バーベナ・ボナリエンシスの憂鬱
わが家の放置ガーデンは今宿根バーベナが花盛りです。
庭に目をやると、いつも蝶が飛び交っていて、個人的には大変満足なんですが…。
「それって雑草だらけってっことじゃない?」というご意見をもらいました。
そうなんだよね。悩んでいます…。
バーベナの憂鬱というよりも、私が憂鬱なお話です(笑)
バーベナ・ボナリエンシスを植えたわけ
元々は蓼科のバラクライングリッシュガーデンでぎゅっと密植したバーベナ・ボナリエンシスの花壇に一目ぼれしたことから。
さっそく庭にタネをまき、あれから15年以上経ってると思うのですが、今のわが家の夏の庭はこの花でいっぱいになります。
地植えなら水やりしなくても大丈夫だし、背が高いのにほぼ自立してくれるし。
庭の花は「ほとんど白、少し紫」でシックにしたいし。
なんといっても、蝶の吸蜜植物として大変優秀。
バーベナ・ボナリエンシスに来る虫たち
ナミアゲハは、いったん来ると、こちらが見飽きてしまうぐらい長い間花を渡り歩いて蜜を飲み続けます。
至近距離に寄っても逃げません。よほどおいしいと見えます。
花期が長いので、春型の小さなナミアゲハから夏型の大きくて黒っぽいナミアゲハまで、いろんな姿が見られます。
ツマグロヒョウモンに至っては、蜜を飲むだけでなく、ここでテリトリーの主張をしたり、追いかけっこを繰り返し、夜は花にぶら下がって眠っているのもいます。
アゲハはせいぜい3頭ぐらいしか来ませんが、これは多い時には狭い庭に10頭近く集まります。
夜眠っている時は、多少つついても動きません。
夏枯れの時期で、ほかに吸蜜植物が少なくなるせいか、真夏の今の時期は、とくにナミアゲハとツマグロヒョウモンが集まります。
ほかにも、蜜を求めてハチ類やオオスカシバ(ガ)などの姿も。
これだけいろいろ集まると、捕食者も来るわけで、毎年同じ位置にオオカマキリがスタンバイしています。代々言い伝えているのかな?(笑)
カマキリがいると、こういう悲劇も起きますね。
ほかにも、ジョロウグモやシロカネグモ類の網もあるし、数年前にカマキリモドキを見かけたこともありました。
バーベナ・ボナリエンシスは雑草?
以前このブログでも書きましたが、このバーベナは、わが家の近所の空き地や畔道などに広がって、すっかり雑草化して定番になってしまいました。
南米原産の帰化植物で、ヤナギハナガサとか三尺バーベナとか言われています。
アレチハナガサやダキバアレチハナガサなど、ほかにもそっくりさんがあります。
私が最初にタネをまいたころは、ごくたまにしか見かけなかったのに、今はあちこちで見かけます。
以前観察した記事です。
ちゃんと、お店で売っている園芸植物だったのに。
つい先日も、放置気味の畑の脇にこのバーベナが広がっていました。
こちらはわが家の今の庭。バーベナはこの何倍も広がっています。
後ろの白いフロックスは満開ですが、蝶はまったく寄りつきません。
友人で、自宅の隣の空き地にこの花がはびこって困っている人がいて、「あれをたくさん咲かせているってことは、雑草だらけの庭なの?」と言われてしまったわけです。
うーん。一応自分が雑草だと思うものは抜いているんだけど…。
こうなってくると、このバーベナが要注意銘柄に指定されて、抜き取り対象になるのも時間の問題なのかもしれません。
本当に蝶が目の前を飛び交って、幸せな気分になれるのに。
毎年、意図的に生えてほしい場所にタネをばらまいています。
まかなくても、大きな株は宿根として残って春一番に芽吹きますし、こぼれダネでも広がりますが、局所的に密植したいので。
来年からは、控えた方がいいんだろうか。
今のところ、わが家の隣近所を見ても、わが家からタネが飛んだ形跡はありません。
が、侵略銘柄の外来種の拡散拠点にはならないように気をつけないと…。
悩ましいところです。
おしまいに
年を取ってこまめに園芸をやるのが面倒になって、丈夫な植物をうまくコントロールして花を咲かせるようになりましたが、丈夫なことは迷惑植物の裏返しでもあって…。
おそらくこのバーベナがこんなに増えたのは、夏が暑くて、在来植物が耐えられない気候になっていることも関係しているかもしれませんね。