小学校の百人一首大会で勝つために…
小さいうちに百人一首に親しんでおくと、古文や日本史を学ぶようになってから、役に立つことも多いようです。
私が子どものころは、家族や友人と遊ぶことでなんとなく覚えましたが、わが子は小学校で百人一首大会があったので、試合に勝つために覚えていました。
競技かるたほどのレベルではないけれど、小学生が百人一首に親しむための練習方法をご紹介します。
- 小学校での百人一首大会
- 五色百人一首
- DS時雨殿を使う
- 決まり字を覚える
- 百人一首のマンガを読む
- 百人一首の解説本を読む
- 「ちはやふる」を読む・見る
- 実戦でトレーニング
- 学校の試合を見た感想
- おしまいに
小学校での百人一首大会
わが子が通った小学校では、毎年1月に百人一首大会がありました。
100枚すべてを不規則に並べて丸くなって取ったり、「五色百人一首」を使ったり、先生の方針次第でやり方は毎年変わりました。
クラスで試合をしてレベル別にグループ分けし、学年でレベルごとのグループで対戦して学年一位を決めたり、そのやり方も年によってさまざまでした。
家族でまったりとカルタ遊びをするのと比べて、勝負がかかっているので、子どもたちも真剣。ただ漠然と練習していても強くなれないので、いろんな方法を考えました。
ご家庭によっては百首すべてを暗記させて暗唱させているところもありましたが、わが家は、裏技もいろいろ試しました(^^;)
五色百人一首
五色百人一首とは、100枚が20枚ずつに色分けされていて、20枚のカルタで競い合うものです。
TOSSオリジナル教材 / 五色百人一首 取り札(字札) 児童用手引書付き
公式ルールがあって、各地で五色百人一首の大会も開催されています。
100枚も目の前に並ぶと、慣れない子はうんざりしてやる気になれませんが、20枚なら、札を暗記していない子も集中して試合ができます。 家庭でやる時も、100枚だと時間もかかるし場所もとりますが、20枚なら隙間時間で手軽にできます。
わざわざ五色百人一首を購入しなくても、ネットを見れば何色がどの歌なのかわかるので、普通の百人一首をグループ分けして使用すればOK。
DS時雨殿を使う
DS時雨殿は、百人一首を覚えて試合を楽しめるようにトレーニングできるソフトです。親がつきあわなくても、子どもが一人でマスターできます。
年末年始は親は忙しくて子どものカルタに長時間つきあっていられないので、とても助かりました。
まず百首すべてを暗記させるためのトレーニングがあり、繰り返しやっていると、苦しまなくても自然に覚えることができるありがたいソフトです。
一首ずつ、覚えやすい略語とイラストがついていて、なかなか印象的な覚え方ばかりなので、暗記に苦労しません。
例えば、
「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出(い)でし月かも」
は「アマノミカ」という女の子をイメージして暗記。
「名にし負(お)はば 逢坂山(あふさかやま)の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」
は「なにし ひとにし」という漫才師をイメージして暗記。
歌の内容とは全く関係のない覚え方なので、真面目な大人には抵抗があるかもしれませんが、子どもは喜んで覚えます。
カルタで勝つためには上の句の出だしと下の句の出だしが瞬時に結びつくのが大事。一首ごとに全文を真面目に覚えるよりも、この覚え方の方が勝負をするときには有効です。
決まり字を覚える
「決まり字」も覚えると、さらに勝負には強くなれます。
これも、「文学に親しむ」という観点から考えるとどうかと思いますが、勝負に勝つためには決まり字の暗記は必須。勝てるようになると、 自然に歌が言えるようになるので、文学に親しむのはその後でもいいかな、とも思います。
決まり字は、競技が進んで札の枚数が減っていくと変化していきます。子どもに口で説明してもわかりにくいので、実践で体験させるのが近道です。
↓ 決まり字シールがついているので札に張って練習しようという本。
勝つために覚えるべき最低限のコツがシンプルにわかりやすく書かれています。暗記のための略語も載っていますが、DS時雨殿は略語と併せてイラストも載っていたので、わが家はDS時雨殿の方で覚えました。
↓ 決まり字の一覧表や競技かるたの写真入りの解説、暗記のための略語、暗記チェックテスト問題も載っています。「暗記しないで上手くなる百人一首」よりカラーページが多く、説明が細かいと思います。
札に決まり字の書かれた商品を使う手もありますが、わが家ではあまり活躍しませんでした。ただ、この決まり字つきの札を使うと、歌を覚えていない人と覚えた人がカルタをするときに、ハンデがなくなって一緒に楽しめてよかったとは思います。
百人一首のマンガを読む
一首ずつの内容や背景を説明するマンガは数え切れないほど出版されています。
その子が気に入ったものを選んで与えれば、歌の内容を理解するようになるかもしれません。ただ、ご存知の通り百人一首のうち相当数が「通い婚の悲喜こもごも」を詠ったものばかりで、子どもが理解するには難しすぎるし、親にも説明しずらい内容です。
わが子たちは「内容の理解はどうするんだろう?」と思って、あまり深追いせずにきましたが、中学生になれば遅咲きの男子でもなんとなくわかるようになったようです。
百人一首の解説本を読む
子どもによっては、少女漫画ちっくな解説マンガを読むよりは、文章できっちり解説してある本の方が理解しやすいようです。
↓ この本は一首ごとの写真が印象的なので、歌を頭に焼きつけるにはいいかもしれません。わが家はCDつきのこの本を購入しましたが、読む速度が遅いし、札を取ってからも最後まで聞くことになって時間も無駄。CDはすぐに使わなくなりました。
原色小倉百人一首―古典短歌の精髄をカラーで再現 (シグマベスト)
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↓ マンガ「ちはやふる」が好きな子はこの本から…。
「ちはやふる」を読む・見る
映画化もされたマンガ「ちはやふる」。幼馴染の女子1名と男子2名を中心とした仲間たちがカルタに青春を懸けるお話です。
胸キュンな少女漫画ですが、わが家にもたくさんあって、男子でも読んでいます。
学校の百人一首大会は女子の独壇場で、「百人一首は女子がやるもの」という受け止めだったわが子ですが、この本を読んで、カルタ男子のカッコよさを知ったようです。
↓ テレビアニメ版はこちら。「ちはやふる アニメ」で動画検索すると無料動画も見つかります。
↓ 映画版はこちら。
私は漫画とアニメの後に映画を見ましたが、期待以上の配役でした。
※追記 「結び」も出ています。
ちはやふる ―結び― 豪華版 Blu-ray&DVDセット(特典Blu-ray付3枚組)
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実戦でトレーニング
DSソフトの時雨殿にも対戦のモードがあるので、慣れないうちや対戦相手がいない場合(家族が忙しくて相手ができない場合)はソフトで練習するのが近道ですが、すぐに物足りなくなってしまいます。
やっぱり生身の人間と対戦した方が訓練になりました。対戦相手も札を覚えていないと、覚えた子の一人勝ちになってしまって訓練にならないので、私もやむを得ずつきあって覚えました。
本気で一位を取りに行こうとするご家庭は、冬休みにカルタが強い子を自宅に集めて対戦させていました。姉妹がみんなカルタで学年一位レベルというお宅もあって、冬休みは家族で真剣勝負が続いていたようです。
学校の試合を見た感想
私自身が学校でのいろんな学年の試合を見る機会があったので、それで感じたことは、「強い子にもいろんなタイプがある」ということでした。
外部の公式試合でも活躍する強い子がいましたが、
★決まり字を完璧に覚えているし、
★配られた札の配置もきちんと頭に入れるので、
読み上げが始まると、迷うことなく瞬時に手が出ます。
ほとんどの子はそこまでプロではありませんから、読み上げが始まってから札を睨みます。普通に強い子の勝因は「集中力」や「負けず嫌いな心」にあるようでした。
こちらが怖くなるほどの気迫で札に覆いかぶさっている子たちを見て、「わが子たちもあのくらいのがめつさが欲しいな…」と、うらやましくなりました。
おしまいに
わが子たちは小学校の途中で引っ越してきたので、小1からやっている子たちと比べると遅れたスタートでした。 出遅れでなかったら、ものぐさな私がこんなに協力しなかったでしょうね。
初めての年は、1日10首と決めて、毎日コツコツと何回も暗唱させて、内容を私が説明していきました。なだめすかして続けましたが、「やらないよりはマシ」程度だったように思います。
上の句の出だしを聞いてから、自分の頭の中で瞬時に歌の全文を暗唱しても、カルタの勝負には全然間に合いません。勝てないと子どもも楽しめないので、好きになれないという悪循環。
その後、あれこれ試行錯誤を繰り返して人並みになりましたが、大きくなった今、どのくらい覚えているのでしょう?
中学以降で、係り結びや枕詞の具体例がすぐに頭に浮かぶようになったり、日本史を学ぶときに歌人の名前や背景を思い出してくれれば、やった甲斐もあるというものです。
※追記
わが子たちが進んだ高校では1月に百人一首大会があります。
各クラスから勝ち抜いた上位グループのメンバーは同じ小学校出身者がたくさんいたそうです。やっぱりあの小学校の百人一首熱はちょっと異常だったのかもしれません(^^ゞ
聞けば、百人一首大会における当地区出身者の活躍ぶりは毎年のことだとか。
勉強目的でなくても、今も昔も百人一首は家族みんなで楽しめるおすすめの遊びです。