虫はともだち

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夏休みの自由研究 カイコを飼う

子どもたちが幼稚園や小学校のころ、教室でカイコを飼っていました。休みの日は家に持ち帰って、近所のクワの葉っぱを採ってきてお世話。

当時の先生によると「カイコは特別なルートでしか手に入りませんよ」とのことだったので、個人的に飼うことはあきらめていましたが、最近気がついたのですが、ネットで購入することもできるようです。アマゾンにも生体が売っていて、びっくりです。

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カイコを飼う楽しみ 

なんと言ってもまゆを作るところが見られること。枠を作ってあげると、きれいにまゆを作ってくれます。

私は芋虫毛虫を触るのはあまり得意ではありませんが、子どもたちはカイコを手に持って「カワイイ~」と喜んでいました。幼稚園でも、カイコの移し替えは箸などだと傷つけてしまうので、手で持って運ぶように言われていましたが…(^^;)

繊細なので、飼っていても一部は黒くなったりして死んでしまいます。ていねいな扱いが必要です。

飼育の方法は、検索すればたくさん見つかりますね。

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飼う前にエサのクワの木探し

自宅の近くでクワの木のある場所がわかりますか?

子どもたちが小さい頃は、学校の帰りに「あそこの空き地の角にあるよ」などと子ども同士で教えあっていました。

街によってはクワを手に入れるのも難しいところもあります。今住んでいる家は標高が高いせいか、クワはなくて、よく似たコウゾしか見当たりません。調べたら、カイコはコウゾも食べるようです。クワより葉っぱが堅そうですけれど。 

今は人工の餌も開発されていますが、どうせやるのならクワの葉で育ててほしい…。

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安楽死か、交配か? 

まゆが完成したら、冷凍庫に数日入れて天日で乾かせば、工作材料にできます。

これって、「カイコガのさなぎを安楽死させる」という意味です。冷凍庫に入れたりせずにそのまま置いておけば、2週間もすればカイコガの成虫がまゆを破って羽化してきます。

オスとメスの成虫を交尾させれば、メスはたくさんの卵を産み、また幼虫が生まれてきます。自分で交配すると血が濃くなるために、元気なカイコになる確率が減るようです。

学校で飼育した時は、「自分のカイコを冷凍庫に入れるのか羽化させるのか」、それぞれが考えて決めるようにと言われてきました。全然迷うことなく冷凍庫に入れたわが子に、ちょっと引きました。

まゆで工作 

まゆを半分に切って、まゆ人形を作ったり、まゆ鈴をつくったり。アイデア次第でいろんなものが作れます。

それとも、昔の女工さんのように、まゆをゆでて糸を取りましょうか。

素敵な工作のサイトを見つけました。↓

繭クラフト作品完成品写真コーナー 【繭と蚕の里山のクラフト便り】

野蚕を探して飼う 

カイコは人間が改良して家畜化したものですが、野外で生活している「野蚕」もいろいろいます。その幼虫を捕まえて来て、まゆを作らせるのもおもしろいです。

ヤママユ 

雑木林のコナラやクヌギ、カシの木を探してみると、大きな緑の幼虫が見つかります。これを連れて帰ってエサをやっていると、カイコよりも立派な緑のまゆを作ります。

絹糸としてもカイコよりも上質な糸が取れるそうです。

時期としては、初夏に産卵、2か月近い幼虫期間を経て8月くらいから羽化が始まります。秋に羽化するものも。

幼虫期間が長いので、夏休みの自由研究にする場合は、大きな終令幼虫を捕まえて来てまゆを作るところを観察することになります。

室内飼育と屋外飼育では、出来上がるまゆの色が変わります。置き場所を変えて違いを観察するのもいいかもしれません。

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↑ マテバシイを食べるヤママユガの終令幼虫。大人の指くらいあります。

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↑ コナラの木に作られたヤママユガのまゆ。 

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↑ 屋外(軒下)に置いた飼育箱にできた緑色のまゆ。室内だと黄色くなります。 

クワコ 

初夏や秋口にクワの葉を探すと、カイコに似たイモムシが見つかります。カイコの原種。これも、カイコより小さいまゆを作ります。

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 ↑ 9月中旬に見かけた幼虫。よく見かけるのは5月と9月です。  

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↑ クワコはまゆを葉っぱで隠すので、落葉した冬になるとやっと目立つようになります。 

 

 

 

 

レビューを見ると、ペットの蛋白源としてエサ用に買っている人が多い⁉

 

ぜんぶわかる! カイコ (しぜんのひみつ写真館)

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 ひむか昆虫記に、著者の新開さんのヤママユの野外飼育の様子も載っています。

 

 

 

mushitomo.hatenablog.com

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