子どもと一緒にアリを飼う
アリを飼うのは楽しいです
アリは、子どもたちにとって一番身近な生きものですが、同時に繊細な生きものです。子どもたちとアリを追いかけたことは、今となってはいい思い出です。
今は、アリを飼うための情報はネットにたくさん出ています。上手に長生きさせられるのではないかと思います。
※アリ飼育情報は → AntRoom アントルーム|蟻について語ろう
私が子どものころ
子どものころ、「科学と学習」の付録でアリを飼ったことがありました。その時は、プラケースに砂を入れていました。どうなったのか肝心なことは覚えていないのですが、なんだかとてもワクワクしたのは今でも覚えています。
自作のアリの巣容器
わが子が小学生と幼稚園だったころ、学研の付録を思い出して、アリを飼うことにしました。
ホームセンターで厚めの透明プラ板を購入し、プラ板を切れるカッターナイフも購入。分厚いプラは普通のカッターではきれいに切れません。
太めの透明テープ(強力接着)で観察容器を作成。大きさは、側面がA3横ぐらい、厚みは10cmくらいでした。砂を入れるとかなり重たくなりました。
中に入れるアリは、子どもたちが行く公園にたくさんいたクロヤマアリ(中型の普通種)に決定。当時なにかの雑誌の付録だったアリ捕獲機で、子どもたちが集めました。これが意外に大変でした。素手でつかむと、アリをつぶしてしまうので、吸虫管のような道具が必要です。買うと高いので自作してみては?
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石こうで巣穴が出来上がっているものも売っています。
砂はホームセンターで川砂を買ってきましたが、べたべたすぎてアリが巣を作っても曇ってしまって中がよく見えませんでした。衣装ケースのフタに砂を広げて天日で乾燥させから、もう一度セットし直しました。
「強力接着のテープだから、アリが逃げ出すはずがない!」と、強気でクロヤマアリを投入。玄関先のポーチに日差しをよけて置いておきました。
記録が残っていないので詳しくはわかりませんが、プラ板に沿って、わりとすんなりと穴を掘ってくれました。
そして、エサとして、お弁当用の紙のおかずカップに砂糖を溶かした水と煮干しの崩したものを砂の上に置きました。
そこからは、もう収集がつきませんでした。
エサを狙って、庭のクロオオアリが透明テープを軽々と破って侵入。あっという間にエサの煮干しは持ち去られ、あけられた穴から飼っていたアリも脱走してしまいました。
何度か懲りずにトライしましたが、クロオオアリの攻撃に完敗でした。
このクロオオアリたちは、のちにカブトムシの卵も、飼育ケースからじゃんじゃん持ち出して、私を悲しませました。
ジェルのアリの巣キットを試す
で、もっとお手軽に室内でアリを飼おうと考えて、流行りのジェルのキットに挑戦。
これは、しっかりしたケースなので、子どもにも簡単かと思いましたが…。
ケースが余り大きくないので、クロヤマアリを数匹入れただけで、あっという間に下まで穴を掘ってしまい、じっくり楽しむ間もありませんでした。さらに、しばらくしたら、ジェル内にカビが生えて、アリも死んでしまいました。密閉性が高いと、カビも生えやすいのでは?
初めて試すには、とてもお手軽です。透明ジェルで中がよく見えるので、子どもにも受けました。でも、生きもの相手なので、短命になることが分かっていて飼うのも、ちょっと無責任なのかもしれません。
女王アリを飼う
そうこうするうちに、子どもたちがクロオオアリの女王アリを捕獲してくるようになりました。
はじめは偶然捕獲してくるだけでしたが、だんだん慣れてくると、クロオオアリの結婚飛行の日がわかるようになりました。5~6月の蒸し暑い日の午後。
子どもたちが手で握って持ち帰ると、弱ってしまうので、ランドセルの中にフイルムケースを入れておきました。当時はまだフイルムカメラの需要があったので、写真屋さんに行ってお願いすると使用済みのフイルムケースがたくさんもらえました。(今はフイルムケースはないので、100均の旅行用の化粧品入れを使っています。)
体のサイズは小さくなりますが、他のアリたちも、夏にかけて結婚飛行をします。手っ取り早いのは、夜、自然が残っているような場所の明るい街路灯を探すこと。羽アリは明かりに集まります。
女王アリは、どう飼っていいかわからず、とりあえず透明なビンに穴をあけたフタをして飼いました。生活クラブのマヨネーズのビンがちょうど便利でした。100均にも、この手のビンはありそうです。
浅い容器だと、エサや水の入れ替えをするときにアリが逃げ出そうとするので、このくらいの深さがあるほうが安心でした。
このビンの中に、女王アリとおかず用のカップにエサ、小さく切って水を含ませた台所スポンジ(給水用)を入れて、冷暖房のない玄関の暗い場所に置いておきました。
透明容器は、100均にもある、おかず用のフタつきのプラ容器もありますが、軽いものだと安定感に欠けるので、なるべくビンまたはキムチの空き容器にしていました。
エサは砂糖水と鰹節。持ち帰る時にダメージがなければ、ほとんどの女王アリは卵を産んで、大切になめていました。(なめることで卵を雑菌から守る)
玄関に女王アリがいるのは、かなり楽しいです。出かけや帰宅時にちょうど産卵中のところを目撃できたりして、ドラマチックでした。
夏ごろに働きアリが出てくるのですが、毎年帰省していて、いつも全滅。湿度管理は大切なようです。その段階以上は、育てたことがありません(^^;)
↑ ミカドオオアリ(たぶん)の女王、働きアリ、卵、幼虫、まゆ。
庭のアリの巣を観察する
カブトムシの卵を奪いに来るクロオオアリを尾行したら、庭にクロオオアリの大きな巣があることが分かりました。
庭の草(スミレなど)を踏まないように、四角いコンクリート板の敷石が点々と置いてあって、それをそっと持ち上げると、下がアリの巣になっていました。クロオオアリだけでなく、他のブロックの下にはクロヤマアリの巣もありました。
たまに板を持ち上げて、アリたちを観察。クロヤマアリは、板の直下が幼虫や繭の部屋でした。アリヅカコウロギが同居しているのも見られました。
クロオオアリの巣は、板の直下はただの通路でしたが、結婚飛行の時期になると、板の直下で羽アリたちがスタンバイしているのが見られました。羽アリのスタンバイを確認するようになってからは、クロオオアリの結婚飛行の日はほぼ確実にわかるようになりました。(違う日に飛ぶ女王ももちろんいましたが)
↑ コンクリート板を外したところ。結婚飛行直前のアリの巣。
アリ飼いの参考になる本
庭先のアリだけでも、何種類もいます。
詳しい図鑑は、図書館で借りてみては?
学研の図鑑は現在は中古を探すしかないようです。
この本の情報はネットでも見られます。 → 日本産アリ類画像データベース
アリと一緒に暮らす生きものの図鑑です。
- 作者: 丸山宗利,工藤誠也,島田拓,木野村恭一,小松貴
- 出版社/メーカー: 東海大学出版会
- 発売日: 2013/03
- メディア: 大型本
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アリの生態を、鮮明な写真で説明している絵本です。
小さい子にもわかるように説明が易しく書かれた絵本です。
2016夏の小学校低学年の課題図書になっています。
ジェルではない砂のアリの巣キット