは絶対に嫌だったので、その病院の意見は取り入れず、最初の主治医の「切開してしこりを全部取る」という意見に従いました。

 

乳房に切開の跡が残りましたが、脇から切ってしこりを取ってもらったので、腕を下げていればわからないレベル。胸パットつきの半袖の水着を着れば、誰にも気がつかれません。切った後しばらくは、腕を上げて洗濯物を干したり抱っこができずに不便でした。 

「胸を取られてしまう」と悲しむ女性が多いですが、私は「子どもを残して死ぬよりは胸が取られても構わない」と、その時は思いました。

女性にモテモテのご主人を持つ麻央さんは、女性の象徴である胸を取ってしまうのは憚られたのでしょうか。

私の乳がん疑惑 

乳腺で見えない? 

当時の私は乳腺が目立つのでマンモではよくわからない乳房だったようです。エコーで見てもらってやっとわかる状態。若い(40歳ぐらいまで?)女性はそういう人が多いそうです。

世間では「マンモを受けましょう!」のキャンペーンはよく聞きますが、私の経験ではエコーで検査しないと意味がないと感じています。なんでみんなマンモマンモと言うんでしょう?

検査の技量に差がある? 

エコーの検査も、病院によって、検査する担当者によって、見つかるものはさまざまでした。病院をたらい回しになったとき、担当者によって見つかるしこりが違うこと、診る範囲がずいぶん違うこと(首の甲状腺まで見る病院もありました)を感じました。

 

マンモも、これでもかというほど乳房を引っ張ったりつぶしたりする病院もあるし、「これでちゃんと写るの?」と思うぐらいあっさりと済ませてしまう病院もありました。(生理前は痛みが大きいので、できれば生理後に行くのがおすすめ)

 

顕微鏡検査も、同じ体の状態で3つの病院で4回生検したことときにも、病院によって評価がまちまちだったし、エコーで担当医が実際に乳房内部を診てくださったときも、医師により「この感じなら普通は大丈夫」とか「わからない」「白とは言えない」など、まちまちでした。

セカンドオピニオンはぜひ  

「がんセンターや有名な大病院は重篤ながん患者のための施設であり、一般の人が検査に行っては迷惑だ」とはよく書かれているし、実際にがんセンターでそのように言われたこともありました。

今回の論評を見ていても、「麻央さんや北斗さんの影響で、一般人が不安に煽られて不要な検査に来るから病院が混雑して迷惑」という意見も見かけます。

でも、じゃあ地元の病院でちゃんと見てもらえるのか、というと、やっぱり技量不足なところも多くて、完全には信用できませんでした。いろんな町のいろんな乳腺外科で見てもらった私の感想です。

 

病院によっては「これは私たちでは判断できない」とはっきり言ってくれるところもありましたが、「3か月ごとに検査に来て」とか「様子を見ましょう」などと言われると、こちらとしてはどう受け止めていいかわからなくなります。

どうしても死にたくない事情がある人は、専門病院のスタッフのみなさまには申し訳ないですが、セカンドオピニオンを求めるのが絶対に必要ではないかと、私は思います。

参考書籍  

当時は、今ほどネット情報もなかったので、大きな図書館まで出かけて行って、抱えきれないほど乳がんの本を借りて来て読み漁りました。

名医の紹介、がん治療のさまざまな考え方、実際の闘病記など、乳がんの本は当時もたくさん出ていました。

 

↓ 賛否両論ありますが、抗がん剤や手術を否定する先生の本。近藤先生の関連の病院にも行きましたが、当時は怖くて「放置」は選択できませんでした。

がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書)

がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書)

 

 ↓ 放置に反対する本。 

医療否定本の嘘

医療否定本の嘘

 
「医療否定本」に殺されないための48の真実 (扶桑社文庫)

「医療否定本」に殺されないための48の真実 (扶桑社文庫)

 

 おしまいに  

子どもたちもすっかり大きくなって、私がいなくても困らないほどになりました。今は、たまに検査に行くだけで、ほとんど放置です。

子どもたちが小さいころは、「私がいなくなったらこの子たちは誰が育てるの?」とか「ご飯は?」「勉強は?」「習い事は?」と涙が止まらない日もありました。

「限りなく怪しい」と言われた日に、子どもの前なのに取り乱して泣いてしまったことも。

 

幼い子を2人抱えて度々検査に行き、1日がかりの待ち時間を静かにさせるのは本当に大変でした。上の子を預かってくれた友人には今も感謝しています。(がん病院に幼い子を連れていくのは、がん患者さんへの感染防止のためにもいいことではありません) 

 

いろいろ検査して、覚悟したこともあったのに、思いがけずこんなに順調に暮らすことができています。子どもたちは当時私が考えていたのとはかなり違う男子に育ちました。いい意味でも、悪い意味でも…。

お子さんの行く末が見届けられなかった麻央さんはどれほど無念だったかと思います。