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東京の高校生の水泳授業でおきた飛び込み事故について思うこと

昨日、東京の高校生がプールの飛び込みで大怪我をしたという気の毒なニュースが流れました。

小中学校の水泳授業は2012年から飛び込みが禁止になっているそうですが、今回は高校での事故。ちょっと調べてみました。 

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問題のニースはこちら

下記の東京新聞のWeb記事を要約してみます。

  • 事故が起こったのは、今年の7月。
  • 怪我をした生徒さんは、まだ入院中で胸から下がマヒした状態。
  • 先生の指導中に、水深1.1mのプールの底に頭を打ち付けたようです。
  • 先生の持ったデッキブラシを越えるような形で飛び込むように指導。
  • 2005~2014年の10年間で、全国の小中高校でのプールの飛び込み事故で後遺症があった例は33件。うち9割にあたる29件は、プールの底で頭や首を打ったもの。
  • 文科省が2012年から小中学校の授業では飛び込みを禁止。高校の授業については禁止せず、段階的に指導するよう定めている。

 

墨田工業高の水泳授業で生徒が首骨折 教諭が飛び込み指示

 

  東京都立墨田工業高校(江東区)で七月、水泳の授業中に三年生の男子生徒(18)がプールに飛び込んだ際、底で頭を打って首の骨を折る大けがをしたことが東京都教育委員会への取材で分かった。生徒は現在も入院中で、胸から下がまひした状態という。

 都教委によると、事故は七月十四日午前十時ごろに発生。保健体育の男性教諭(43)がスタート位置から一メートル離れたプールサイドで、足元から高さ約一メートルの水面上にデッキブラシの柄を横に掲げ、生徒に柄を越えて飛び込むよう指示。生徒は指示通り飛び込み、水深一・一メートルのプールの底に頭を打ち付け、救急搬送された。

写真

 生徒は一、二年時に授業で飛び込みを経験したことがなく、三年で飛び込みの練習を始め、この日が五回目の授業だった。

 プールは満水時は約一・二メートルの深さになる構造だが、学校側は「注水に時間がかかる」との理由で、水を減らしていた。

 教諭は都教委の事情聴取に「危険な行為をしてしまった」と話したという。都教委側は取材に「水深が浅いプールで指導をした上に、生徒の習熟度に応じた授業を行っていなかった。不適切だった」と認め、教諭の処分を検討している。

 日本スポーツ振興センターによると、二〇〇五~一四年度の十年間、全国の小中高校でのプールの飛び込み事故で後遺症があったケースは三十三件。うち約九割に当たる二十九件は、プールの底で頭や首を打っていた。文部科学省は一二年度から小中学校の授業では飛び込みを禁止したが、高校の授業については禁止せず、段階的に指導するよう定めている。

 学校事故に詳しい名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は「文科省は高校の授業でも飛び込みを禁止すべきだ」と訴えている。 

 

関連の資料

bylines.news.yahoo.co.jp 

bylines.news.yahoo.co.jp

www.tokyo-np.co.jp

  

プール水深とスタート台の高さに関するガイドライン(平成17年7月日本水泳連盟)

 

プールの安全標準基準(平成19年3月文科省・国交省)

 

個人的な感想 

入水角度を垂直にしない 

大きなお世話ですが、大昔に約10年間水泳をやっていた者としては、飛び込み台をなくすとか、水深を過剰に深くする前に、「飛び込む入水角度」さえちゃんと指導できればよかったのではと感じます。

自分の経験上、腕と頭が水面に垂直に近い感じで飛び込むと、水深があっても、おでこを底にぶつける危険がありました。

今回のように先生が持ったデッキブラシを飛ぶ越えようとしたら、ブラシの位置によっては、いったん上に向いて飛んで、それからドボンと落ちることになって、垂直に近い形で入っていくことになりそうです。

実際に体感させて指導するのは危険すぎるので、先生が口を酸っぱくして入水角度の説明をされるべきかと思います。

私の場合は、身をもって垂直に入る危険を学びましたが(^^;)

この分だと、全ての学校での飛び込みは禁止されそうです。

飛び込みが大好きだった

私は、スタミナが足りなくて、飛び込みやターンでタイムを稼ぐ選手でした(^^;)

低学年のころは下手くそで胸をよく打って、飛び込みが嫌いでしたが、練習をするうちに飛び込みが快感になりました。

足に力を込めて、スパーンと遠くまで飛べる快感。飛び込みの快感を得ることは、今後の学校水泳ではなくなってしまうのでしょうか。

事故が起こるのは心配ですが、飛び込めなくなるのは、私のような子はかなり残念でしょうし、選手育成という意味でも、影響が大きいのでは? 

排水口が怖かった 

子どものころ、たしか公営プールだったと思いますが、遊びに行った女の子が排水口に吸い込まれて亡くなった事件がありました。

個人的には、飛び込みよりも排水口の方が怖かった記憶があります。

今考えると大胆ですが、私たちが泳いでいる間に水位を調整するために排水口を開けていることがありました。当時は現役の水泳部でしたが、吸い込まれそうになって、戻れなくなる恐怖を感じました。

おしまいに 

あまりマメにブログを更新していないのにアクセス数が上がっている理由を調べていたら、今回のニュースをきかっけに、過去に書いた飛び込み禁止の記事に、検索で飛んで来られた方がいらっしゃったようです。

今回の高校生の子が、一日も早く元気になることを祈ります。

 

あまり参考にならない記事で、すみません。

mushitomo.hatenablog.com

 

以前、ほかのブログで急激にアクセスが増えた理由を調べたら、韓国のゲテモノ紹介サイトに記事をリンクされていたことがありました。

いい意味での調べものの訪問は歓迎ですが、いちおう真面目に書いているのにゲテモノ扱いされたのは、それも外国の人に…、残念でした。

当時は、日本国内のスマホからのアクセスはまだ少数派でしたが、韓国からのアクセスはほとんどがスマホでした。韓国の方がITが進んでいることを、実感。

その時のページは、即刻閉鎖。ごく普通の生きもの観察記録でした。

 

話は戻りますが…。

水泳は 、体にかかる力が分散されるので、陸上や球技と比べて、怪我をしにくいスポーツだと思います。

でも、こういう事件があると、やっぱり怖いです。

たまに海に行くと思い出しますが、普段プールを利用していると、水の怖さを忘れてしまっている気がします。

垂直に飛び込んだ時に、抗いようもなく水底にのめり込んでしまう恐怖。排水口に引っ張られて、必死でかいても離れられない恐怖。水の力って、個人の腕力ではとうてい抵抗できない瞬間があって怖いです。

 

 

余談ですが、これも、プールでの事故を題材にしたお話でした。

麒麟の翼 (講談社文庫)

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