虫はともだち

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鳥のなる木 冬はねぐら入りの観察が楽しい

 晩秋になると、夏の間はつがいで子育てをしていた野鳥たちが集団を作ってねぐらに入るようになります。日没の時間に合わせて集まってきて、春になるまで毎晩集団ねぐらが形成されます。

見ているとヒッチコックの映画さながらの光景が見られることもあります。

ちょうど子どもたちが帰宅する時間だったり、送迎で外に出る時間帯なので、親子で観察するのもおもしろいです。ただ、鳥インフルの季節なので、深入りには気をつけて。

 

環境庁生物多様性センターの野鳥のねぐら入りの説明がわかりやすいです。

→ 動植物分布調査(全種調査)概要

 

※追記

集団ねぐらは、地域によっては冬だけではなく夏にも発生するようです。

ムクドリを追い払う立場から書かれたねぐらの説明がこちら。

「千葉駅前の集団ねぐらはなぜ増えるのか 街の鳥”ムクドリ”との共生」

ムクドリのねぐら入り

ムクドリは、本来はササや雑木林などの茂みに集まります。最近は都会の街路樹にも集まって問題になっていますね。

街中だとなかなか環境のいい場所が少ないせいか、一か所に驚くほど大集団で入ります。近くで雑木林を切り開いた大規模開発があると、ぐんと数が増えるのがわかります。

郊外だと、やぶや雑木林が点在しているので、それほど大集団にはならないようです。 

電線に集合するムクドリ 

昼間は小集団でいたムクドリたち。まだ明るい時間帯にもう少し大きな集団が各地で出来上がり、だんだんほかの集団に合流して数が増えていきます。

この電線の下は一般民家の庭先。春になって集団でのねぐら入りが終わるまで、期間中は電線の下は白いフンがいっぱい。車もフンだらけ。

電線の耐荷重量ってどのくらいなんでしょうか。よく切れないなと思います。

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薄暗くなってから集まるのが普通ですが、天気の悪い日は昼間から集まります。

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旋回するムクドリ 

集団が大きくなると、あたりを大きく旋回。一体何事が起きたのかと恐怖すら感じる光景です。

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集団が大きくなると、旋回する範囲も大きくなります。

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雑木林に突入していくムクドリたち。この後、この下の笹やぶに入ります。

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サギのねぐら入り 

水辺の環境のいい場所だと、サギのねぐらが見られることもあります。

サギたちも、夏の間はつがいで子育てをしているし、冬になっても日中はバラバラに行動していますが、秋から冬の間は夕方になると一か所に集中します。

サギの中には冬には南に渡っていく種類もいて、秋には集団ねぐらに来ますが、冬になると姿を見かけなくなります。

9月は、渡る前のサギたちと留鳥(ここにずっと留まる鳥)のサギたちで、集まる数も最大になります。

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ダイサギは1羽ずつ、小型のサギたちはグループで飛んできます。夕陽の中、はるかかなたからサギたちが集まってくる様子はなかなか優雅です。

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10月になると、集まるサギの数も減ります。

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スズメのねぐら入り

スズメは本来は田んぼのアシ原のようなところに寝に帰っていたのではないかと思いますが、街中の常緑樹にもねぐら入りする場所があります。

田んぼよりも猛禽に襲われる危険が少ないからかもしれません。

 

一般民家の屋根に集結してから、徐々に茂みに突入していきます。 

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スズメがなる木。日没に合わせてどんどん集まり、ピリクリピチクリと結構な騒音です。

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ツバメのねぐら入り 

ツバメのように秋になると南に渡っていく鳥は、夏の間に集団ねぐらを作ります。

夕方になると、各地で小集団を作るので、最終的にどこに集まるのか追いかけてみるのもおもしろいかもしれません。

私は結局近所のツバメを追いかけるのは挫折しましたが…。

 

尾瀬で見たツバメのねぐら入り。(8月1日)

1本の針葉樹にたくさんのツバメが吸い込まれるように入っていきました。

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余談ですが

ひろすけ童話の「むくどりのゆめ」は有名なお話です。

いなくなったお母さんを待って雪の季節を迎えるムクドリの子のお話です。でも、今考えると、ムクドリは冬になったら集団で眠るようになるわけで、お話と現実のムクドリとはちょっと違っています。

わが家の子どもたちは、幼稚園のころにはムクドリが冬になれば集団ねぐらに帰ることを知っていました。現実かメルヘンか…?

むくどりのゆめ (大人になっても忘れたくないいもとようこ名作絵本)
 

おすすめの双眼鏡 

バードウオッチングの双眼鏡は普通はもっと倍率が高いものを選びますが、わが家は昆虫観察も野球観戦も兼ねられるこちらを愛用しています。 

PENTAX 双眼鏡 PAPILIOII6.5×21 ポロプリズム 6.5倍 有効径21mm 62001
 

倍率が高すぎると、被写体をファインダーに入れるまでに時間がかかってストレスなので、このくらいの方が使いやすいです。

さらに、これは50センチまで被写体に近づけます。少し離れた虫の観察に便利。

 

ねぐら入りの観察には双眼鏡はあまり必要ないですが、時々別の種類の鳥が混じっていたり、猛禽が狩りに来たりするので、あると便利です。

おしまいに 

今住んでいる家の近くにはハシボソガラスの集団ねぐらがあります。

カラスも夕方になると集団を作ってから雑木林に入るのですが、ムクドリほどぎっしりと集まらないので、なかなかいい写真(?)が撮れません。たぶんあまり規模が大きくないねぐらだからだと思いますが…。

朝は朝で、30分以上かけて数羽ずつ飛び立っていくので、これも写真では迫力に欠けてしまいます。

 

野鳥のねぐら入りは、街中でも田舎でも見ることができるので、夕方子どもと散歩がてら見に行かれてはいかがでしょうか? 

ハクセキレイのように、1羽ずつ飛び込むので、都会の雑踏に紛れて、ものすごくたくさん集まっているのに、だれも気がつかないようなねぐら入りもあります。

 

ねぐら入りは見ていて面白いですし、季節で変化があります。雑木林や水辺で普通にバードウオッチングをするよりも、野鳥の生態が実感できると思います。

 

野鳥がたくさん集まると、ほとんどのお母さんたちは顔をしかめます。ねぐらの周辺にお住まいの方にはとんでもない害鳥だとは思います。

習性がわかってくると、鳥たちも好き好んで大集団を作っているわけじゃないのがわかってきます。