庭にはびこるベニカタバミを駆除・根絶させたい
その庭の土や環境に合って、こちらの想像を超えるほどはびこってしまう繁殖力が強い植物って、どこにでもあると思います。
最近の私の悩みの種はベニカタバミ。
せっかく草抜き用の道具を揃えたので、以前から気になっていた庭のベニカタバミを根絶させるべく、片っ端から掘り出してみました。
私は農薬は使わないので、なんでも手で駆除しています。
ベニカタバミの正体を調べていたら、庭のほかのカタバミの仲間のことについても新しい発見がありました。
※この記事は2020.5に書き直しました。
わが家のカタバミは、イモカタバミではなくベニカタバミのようです。
▲カナヘビも一緒にポーズとっています(^^;)
ベニカタバミの一掃作戦
庭にはびこるベニカタバミ
今の庭にはベニカタバミが植物の陰にびっしりとはびこって、収拾がつかなくなっています。今までいろんなカタバミを見てきましたが、これほどびっしりと広がるのは初めて。
侵略的外来生物としてリストに上がっているわけでもないようですが、こんなに繁殖力が強いものは自分の庭の外にも広がったら面倒なことになりそうです。
長い間家を空けている間に広がっていました。家を借りてくれていた方が植えたのか? それとも何かの苗についてきたのでしょうか?
地表を覆い尽くすので、弱い植物は負けてしまったし、楽しみにしているこぼれダネも新しいものは出にくくなりました。これは由々しき問題です。
↓ ツルニチニチソウの下に、すきまなくびっしり生えたベニカタバミの葉。日向も日蔭も関係なし。芝生の中にも生えるど根性カタバミです。
↓ 葉っぱは丸くて肉厚。
↓ 5月になると濃いピンクの花がまばらに咲きます。コンボルブルスの茂みに入り込んで抜こうとすると間違ってコンボルブルスを抜いてしまいそう。
私は、ホワイトガーデンとかブルーガーデンを目指しているので、ピンクの花はどちらかといえば招かざるお客さん。
↓ 花を拡大。けっこう派手な濃いピンク(悪目立ち)で、葉は一面に広がっているのに、花はまばら。
ベニカタバミの球根を掘り出す
今まで何年も茎を引っ張って除草していましたが、ブチブチと茎がちぎれるだけで、すぐに新芽が生えてきていました。
今回はねじり鎌を買ったので、深くまで掘ってみました。ねじり鎌って、本当に優秀な草取り道具です。
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5センチぐらい掘ると、小さい球根がついています。大きいものは2センチぐらい、小さいのは数ミリ。
球根屋さんができるくらい大量に出てきます。これはほんの一部。選り分けるのが面倒なので、土ごと掘り上げて家庭ゴミとして捨てました。
こんなに球根があるなんて、全然知りませんでした。土が固いからブチブチ切れてしまうんだと思ってた…。
もっと早く気がつくべきでした。
花壇の仕切りのレンガを取り除いて、根の張り方を横から見ると…。球根から出た茎が横に伸びていたりして、かなり入り組んでいます。
これでは土ごと掘らないと抜けないはずです。
今回は球根ごと掘り出したので、勢力が弱まってくれることを期待しています。ただ、ほかの植物の茎の間に入り込んで生えているベニカタバミも多く、手出しができないものもあって、困っています。
よく似たイモカタバミ
ベニカタバミによく似たイモカタバミは、あちこちでたくさんひろがっているのを見かけます。花の色や葉っぱがベニカタバミとは少し違います。イモカタバミの方が花つきがいいようです。イモカタバミも相当な繁殖力!
↓ あぜ道に広がっていたイモカタバミ。
↓ 果樹園の下に広がっていたイモカタバミ。
わが家の庭のカタバミ類
オッタチカタバミ
黄色い花が咲くカタバミ。私はずっと在来種のカタバミだと思い込んでいたのですが、今回ネットで調べてみたら、なんと、「カタバミ」ではなくてオッタチカタバミというよく似た外来種だったようです。1965年に京都で見つかった新参者。
主茎を引っ張ると簡単に抜けるので「草取りが楽でいいな」と思っていたら、それはオッタチカタバミの特徴だったようで…。カタバミは横に広がるので、簡単には抜けないそうです。
カタバミとの違いは托葉(赤い丸)で見分けるのだそうです。ネットの解説を読んで、実物を拡大しても全然自信がありませんが、おそらくこれはオッタチカタバミ。
オッタチカタバミは私の古い植物図鑑には載っていない野草ですが、既に定着しているようです。
ヤマトシジミが産卵に来るからできるだけ抜かずにいましたが、これも駆除した方がいい植物のようですね。
アカカタバミ
葉っぱが赤みを帯びたアカカタバミもちょっとだけ見られます。これは在来種なので、どちらかと言えば駆除せずに大事にした方がいいのかもしれないですね。
ヤマトシジミの食草はカタバミが有名ですが、このアカカタバミも、上記のオッタチカタバミも食べにくるようです。
ムラサキカタバミ
ベニカタバミのせい(?)で減ってしまったのがムラサキカタバミ。ベニカタバミよりも可憐な感じがするので好きだったのに…。
↓ これは近所の果樹園の下に一面に広がっていたムラサキカタバミ。ムラサキカタバミも環境が合えば相当な繁殖力のようですね。
ムラサキカタバミを一株抜いてみました。
根はベニカタバミと似た大根の形。葉は裏は白っぽくて、大きくて形も違います。
オオキバナカタバミ
関東に住んでいた時に庭にいっぱいあってきれいだったので連れてきたのがオオキバナカタバミ。春一番に咲くカタバミです。
(写真はpixabayより)
今回調べてわかったのですが、オオキバナカタバミは侵入生物として要注意銘柄だったようです。オオキバナカタバミ / 国立環境研究所 侵入生物DB
前の庭では何もしなくてもどんどん増えましたが、今の庭は冬に地面が凍結するので、2年くらいで絶えてしまいました。結果オーライですが、増えなくてよかったです。
ご近所の情報交換も大事
庭仕事を始めたころはご近所に強力な先輩がいらして、いろんなアドバイスをもらいました。
最近は一人で黙々と作業しているので、いろんな草の情報に疎くなっています。同じ土壌の庭を持つご近所の仲間との情報交換は大事ですね。
たとえば、ナガミヒナゲシは、ポピーのこぼれダネだと思って喜んでいたら、庭仕事の先輩に「雑草だから早めに抜くように」とアドバイスを受けました。これも、広がってしまう前に早めに根絶しておいた方がいい植物ですね。
おしまいに
可愛い花が咲くからと植物の名前や素性を調べずに大目に見ていると、庭がその草でいっぱいになってしまって収集がつかなくなることがあります。
同じ植物でも、ある庭では適当な範囲で収まるのに、よそに持って行くと果てしなく広がってしまったり…。難しいところです。
ほかの在来種に影響を及ぼすような侵略的外来生物だったりしたら、「かわいいから増やす」なんて叱られそうです。
今回のベニカタバミのように、繁殖力が強い植物は、鉢植えなど範囲を限定して育てた方がいいですね。
※追記
2020年5月現在、庭のベニカタバミはまだ根絶できていません。
季節が変わるごとに球根ごと掘り上げていますが、ほかの植物と絡み合ったところには手を出せず、翌年残ったところからまた繁殖を繰り返しています。