虫はともだち

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こぼれダネや地下茎で勝手に増えてくれるお気に入りの庭の花

暑くもなく寒くもない今が、一番庭仕事がはかどる季節ですね。

わが家の狭小ガーデンは、入居当時は毎年あちこちを掘り返して植物の植え替えをしていましたが、最近は基本的には自然に季節の花が立ち上がってくるのを待ち、目立つ部分だけ一年草や球根花を植え替えています。

そんなわが家で、放置してもこぼれダネや地下茎などでどんどん広がって庭をにぎやかにしてくれるおすすめの花をまとめてみました。ちょうど今が植え時なのでGWにいかが?

毎年同じ場所で花を咲かせてくれる宿根草についてはまた別の機会に…。

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↑ ビオラ、ノースポールの周りに勝手に増えたエリゲロン、ツルニチニチソウ、ラベンダー

こぼれダネで増える花 

オルレア 

ここ数年、私の一番のお気に入りです。 

オルラヤだったりオルレアだったりいろんな表記がありますが、学名はOrlaya grandiflora。

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◆いいところ

2株買ってきて花壇に植えておいたら、どんどん増えて5月に庭の各所で花を咲かせます。場所によって草丈が変わりますが、伸びると50センチ近くまで高くなります。白い花なので圧迫感がなくどの花にも調和します。 

気になる病害虫もありません。 

◆惜しいところ

花期が短く、5月から6月にかけての1か月。 

◆増やし方

こぼれダネでどんどん増えますが、こぼれたところを耕してしまうと、発芽しません。増やしたいときは、こぼれた場所を触らないでおく必要があります。

私は庭のいろんな場所で楽しみたいので、タネがついた枝を乾燥させておいて、秋になったら枯れ枝を持って庭を歩き、バサバサと振ってタネを落とします。

↓ 今年は咲かせ過ぎでぐしゃぐしゃ。もう少し間引きすればよかった…。

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◆吸蜜植物として 

チョウの吸蜜植物としては、それほど優秀とは思えません。たまにツマグロヒョウモンがくるぐらい。右に写っているのが花後の様子。トゲトゲのさやの中にタネが入っています。 

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 ▼ 庭のオルレアについて書いた記事です。

mushitomo.hatenablog.com

 

エリゲロン

ヒナギクのような小さな花がたくさん咲きます。咲き始めは薄いピンクですがだんだん白花に。環境が合えば、道路の亀裂のような場所でも繁殖しているのを見かけます。

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◆いいところ

花期が長く、丈夫なので特別に施肥や水やりは不要です。

日当たりが好きな植物ですが、多少日当たりが悪い場所でもどんどん広がります。少々の踏みつけにも丈夫です。 

◆惜しいところ

曇りの日や夜は花を閉じるので、ちょっと寂しい。

繁殖力が旺盛なので、うっかり放置しすぎるとほかの植物が死滅してしまいます。

わが家はエリゲロンのせい(?)で、オダマキタツナミソウ、タチツボスミレの勢力が減ってしまいました。 

◆増やし方

増やすよりも、制限する方に気を配る必要があります。

放置しておくと広がりすぎるので、初夏の花後と冬になる前の年2回程度、適当に間引きしています。ハサミで切る必要はありません。適当に手で枝や株ごとむしりとるだけ。 

◆吸蜜植物として

小さくて茎も弱々しい花なのに、いろんなチョウやハチが吸蜜にやってきます。アオスジアゲハまで。 

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晴れた日には庭が真っ白でうっとり。これは5月の様子。ずっと咲き続けて、秋にまたピークが来ます。

ちなみに、手前にあるムラサキのラベンダーもこぼれダネで広がっていますが、エリゲロンの勢いには到底及びません。

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バーベナ・ボバリエンシス 

 蓼科のバラクライングリッシュガーデンで見たバーベナボナリエンシスの植栽が印象的でタネをまいたのですが、庭のあちこちで広がりました。よく似た草が近所の空き地に広がっています。違いがよく分からないんですが…。

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◆いいところ

施肥も水やりもなしでも、丈夫に育ち、蜜植すると花壇として豪華になります。

花期も初夏から秋まで休みなしです。花が終わった枝は適当に切っておけば、分岐してまた花が咲きます。  

◆惜しいところ

1メートルくらい草丈が高くなるので、育てる場所を選びます。

タネで広がりますが、いったん根づくと宿根草になります。春先に新芽が出てきた株のうち、邪魔な場所にあるものはスコップで掘って花壇に移植しています。

日当たりが悪いと、うどんこ病になります。 

◆吸蜜植物として

吸蜜植物としてとても優秀。いろんなチョウやハチが集まります。蜜がおいしいせいか、たくさんの花を渡り歩いてじっと蜜を吸っています。一度来るとかなり長い間滞在しています。飛来する虫を狙うカマキリやクモもよくスタンバイしています。

(写真の背景は満開のオルレア。アゲハはこれには見向きもしません)

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4月末の状態。新芽がしっかりと出そろい、この後グーンと草丈が伸びます。 

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地下茎などで増える花 

ツルニチニチソウ

ビンカ・マジョールと言って売られています。1~2株植えておけば、庭中に広がります。鉢植えや擁壁にツルを垂らしてもきれい。花期は5月の短い期間ですが、一年中葉の美しい植物。

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◆いいところ

斑入りのものと斑のないものがありますが、斑入りのものは花のない時期にもグランドカバーとしてきれいです。ほかの植物にも調和します。

個人意見ですが、斑なしのものは雑草化するほど丈夫ですがアブラムシがつきます。斑入りの品種でアブラムシを見たことがありません。 

◆惜しいところ

キョウチクトウ科の植物なので、毒があります。

わざわざ食べる人はいないと思いますが、子どもが不用意に手折ったりしないように、剪定した枝を放置して犬がなめたりしないように、気をつけています。  

◆増やし方

わざわざ差し芽をしなくても、伸びた茎に土をかけておけばそこで発芽して新株が簡単に増やせます。実際には、わざわざ根伏せをしなくても、勝手に増えます。

地下茎で増えるのとはちょっと違いますね。 

 

アジュガ

日陰に強いグランドカバーとしておすすめの植物ですが、まったく管理しなくてもだんだん勢力を広げていきます。花色はいろいろあるし、葉が斑入りのものもあります。

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◆いいところ

そこそこの勢いで増えるので、増やしたり制限したりする手間がほとんど要りません。主張しない花なので、忘れたころにもらえるプレゼントのような感じ。 

◆惜しいところ

日陰に強いとは言っても、あんまり暗すぎる場所ではなかなか増えません。

芝生の中でも上手く育たないようです。芝生の横で育てるのなら、芝生の根切りが必要なようです。

 

フジバカマ 

アサギマダラが長距離の渡りをするときに吸蜜のために立ち寄ることで有名なフジバカマ。私は毎年10月に庭にアサギマダラを呼ぶために植えています。

 

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ある程度たくさん咲かないとアサギマダラは呼べないようです。たくさん咲いた年は、アサギマダラだけでなく、ほかのチョウたちもたくさん吸蜜にやってきます。

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◆惜しいところ

写真で見るとわりときれいな花のようですが、実物は地味でたぼけた感じの薄桃色です。大量に咲いていても、だれからも「きれいですね」と褒められない気の毒な花です。

花が咲くのが秋だけなのに、5月から枝葉が伸びてかさばること。

アサギマダラのためだけに狭い庭にたくさんスペースを使うのはちょっともったいないような気がします。 

◆増やし方

地植えにすると繁殖力は大変旺盛で、日向でも日陰でもどんどん増えます。殖やすことよりも、気がついたら適度に間引いて、制限することを考えた方がいい植物です。

鉢植えだと根がすぐに回ってしまうので、まめに株分けしたり植え替える必要があります。

 

4月末に新芽が出始めて、どんどん背が高くなります。

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雑草放任はおすすめしません

雑草は手間なしだし、花が可愛いものもあります。

花が可愛いとか、ナチュラル派だからと言って草ぼうぼうにしているお宅を時々見かけます。

繁殖力の強い雑草を放置していると、隣近所にタネが飛んで、ご迷惑をかけることになってしまいます。

どうしても雑草を楽しみたいなら、タネをつける前に刈り取りや抜き去ることをおすすめします。

 

 

 おしまいに 

 これ以外にも、クリスマスローズはこぼれダネで地道に勢力を拡大中ですし、レモンバームタカサゴユリオキザリスのように、頼んでいないのに怖いほど増えてしまう植物もあります。

庭の土によって合う合わないが大きいようで、前住んでいた家から連れてきた植物でも、あっという間に全滅してしまったものもありました。

前の庭では、タチツボスミレなどのスミレ類はタネをまけばどんどん増えました。逆にレモンバームは連れて行ったのにすぐに全滅しました。 

土の成分や日照、冬場の凍結など、いろんな要因があるんでしょうが、庭によって増える植物が全然違うのは興味深いです。

 

わが家の庭の花は、なるべくチョウ優先。雑草でも、ヤマトシジミを呼べるカタバミなどは、全部は抜かずに少し残しています。

 

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ターシャの庭

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